From 三橋貴明@ブログ http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
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●経済ニュースの大間違い、歪みが生じるカラクリとは
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_CN_mag_3m.php?ts=mag
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さかき漣が全面リニューアルした文庫版「コレキヨの恋文 (PHP文庫) 」が、PHP研究所から刊行になりました。今回、文庫版をお買い上げ頂いた皆様には、藤井聡先生にもご参加頂いたスペシャル鼎談動画のプレゼント・キャンペーンがあります。
http://rensakaki.jp/release/korekiyo.html
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「三橋貴明の「新」日本経済新聞 」の適菜収氏の連載が終了となり、本日から金曜隔週枠でジャーナリスト(元「正論」編集長)上島嘉郎氏のコラムが始まりました。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/02/13/kamijima/
短い文章で「衝撃」を与えるということは、なかなか難しいものですが、2月11日の産経新聞の曽野綾子氏のコラムには、衝撃どころか、率直に言って「恐怖」を覚えましたのでご紹介。
『2015年2月11日 産経新聞「曽野綾子の透明な歳月の光「適度な距離」保ち受け入れを」
最近の「イスラム国」の問題など見ていると、つくづく多民族の心情や文化を理解するのはむずかしい、と思う。一方で若い世代の人口比率が減るばかりの日本では、労働力の補充のためにも、労働移民を認めなければならないという立場に追い込まれている。
特に高齢者の介護のための人手を補充する労働移民には、今よりもっと資格だの語学力だのといった分野のバリアは、取り除かねばならない。つまり高齢者の面倒を見るのに、ある程度の日本語ができなければならないとか、衛生上の知識がなければならないとかいうことは全くないのだ。(中略)
しかし同時に、移民としての法的身分は厳重に守るように制度を作らねばならない。条件を納得の上で日本に出稼ぎに来た人たちに、その契約を守らせることは、何ら非人道的なことではないのである。不法滞在という状態を避けなければ、移民の受け入れも、結局のところは長続きしない。
ここまで書いてきたことと矛盾するようだが、外国人を理解するために、居住を共にするということは至難の業だ。
もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実状を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった。
南アのヨハネスブルクに一軒のマンションがあった。以前それは白人だけが住んでいた集合住宅だったが、人種差別の廃止以来、黒人も済むようになった。ところがこの共同生活はまもなく破綻した。
黒人は基本的に大家族主義だ。だから彼らは買ったマンションにどんどん一族を呼び寄せた。白人やアジア人なら常識として夫婦と子供2人くらいが住むはずの1区画に、20〜30人が住みだしたのである
住人がベッドではなく、床に寝てもそれは自由である。しかしマンションの水は、一戸あたり常識的な人数の使う数量しか確保されていない。
間もなくsのマンションはいつでも水栓から水のでない建物になった。それと同時に白人は逃げ出し、住み続けているのは黒人だけになった。
爾来、私は言っている。
「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい。』
もはや、突っ込みどころが多すぎ、論評を投げ出したくなるのですが、一つ一つ。
まずは「イスラム国」という呼称は止めましょう。ついでに、イスラム国は別にイスラム文化圏の心情や文化を代表しているわけでもありません。単なるテロリストです。
曽野氏の書き方では、普通に読むとISILがイスラム圏の「ある種の心情・文化」を象徴しているように読めてしまいます。ISILはテロリストであり、イスラムとは関係ありません。
次に、日本の生産年齢人口が減少し、今後の我が国で「超人手不足」が進行していくことは明らかですが、別に人手不足の解決策は「外国移民による労働力補充」ではありません。といいますか、人手不足を「外国移民による労働力補充」以外の策で解消しようとしたとき、我が国は経済成長します。
なぜ、断言するかといえば、まさに我が国の高度成長期が、
「人手不足(当時の失業率は1%未満)を外国移民による労働力補充以外で解決しようとした」
結果、実現したためです。外国移民ではなく、いかなる手段で人手不足を解消しようとしたのか。もちろん、生産性の向上です。今後の我が国が人手不足になるのは明らかですが(すでに一部の産業でなっていますが)、解決策は生産性の向上(デフレ脱却後の話)であり、外国移民ではありません。
この辺りの話は、「国民経済」を理解していなければ分からないでしょうが、より問題なのは「その後」の曽野氏の文章です。
「外国移民を受け入れるのは仕方がないが、居住区を分けるべきだ」
という主張を曽野氏はされているわけです。いまどき「ゲットー方式」を支持する日本人(あえて日本国民とは書きません)がいるとは驚きですが、それ以前に曽野氏が「外国移民の問題」について全く理解していないことが明らかになりました。
外国移民の最大の問題は、むしろ、
「外国移民が特定の居住区に集中して住んでしまい、ネイティブな国民と分かたれる集住化」
なのです。まさに、曽野氏のいう、
「移民の居住区が分けられ、集住化が進み、国の中に別の国ができていく」
ことこそが、現在の欧州(スウェーデンなど)の移民問題の本質なのでございます。「善意」をもって移民を受け入れても、彼らは集住化し、ネイティブな国民と融合することはなく、スウェーデンでいえばヒュースビーやローゼンガードといった地区に集中して住み、その地区が「スウェーデンの中の別の国」と化している光景を、わたくしはこの目で見ました。
恐るべきほどの無知というべきでしょうか。あるいは、恐るべきほど「無邪気」というべきでしょうか。分かりません。
いずれにせよ、曽野氏のコラムを読み、わたくしは「思想」の恐ろしさを骨の髄まで味わったわけでございます。正しい「思想」あるいは「考え方」に基づき、国民や政治家が動かない限り、我が国は中長期的には「今とは違う日本的な国」に変貌を遂げることになるでしょう。
止めなければなりません。
PS
「間違った思想」が招く悲惨な現実とは?
