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2015年5月30日

【浅野久美】土に宿る

From 浅野久美@月刊三橋ナビゲーター&チャンネル桜キャスター
http://keieikagakupub.com/38news/

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●●三橋貴明が実践する経済ニュースを読む技術とは?
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つい最近、何かの旅番組で、俳優の大和田伸也さんと獏さん兄弟が仲良く台湾を楽しんでいたのをみて、いいおトシのおじさんたちが、寄り添って笑い合ったり、時には目つめ合って無邪気にはしゃぐ姿に、
「なーんかウソくさいなぁ」と思いつつ、台湾の現地情報は面白く観ていました。
しかしどうやら彼らは本当に周囲も認めるほどの、昔から仲の良いご兄弟のようで、いまだに行き来の機会も多いとか。
家族ぐるみでの仲良しブラザーとのことですから、きっとすくすく育ったご家庭の雰囲気に加えて、何より、お二人とも良妻に恵まれたからこそ成っている、老いてなお堅い兄弟関係・・・なのかもしれませんよね。

そういえば、政治家の資産公開で今年もトップと報じられた鳩山邦夫さんも大和田兄弟と同じくらいのご年配でしょうか。
お母様からの遺産相続でさらに増額、ということですが、
・・・時々うっかり忘れそうになるけど、鳩山さんって、あの鳩山由起夫氏と正真正銘の兄弟なんですよね。
ルックスがあまり似ていない、ということはさておき、片や、真面目に法務大臣の職務を全うしただけで、朝日新聞に《永世死刑執行人》《死神》などと、人格まで否定するような酷いヘイト記事を書かれ、
片や、引退してもなお、国家と国民に迷惑ばかりかける宇宙規模のアレな元日本国首相。
まあなんというか、それぞれのキャラクターにはだいぶ大きな違いを感じますが、あのお二人の仲が良かろうと悪かろうと、どちらが黒い鳩であろうとなかろうと、そこにはたいして興味はないにしても、
少なくとも、二人とも大金持ちの子だったということだけは間違いないわけですからねぇ。
・・・するってーとやっぱりあれですか・・・
周囲もハイソだったりするからには、きっと、
てのひらが金属臭くなるくらいぎゅっとコインを握りしめて駄菓子屋に向かったり、
ガキ大将から弟を守るためにどろんこまみれで取っ組み合いをしたり、
砂埃をあげて日暮れまで自転車の練習をしたり・・・なんていうワイルドな経験はないんだろうな。
まぁワイルドならいいっていうもんでもありませんが、あの世代にはぜひ備わっていてほしいのが、昭和時代の男兄弟らしい土の香りのする遊びです。
明るくチャーミングな大和田家のふたりからは無限に想像出来ても
鳩山兄弟からはまったく想像できませんものねぇ。

それにしても、世の中には仲の悪い、実の兄弟姉妹ってけっこういるものらしく、特に、同性で骨肉の・・・とはワイドショーでもよくある話。
兄弟は他人の始まり、と言いますが、たまたま私は幸せなことに妹とは親密なままなので、よほどのことがなければ死ぬまでこんな感じかな・・・という気はしていますが、どうなんでしょう。
いくつになっても、いつもそれなりに気にかかる存在で、《姉と妹》という、なんとなくの微妙なポジショニングがあんまり変わっていないせいか、大人になったいま、親の介護やら実家の諸々のケアなど、さっくりとうまく調和・分担が出来ていることに感謝。
あれこれの節目に立会うたび、言いたいことを言いつつ、それなりに許しあえる関係で本当によかったなぁとつくづく思います。

そうそう、私の親戚に、冠婚葬祭でさえ話をせず、とことん目も合わせない、というやたら仲の悪い大叔母姉妹がいました。どちらも私から見ると、しゃきんとした気の強い《職業婦人》でしたが、お小遣いをくれる時には必ず洒落たお説教を語ってくれるところはよく似ていましたっけ。
せっかくのオンナきょうだいなのに、いったい何が原因だとこんなに嫌いになれるのだろう、と、昔から子供心に不思議でしたが、結局、その後何十年も言葉を交わすこともないまま姉妹の一人が亡くなり、長きにわたる不仲のいきさつはとうとう誰にも語られないまま。
アサノ家の大きな謎のひとつとして、我々若手親戚筋の間で、時々この話を持ち出しては、邪推しながら謎解きごっこで盛り上がったりしていることは、口うるさい長老たちには内緒にしておきましょう。

