From 三橋貴明@ブログ
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北方「領土問題」は、結局は、
「北方領土での共同経済活動に関する協議を開始することに合意」
のみで決着したようです。国後や択捉はもちろん、
歯舞や色丹の帰属問題は進展せず、官民合わせて
80件の経済協力、日本側の投融資金額3000億円の
合意文書が交わされました。
プーチン大統領としては、北方領土について
「ロシアに帰属している」ことを世界にアピールし、
さらに経済制裁をしているはずのG7諸国の一国
(我が国)から、史上最大規模の経済協力を取り
付けたわけで、「完勝」という感じでございましょう。
そもそも、桜の番組でも語りましたが、対露関係の改善を
明言しているドナルド・トランプが大統領になった以上、
プーチン大統領が日本に譲歩する理由はありません。
今回の訪日も、トランプの就任前に、G7の一角を切り
崩せればラッキー、程度に考えていたのではないでしょうか。
2016年という年は、ブレグジット、トランプ
当選に象徴されるように、これまでのパラダイムが
大々的にシフトする歴史の転換点になりました。
特に、アメリカ大統領選挙では、グローバリズムあるいは
新自由主義の「欺瞞」が時代を動かした印象を受けました。
ご存知の通り、サッチャリズム、レーガノミクス以降の
新自由主義により、特にアメリカでは医療費が高騰する
事態になっています。医療の「自由化」の結果でございますね。
【2015年 1人当たり医療費(個人・民間支出分、単位:ドル)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#OECD1
これだけ突出した医療費を支払い、相対的に健康で
生きられるならば、まだしも合理性はあります。
とはいえ、現実は・・・。
【2015年 主要国の健康寿命(歳)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#OECD2
ちなみに、健康寿命とは「健康上の問題がない状態で
日常生活を送れる期間」という定義です。わたくしたち
日本国民は、世界で最も長く「健康上の問題がない状態」
で日常生活を送れるのです。
しかも、国民皆保険制度や医療現場の方々の献身の
おかげで、OECD諸国の中で最も安い医療費で。
それに対し、アメリカは・・・。
『トランプ氏勝利 理想に反発した白人層 トッド氏に聞く
http://mainichi.jp/articles/20161215/k00/00m/030/110000c
自由貿易や行き過ぎたグローバリズムに「ノー」を突きつけ、
米大統領選で勝利を収めたドナルド・トランプ氏。
何がトランプ氏を勝たせたのか。世界はどこに向かうのか。
フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏に聞いた。(後略)』
上記インタビューの中で、エマニュエル・トッド教授が
「グローバル化疲れ」について解説していました。
『(トッド)かつて乳幼児死亡率の上昇を「兆候」と捉え、
ソ連崩壊の可能性を指摘した。今回もトランプ氏が勝利する
可能性はあると考えてきたが、その「兆候」が米国での
45〜54歳の白人死亡率の上昇だ。医療の発達や
生活レベルの向上で低下傾向にある先進国の死亡率だが、
米国の白人は1998年以降、上昇に転じているとの
研究データがある。死因は自殺やアルコール中毒が目立っていた。
不安や苦しみを多くの人々が味わっていたことを意味しており、
有権者の約70%を占める白人層は、
大きな変化を受け入れる準備ができていたのだ。 』
新自由主義に基づく構造改革やグローバリズムを推進しても、
国民の多くは恩恵を受けない。逆に、医療費高騰や社会保障削減、
さらにはグローバリズムによる低賃金競争、失業、実質賃金の
低下(貧困化)により、グローバル化疲れが広まり、社会が
不穏になっていく。結果的に、グローバル化に疲れた国民が
「民主主義」によって反乱を始める。
実に、合理的な流れなのでございます。
後世の歴史の教科書には、2016年が時代の
転嫁点になったと書かれるでしょう。行き過ぎた
グローバリズムの是正が、世界的に始まった年として。
そんな中、周回遅れのグローバリズムを推進している安倍政権。
旧来のパラダイムを前提に推進し、失敗を繰り返す日本外交。
日本にとって、厳しい年になるのは間違いないであろう、2017年 が間もなく訪れます。
—発行者より—
【オススメ】
★★★★★:市川道教のレビュー
今年3月、日銀がマイナス金利など、素人には意味が
全くわからないので少し勉強してみようかなと、
軽い気持ちで、月刊三橋に入会しました。
それまで、政治や経済はあまり自分とは関係ない、
というか、考えても、実質的に自分の力が
及ぶことはないので、真剣に考えてなかった。
しかし、実体経済の原理から、GDP、所得などを
コンテンツで勉強したおかげで、英、独、米での
大きな動きがあった、2016を冷静な目で見ていられた。
大袈裟かも知れませんが、人生で一番、
勉強した1年だったように思います。
また、財政破綻の嘘の話を、友人たちに話すと、
その反応がいろいろで面白かった。
でも、まあ、友人たちの半分は、それでも、
財政が〜〜、と言い続けてます。
さて、今月というか、今年のまとめは、
CSIS元研究員の某議員のような、あるいは、
パソナ役員の某氏のような、日本の貧困を利用して、
人気取りや利益を得ようとする輩との闘いが
マジで始まったと覚悟することですね。
来年も期待しています、よろしくお願いします。
月刊三橋最新号
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