日本経済

2018年3月27日

【三橋貴明】移民受入政策の本命がやって来る

From 三橋貴明@ブログ

安倍政権は様々なルートで
移民を受け入れようとしています。

技能実習制度の
適用範囲拡大(介護など)、
国家戦略特区における
「外国人雇用」の解禁
(大潟村や境港市など)
同じく国家戦略特区における
外国人メイド
(外国人家事支援人材と呼びます)
解禁などなど。

そして、いよいよ「ド本命」の
移民政策が始まろうと
しています。

すなわち、専門的・技術的分野の
「就労が認められる在留資格」
の範囲拡大です。

『外国人労働者 現実を見据えた対応が要る
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180321-OYT1T50065.html

人手不足が深刻化し、
業務に支障を来す産業が少なくない。

社会の活力低下を防ぐため、
海外からの労働力のあり方を
幅広く論議すべきだ。

安倍首相が、外国人労働者の
受け入れ拡大を検討する
方針を表明した。

6月にもまとめる
「経済財政運営と
改革の基本方針(骨太の方針)」
に方向性を盛り込む。

医師や弁護士ら「専門的・技術的分野」
の在留資格について、対象を
現在の18種類から
拡大する見通しだ。

小売りや建設、運輸、農業などが
俎上に上っている。(後略)』

「専門的・技術的分野」18種類とは、
具体的には「教授」「芸術」
「宗教」「報道」「高度専門職」
「経営・管理」「法律・会計業務」
「医療」「研究」「教育」
「技術・人文知識・国際業務」
「企業内転勤」「興行」「技能」
になります。

「専門的・技術的分野」の在留資格で
在留する外国人は、昨年6月時点で
約29.4万人。

ここに「小売」「建設」「運輸」「農業」
などが入ってくるとなると、
日本は事実上、外国人
「労働プログラム」を開始した
ことになってしまいます。

現在、技能実習制度が建設、農業
などで認められていますが、
同制度で就労しているのは
あくまで「実習生」であり、
労働者ではありません
(そういう建前になっています)。

「専門的・技術的異分野」に
各分野を組み入れるとなると、
普通に外国人労働者が
コンビニエンスストア、
スーパーマーケット、建設現場、
運送現場、農地などで働ける
ことになってしまいます。
(現在、コンビニやスーパーで
レジを打っている外国人は
「留学生」のアルバイト)

しかも怖いのは、専門的・技術的分野に
含まれる高度専門職は
「ポイント制」により、在留期間が
「無制限」となっている点です。

専門的・技術的分野の
適用範囲を広げる。

次いで、在留期間「無期限」
を次第に広げていく。

といった規制緩和のプロセスで、
我が国が移民国家化していくのが、
目に見えるわけでございます。

さらに問題なのは、
「専門的・技術的分野」を
適用しようとしている小売、
建設、運輸、農業などは、
まさしく人手不足解消のために、
生産性向上の「技術投資」が
盛んになっている分野という点です。

コンビニやスーパーの完全自動レジ、
建設のiConstruction、
運輸の隊列走行、
農業の自動収穫ロボット、
ドローン種子散布など、
人手不足が深刻だからこそ、
これらの分野で技術開発が
進んでいっているのです。

これらの分野を専門的・技術的分野
に含め、「外国人労働者」を雇用できる
となってしまうと、

「ならば、リスクをとってまで、
技術開発しなくても構わない」

という話になってしまいます。

結果的に、我が国が技術大国として
返り咲く日は、はるか彼方へと
遠ざかってしまうでしょう。

人手不足の解消は、
生産性向上のための技術投資で。

この資本主義の基本を
国民や政治家が思い出さない限り、
日本の移民国家化は避けられない
状況になって参りました。

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【三橋貴明】移民受入政策の本命がやって来るへの1件のコメント

  1. ぬこ より

    まだ、単純労働者の方が対処のしようがある。

    頭脳はダメだろ?頭脳は。

    本当にどうしようもない米国売国政権だわ。

    返信

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