犬猿の仲・・といえば、有名どころでは、いまでも和解のかけらさえも見えないまま中年となった若乃花と貴乃花の兄弟ですね。
かつて、夢の兄弟取り組みが現実のものとなった、土俵上での《若貴対決》は、色々物議は醸したものの、日本中を大相撲のとりこにするほどの一大ドラマがありました。
いまでは、相撲ファンの女性は《スージョ》と呼ばれ、相撲界を華やかに盛り上げる一助となっていますが、
当時《相撲ギャル》と呼ばれたのも、少女から熟女までの熱狂的な女性ファンたちで、それはそれは物凄い勢いでした。
貴乃花以来、日本人の横綱がいない、という現実にいまさらながら改めて驚きます。
でも、若貴対曙、という図式は、本当に面白かったなぁ。

その後、明らかに人気が衰退して寂しくなってしまった大相撲でしたが、モンゴル勢の横綱たちが、わが国の国技を繋いでくれています(席捲されているという言い方も出来ますが)。
今場所も、23歳の照ノ富士が優勝して大関昇進となり、《初めての平成生まれの大関》という見出しが新聞に出ていましたが、いやいや、《平成》生まれといっても、いうてもモンゴルの青年ですからねぇ・・・・
たしかに複雑な気持ちにはなります。
ただ、国技が外国に乗っ取られていると言われても、一方では、彼らのおかげで満員御礼になっているのも事実なんですよね。
そこは、厳しい稽古を乗り越え、日本のしきたりを尊びながら相撲界に貢献している彼らに感謝もしつつ、日本人横綱不在を、嘆き警戒しなければならない、というのがファンの本音でしょうか。

それにしても、千秋楽の大一番、部屋の弟分である照ノ富士の優勝を、気迫の取り組みで白鵬を破ってお膳立てした《弟想い》の日馬富士、すっかり惚れ直してしまいました。
(私の地元に近い、秦野市の出雲大社さがみ分祠と日馬富士関はとても関わりが深く、実は神奈川県民には人気の横綱なんですよ)
とはいえ、愛用している相撲手ぬぐいは、遠藤関と稀勢の里のイラスト入りだったりもして・・・つまり、特にどの力士が、というわけでもなく、比較的ずっとやんわりな相撲ファン・・・そして何より、ちゃんこだけは断然醤油味!の浅野です。
みなさま今週もお仕事大変お疲れさまでした。

波乱に満ちて、千秋楽まで大盛り上がりだった五月場所。
今年もそろそろ半分が過ぎましたが、私の実家では年明けから色々とハプニングがあり、わが妹にすっかり世話になりっぱなしだったので、彼女への感謝と慰労を兼ね、先日、両国国技館で大相撲を観戦してきました。
妹は子供の頃から《相撲ダイジェスト》を必ず観ていた相撲ファン・・・立ち位置 ?としては、《相撲ギャル》と《スージョ》の中間くらいですか。
最近は逸ノ城のほか千代丸、豊ノ島が《押し》らしいのですが、早めの時間から応援しているうちに、すっかり若手の《青田買い》も充実したらしく大興奮の様子。
そしてなにより、審判として座っている錣山親方(元関脇寺尾)の大ファンだった彼女は、親方の立ち居振る舞いにいちいち熱い視線を送っていました。
元祖イケメン系力士と言ってもいい寺尾は確かに女性に絶大な人気がありましたが、さらに、長く現役を続けたことは、現在の堂々たる風格にもつながっていると思います。
寺尾を《アビ》などという愛称で呼ぶ妹に言わせれば、《今日一日の努力》が関脇の座右の銘だったそうで、ルックスだけでなく、陰では大変な努力をしているのに、《慌てず騒がず、いつも心に一本筋が見える(妹談)》、そんなクールさに魅了されたということです。

ところで、白鵬、日馬富士、また、大関に昇進した照ノ富士にしても、モンゴル人力士の
インタビューのコメントの中には《神様》というキーワードがよく出てきますね。
大相撲が神事であることは多分、彼らは我々が思っている以上によく理解しているはずで、
東日本大震災の時も、《慰霊の四股》をひとつでも多い土地で踏みたい、そして皆さんに温かいちゃんこを食べてもらいたいと、率先して被災地を回る希望を出したのも彼らだったそうです。
若い力士たちは、力仕事の手伝いにも精を出して、被災した人々にとても喜ばれたと、当時、現地の新聞にありました。

