日本経済

2018年2月16日

【三橋貴明】またもや「デフレ型」経済成長

From 三橋貴明@ブログ

デフレ型経済成長とは、
国民の需要(=所得)の合計を
金額で見た名目GDPの成長率が
マイナスになり、需要縮小の局面
であるにも関わらず、
インフレ率(GDPデフレータ)が
マイナスになってしまったため、
実質GDPがプラスで
「計算される」状況のことです。

つまりは、物価が下落し、
需要が縮小しているにも関わらず、
経済成長している風に
「見えてしまう」のです。

理由は、経済成長率である
実質GDPの成長率は、
計測できないためです。

統計可能な名目GDP
(付加価値の金額の総計)から、
これまた統計可能な
GDPデフレータの影響を排除し、
実質GDPを計算します。

つまりは、物価下落率
(GDPデフレータのマイナス)が
需要縮小率(名目GDPのマイナス)を
上回ると、実質GDPはプラスで
計算されてしまうのです。

『GDP実質年0.5%成長、消費・投資けん引 10~12月
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2687698014022018MM0000/

内閣府が14日発表した
2017年10~12月期の
国内総生産(GDP)速報値は、
物価変動の影響を除いた
実質の季節調整値で前期比0.1%増、
年率換算で0.5%増だった。

プラス成長は16年1~3月から
8四半期連続で、約28年ぶりの
長さとなった。

好調な輸出と設備投資を背景に
企業部門がけん引し、個人消費も
昨夏の天候不順による
低迷から持ち直した。(後略)』

2017年10-12月期の
経済成長率が発表され、
実質GDPが前期比0.1%増、
年率換算で0.5%増という
「微妙な数値」だったため、
「まさかね・・・」
と、思い、内閣府の詳細を
確認してみたらば、案の定・・・・。
(数値は全て対前期比)

〇 名目GDP ▲0.0%
〇 GDPデフレータ ▲0.1%
〇 実質GDP +0.1%

名目GDPがマイナスである
にも関わらず、GDPデフレータの
下落率が上回り、実質GDPが
プラスで「計算」されてしまう。

日本はまたもや
デフレ型経済成長に陥りました。

問題のGDPデフレータについて、
対前年比(上記は対前期比)の
増加率をグラフ化すると・・・・。

【日本のGDPデフレータ(対前年比%)の推移】

http://mtdata.jp/data_59.html#GDPD

対前年比のGDPデフレータは、
一年前(17年1-3月期)を底に、
プラス方向に向かい、17年7-9月期に
一瞬、プラスに顔を出したのですが、
今回は0に逆戻りしてしまいました。

コアコアCPIやGDPデフレータを見る限り、
日本経済が「再デフレ化」している
可能性は濃厚です。

ところが、新聞は
「デフレ型経済成長」
については説明せず、

「プラス成長は16年1~3月から
8四半期連続で、約28年ぶりの長さとなった」

とやってくるわけです。

すると、日本国民は、

「あ、今は景気が良いんだ」

と、デフレ環境下で誤解してしまい、
予定通り来年の消費増税が行われる。

というシナリオが見えるわけでございます。

結局、日本国民が、例えば
「経済成長率」といった「言葉」についても、
その意味や定義、統計手法を
正しく知ることなく、「経済成長率がプラス」
(嘘じゃないですが)といったレトリックに
コロリと騙され、真実を見なくなるというのが、
現在のわが国の困窮の根底にあるわけです。

言葉を知ると同時に、その意味や
他の指標との関係を
理解しなければなりません。

情報の正しい読み方を知らない限り、
我々は騙され続けることになります。

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【三橋貴明】次なる「目くらまし」は・・・?

【三橋貴明】またもや「デフレ型」経済成長への1件のコメント

  1. 言起 より

    「表現者クライテリオン」の創刊

    本日、「表現者クライテリオン」が創刊されました。
    藤井先生の「創刊の辞」を読み、胸の奥からこみ上げてくるものがありました。

    これからの「保守」は、この「表現者クライテリオン」を通じて一つになっていくと確信します。

    そこで三橋さんへ。
    あなたにはここに関わっていただきたくない。
    ここへの一切の投稿、そしてここのメンバーとの接触を避けていただきたい。

    あなたはあなたで好きにやってください。
    これが最後のコメントになります。
    さらば、です。

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