From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表
シェアリングエコノミー、いわゆるシェアエコについて関心が高まっていますね。しかも、「素晴らしい!」という関心ではなく、「とんでもない」、「どうしようもない」、「酷い」という関心です。要するにシェアエコを問題視するという意味での関心が高まっているということです。三橋TV等を通じて早くからシェアエコの問題について指摘し、発信してきた者としてはいい流れになってきていると思います。
シェアエコとは、簡単に言えば、サービス等を提供したい人、提供できる人と、サービス等を利用したい人を、仮想の取引所であるICTのプッラットフォームでつなぐものです。プラットフォームを設置し運営するいわゆるプラットフォーマーは自らモノを仕入れるわけではなく、当然在庫を抱えるわけでもなく、サービス等を提供する人を社員として雇うわけでもなく、私人間の取引を手数料を取ってつなぐだけ。お手軽で、上手くいけば、言ってみれば「ぼろい商売」ということです。
さて、その根本的な問題の一つはと言えば、提供されるサービス等の質は保証されないということ。その結果の一端は、最近実態が公表されるようになったウーバーの報告書等からも明らかですね。シェアエコの代表格の一つである民泊でのトラブルも結構あるらしいですが、そうしたものも「自己責任」の一言や、悪いサービスを提供すればその悪評判が広がって質の悪いサービス等提供者は淘汰される、といった説明で有耶無耶にされてきた、解決がなされずに放置されてきたように思います。
そうしたことの背景にある考え方が「事前規制から事後調整へ」というものです。これはまさに小泉・竹中構造改革の嵐の中で、構造改革推進の強力な手段の一つであった規制改革(実態は緩和)をより一層進める大義明文として出てきたものです。過剰な(実は過剰ではない)規制をかけ続けておけば企業の自由な活動が制限されてイノベーションや経済成長の妨げとなるから、事前規制をできるだけ緩和し、その一方で、何か問題が起きたときは、話合い(調停等の裁判外紛争処理)や訴訟によって解決するようにすればいい、というものです。
しかしこうした考え方は、何か問題が起きた場合の当事者が対等の関係であることが前提となっていますが、当事者関係が対等などということはありえません。大企業と一消費者の関係を考えれば一目瞭然でしょう。訴訟等をする費用も馬鹿になりません。そもそもそうした力関係から被害を受けても泣き寝入りせざるを得なかった消費者を救済し、国民の安心や安全を担保するために国よる規制が設けられてきたわけです。(環境規制や食品衛生関係の規制はその典型かもしれませんね。)その頃から比べて企業側の倫理観が高まったのかもしれません。しかしそれはそうした国による規制に裏打ちされたもの。規制がなくなっても大丈夫かと言えば、必ずしもそうとは言えませんし、再び倫理観、モラルが崩壊していくかもしれません。
そのような民間事業者等の事情に左右されないようにするためにも国によるしっかりとした規制が必要なのです。「事前規制から事後調整へ」とは、端的に国の責任放棄ということに等しいのです。
規制緩和が漠然といいこととされ、規制というと兎角悪いイメージがなすりつけられてきました。しかし国民の安心安全、国の経済社会を安定させ、地域社会を守る、伝統・文化を守る、そうした極めて重要な役割が規制にはあるのです。
しかし、我が国ではいまだに「もっと規制緩和が必要だ」とか「この国が成長できないのは規制緩和が足りないせいだ」と言った意見、はっきり言って妄言が聞かれます。もちろんその背後には規制を緩和させること自分だけ、自分たちだけ儲けよう、オイシイ思いをしようという輩、レントシーカー達がいるわけですが、金にモノを言わせてそうした誤った言説を流布し、若者を中心に信じ込まされ、今や騙された若者達が規制緩和を、やはり漠として主張するようになっているように見受けられます。
しかしそれは自分達の首を絞めることにつながり、実は自分達の足元を破壊することにしかつながらない、ふるさとを破壊することにしかつながらない、そう教えてあげて、目を覚まさせてあげる必要がありますね。
【室伏謙一】「事前規制から事後調整へ」という国家の責任放棄への2件のコメント
2019年12月24日 4:56 PM
“Don’t Think. Feel!”
考えるな 感じろ
規制緩和 構造改革 財政規律
消費増税 国の借金 財政破綻
はては
地球温暖化 プラスチックゴミ問題
脱原発
Feel a smell of trickery !!
悪臭が プンプンしますね。。。
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2019年12月24日 7:43 PM
これをされたのでは我が国の崩壊は確定しますから室伏先生も純粋に我が国のために志がおありであるなりば、その同士の方々と徹底的に我が国の変革をしませんか。なお、わたくしも、やるならば三島由紀夫に近づきたいと考えておりますから、大和魂をお見せしたい心境にございます。
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