この春も、伊勢神宮では、紋付・袴の堂々たる正装姿で参拝しましたし、雨の中のそろい踏みも趣があって大変美しかったそうですよ。
また、(こんなに大事なことなのになぜかあまり報道されませんが)靖国神社の奉納大相撲では、化粧回姿での本殿参拝が行われ、たくさんの相撲ファンが集いました。
幕内全力士による参拝に加え、今年は戦後70年ということで両横綱の慰霊の土俵入りもあり、ひときわの重み。立派です。感激です・・・でも、どうなんでしょう。
英霊のみなさまは100パーセント喜んでくださっているでしょうか・・・

となれば、
うーん。やっぱり、我が国の力士の活躍はどうしても期待してしまいます。
次に横綱として土俵に上がる日本人力士は誰なんでしょうね・・・
とはいえ、国技が衰退しても困ります。次の場所も大いに楽しみとなりました。
今回、土俵は本当に神聖な場所なのだとその神々しさを改めて体感しました。
かつて、『土俵に女性が上がれないのは差別』なんていうくだらない一連の騒動がありましたが、
神聖な土に上りたがる女性のセンスは同じ女としてまったく理解できません。
外国人でさえ、あの場所がどういう意味を持つものなのかわかっているのですからね。

ということで、冷酒の美味しい季節、今夜はちゃんこ鍋でもつつきましょうか。
しつこいようですけど、味付けはやっぱりしょうゆ味!

梅雨前線がじわじわと上がってきました。
あじさいやカエルがすでにアップを始めています。
みなさま、お元気によい週末を!!!

PS
月刊三橋最新号のテーマは、「日本経済の大問題」。

マスコミが報じないTPP交渉の真の問題点、
日銀は何を間違えたのか? 「国の借金問題」のウソ、
大阪都構想、リニア新幹線、原発再稼働ほか、2015年上期の経済ニュースを徹底解説

http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv.php

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【浅野久美】土に宿るへの4件のコメント

  1. メイ より

     力士が四股を踏む、というのは、大地を固める、みたいな意味を持った神事だと聞いた事があります。お相撲さんには、日本中で四股を踏んでもらいたいです。 他の格闘技と違って、神事なのだからグローバル化しなくても・・と思うものの、業界の存続も心配ですし、浅野先生の複雑な思いに共感致します。 うちの近所の神社に、昔は土俵があったのですが、いつのまにか無くなっていました。寂しいですね。 一時、相撲界が毎日ひどく叩かれていた事がありましたが、あれも行き過ぎでおかしかったと思う。

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  2. robin より

    日本人の横綱欲しいですよね。でも期待しすぎると逆効果かなぁといつも思います。大関勢では琴奨菊が好きですね、例のポーズを見る度「WRYYY!」って内心叫んでます(笑)差別の存在しない文化って想像できません。ルールがなければゲームにならないし約束事はその社会が何を善悪区別するかによるでしょう。右手と左手を同じ体の延長だと思えば区別だし、思わなければ差別になる。利き腕ってバイアスがないと何も選択出来ないですね、差別だと思えば毎回平等原理主神にお伺いを立てないと何も始められません。差別を無くすなら誰も好きにならないか、誰でも好きになるかの極端で不安定な社会になるのかな。ハリネズミは外敵を差別しすぎだから針を全部抜くべきですね。そうすると真っ先に全滅しますが。個人の選択も大事ですがそれだけじゃ持続的な社会となるのか不安ですね、社会的責任も同じくらい大事な社会の方が良い。

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  3. たかゆき より

    四股ふんじゃった♪若い頃に相撲道 柔道 剣道 弓道武道を一通り経験すべきですね。子供の頃に柔道で覚えた受け身のおかげで 転んでも怪我せず弓道の呼吸法 ヒップアップ法は一生役立ちそうです。20年程前 二子山親方 若乃花関貴乃花関とお話させていただく機会があったのですが、、若乃花関から「お相撲さんになるのかい?」と聞かれ思わず 「はい!!」と答えてしまい返事が嘘になってしまったのが未だに心残りです。ちなみにちゃんこ鍋はしょうゆ味浅野さまの仰せのとおりでございます。

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  4. Kaito Yuriya より

    浅野節いいなぁ。(いょっ!泳いで尖閣に渡った女!)笑いあり涙ありで。震災の時の四股の話にはうるっとしちゃった。靖国の奉納相撲のことは初めて知りました。2675.5.30 8:16

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