日本経済

2016年10月29日

【三橋貴明】9月のインフレ率と実質消費

From 三橋貴明@ブログ

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★★★★★:TB様のレビュー

アメリカ大統領選の背景やカネの流れが理解できたと同時に、
日本がいかに危うい状況にあるのか危機感を感じる事ができた。

ここ数年の政策が日本の将来に大きく影響を与える事を実感できました。

それにしても、モンサントなどアメリカ企業の利益追求のスタンスが、
驚きを通り越して聞いてて笑ってしまうレベルだった。

日本人と他国は根底から違うという前提をしっかり持たないといけない。
というか本当にマズイ。

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  今日も香川県高松市に講演のお仕事で向かいます。
土曜、日曜、何それ、美味しいの? という感じでございます。

 さて、9月の指標が色々と発表になりましたので、
「悪い話」「良い話」の順番に取り上げます。
残念ながら、今日は悪い話。

 ついに、コアコアCPI(食料、エネルギーを除く総合CPI)
までもが、伸びが止まってしまいました。

『9月の全国消費者物価、0.5%下落 7カ月連続下落
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL26HCL_W6A021C1000000/
 総務省が28日発表した9月の全国消費者物価指数
(CPI、2015年=100)は、生鮮食品を除く総合が99.6と、
前年同月比0.5%下落した。下落は7カ月連続。

QUICKが発表前にまとめた市場予想の中央値は0.5%下落だった。
8月は0.5%下落した。
 食料・エネルギーを除く「コアコア」のCPIは100.4と横ばいだった。
生鮮食品を含む総合は99.8と、0.5%下落した。(後略)』

 というわけで、9月のインフレ率。

CPI ▲0.5%
コアCPI(生鮮食品を除く総合) ▲0.5%
コアコアCPI(食料・エネルギーを除く総合) 0%

 総務省は、
「原油価格の下落の影響が弱まる一方、家電製品をはじめ
幅広い分野で価格が下がったり伸び悩んだりしていて、
こうした傾向が続くのか注視していく必要がある」
 と、眠たいコメントを発していますが、
要するに日本経済は再デフレ化しているわけです。
コアコアCPIまでもがマイナス突入寸前にまで至ったわけで、
もはや「原油価格が〜」といった言い訳は通用しません。

 消費者物価指数(インフレ率)が低迷している主因は、
単に消費が低調なことです。と言いますか、
実質の消費が減り続けている状況で、
消費者物価指数が増えるはずがないでしょ。

『9月の実質消費支出、前年同月比2.1%減 天候不順受け
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL28HA3_Y6A021C1000000/
 総務省が28日発表した9月の家計調査によると、
2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり26万7119円で、
物価変動を除いた実質で前年同月に比べて2.1%減少した。
減少は7カ月連続。QUICKがまとめた市場予想は2.7%減だった。
台風の上陸や天候不順を背景に食料や衣料品などへの支出が低迷した。(後略)』

【日本の実質消費(二人以上の世帯)の推移(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#CPI16Sep

 新聞では「減少は7カ月連続」とありますが、
16年2月の「うるう年効果」を除くと、13カ月連続です。
すでに、日本国民は一年以上もの期間、
実質的な消費を減らし続けているのです。

 実質的な消費を減らすとは、分かりやすく書くと、
「買うことができるパンの個数が減ってきている」
 という意味になります。

 総務省は16年9月の実質消費の減少について、
例により「台風の上陸や天候不順」とお天気様のせいにしていますが、
絶対に違います。理由は、過去三年の9月の実質消費が、

14年9月 ▲5.6%
15年9月 ▲0.4%
16年9月 ▲2.1%

 と、三年連続で減少しているためです。
「下がって、下がって、下がっている」のです。 

 それとも、過去三年の9月の実質の消費下落は、
三年連続で「お天気様」のせいだとでも言いたいのでしょうか。
そうだというのであれば、安倍政権は、閣僚・官僚が揃って、
「良い天気になりますように」
 と、テルテル坊主を飾る儀式をやるべきでございますね。

 いずれにせよ、安倍政権は「消費税増税+緊縮財政」という失政により、
再び日本をデフレの泥沼に引きずり込もうとしているという
「現実」を認めるべきなのです。その上で、消費税について延期ではなく、
最低でも凍結、できれば「減税」の議論を始めなければなりません。
 
 というわけで、明日は良い方の指標。

ーーー発行者よりーーー

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★★★★★:毎日父さん様のレビュー

いつも日本人はお花畑が治らないなと思ってましたが、
世界とこんなにも違う人種なのかと改めて考えさせられました。

日本の常識は良いも悪くも世界の非常識なのだなとつくづく思いました。
こんな世界で日本人は存続していけるのかと疑問を持ちました。

月刊三橋10月号
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【三橋貴明】9月のインフレ率と実質消費への1件のコメント

  1. 學天測 より

    解ってて、当然の最低限の事をつらつら長文で解説しないといけないのが現状ですからねw箸の上げ下げまで指導されなきゃいけないレベルが政治家に平気で立候補する。中央政治があれで、地方政治だともう憲法違反を平気でする目も当てられない惨状。しかも、いまさっき口先で交わした契約=立法を破る体たらく。政治家の前提はそう言う事を自ら解る自由人と言う事でしょう。普通の組織では幹部職員が理解しているような管理の帝王学は自分で身に着けていくものだし、それが解らん奴に解説する事はない。そういうのは一生、平でいて黙って上からの命令に服して居ればいいと言う話。そんな面倒なコストのかかる事していたら組織が廻らない。いい加減勘違いはやめてほしいですね。せめて政治家だけでも学んで、憲法読めよと。ええ、主に大阪自民党の市議達への率直な感想であります。総理総裁は住民自治の強化を言っている、憲法上当たり前の話だ。それを無視して政策でやる気も示さず、とういうかそもそも何をしたらいいかがまるでわかってないのになんで政治家になったんだよとと言うレベル。官邸に維新にも方いれするなと言う方が無理だろう。どちらも低レベルで非常識、あいつらにはそれがわかってない。何時まで放置しとくんでしょうか?あんなの?敵は内にあり、ああ。

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