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_CN_mag_3m.php?ts=mag
【三橋号外】「思想」の恐怖への6件のコメント
2015年2月14日 2:22 PM
> 正しい「思想」あるいは「考え方」に基づき、つか、三橋氏の↑この「思想」自体が怖いんですけど(笑)
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2015年2月15日 4:02 AM
「移民はロボットではなく、人間である」こうした基本的なことを理解していないのが、移民推進派の特徴です。人間ですから、意志も感情もあるので、こちらの思い通りに動くわけではない。年も取るし、病気にもなるし、親だっている。老後の生活や健康に対して不安を感じ、認知症になった親の介護に悩んだりするのは、日本人と同じか、むしろ日本人以上でしょう。実際に移民を入れた国は移民の高齢化が深刻で社会保障費が増大しているからこそ、移民が政治問題であり、本来の国民の不満の源になっているので、移民反対政党がの支持が拡大しているわけです。わが国においても、外国人の多い自治体は外国人の高齢化によって財政が圧迫しておりますし、介護の現場でも日本語のできない外国人高齢者の増加が問題になっているのです。外国人の認知症患者も増えていますし、外国人の障害者だっているのですが、彼らを支援する体制は全くありませんから、対応に苦慮しているのです。繰り返しますが、移民はロボットではなく、人間です。人間である以上、死ぬまで責任を持たなくてはならないのです。
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2015年2月17日 3:29 AM
移民政策の結論はウミユリさんの意見で結論が出ていますが、移民政策の末路は南アフリカか北欧の例にあるとおり最終的に破綻しかないので未来がない。曽我氏をはじめとした彼らが移民にすがる根本的な原因は想像力の欠如かと思われます。なぜ労働力の欠如に対する回答が日本の国情にとってベターとはいえない『移民政策しか』出てこないのか。私にはバブル崩壊後(第2の敗戦)の彼らの中ですでに「日本はこれ以上成長しない」という結論が先に出ているように思えてなりません。短絡的な『移民政策』ではなく労働力の『機械化』という道もあるのではないでしょうか?すでにパワードスーツについては実用化はされているので、技術的な進歩と低価格化での一般普及を待つばかりですし、国による補助金も有効と思われます。コレが普及すると高齢者だけでなく体力の衰えてきた50台以降の人材が活用できるので彼らの経験に沿った分野であれば労働力として換算できるようなります。また、ロボット産業は複合技術的な産物なのでかつてはハードウェア・ソフトウェア供に高度な技術力が必要でしたが、分業化や技術的な基盤が似通っているで外部産業の技術を取り込みやすいのでパソコン産業並みの成長速度を見せる可能性があります。ソフトバンクが発表したロボットなど現在実用レベルではないが将来的に需要が増えるのでますます移民が必要なくなりますね。教育に時間がかかり将来的に禍根を残し、デフレ圧量を高めるばかりでほぼほぼリスクしかない『移民政策』か、技術進歩に多少時間はかかるが当座は高齢者が活用できる『パワードスーツ』と将来的に業務の一部を丸投げできる『ロボット』の選択肢を持ち、日本の技術力向上につながる上、処分が(わりかし)容易な設備扱いでほぼメリットしかない労働力の「機械化」とどちらが日本にとって国益になるのかいうまでもありません。ここまで長々と書いてしまいましたが曽根氏が移民導入してメイドを雇って似非西欧人の気分を味わいたいならさっさと日本を離れて欲しいものです。「条件を納得の上で日本に出稼ぎに来た人たちに、その契約を守らせることは〜」「法律を守らせる」ではなく「契約(コンタラクト)を守らせる」と言っているあたりに似非西欧人の思考が出てますね。移民政策に対応するなら移民「法」(仮)のはずですけど、移民契約(奴隷契約)なんでしょうか。これも敗戦に起因する自己同一化の一つの例かもしれません。
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2015年2月17日 10:38 AM
曽根氏の主張はある意味正しいのですよ。移民政策を成功させる唯一の方法は、移民を人間扱いせず、徹底的に差別することです。一ヵ所に隔離して、人間ではなく「労働力」とみなし、働くだけ働かせ、高齢や病気や怪我で労働が不可能になった場合、問答無用で国外へ追放する。移民政策はアパルトヘイト政策と一組で導入しないと成功しません。しかし、そのようなことが可能ですか?心情的にも、法的にも、人道的にも不可能です。中東のドバイのように、外国人労働者を一ヵ所に隔離して、外部からみたら奴隷扱いしかしていないような政策は、ある意味合理的、現実的ですが、わが国は到底不可能でしょう。不可能なことが前提にある以上、移民受け入れは非現実的なのです。
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2015年2月17日 5:17 PM
あの曾野のお婆さん、中東のカザール帝国(国際金融屋の雄のロスチャが建国に大貢献した)が好きですから、ウォール害及び彼らの一押しの移民政策も好きなんでしょうね(笑)。前から、日本の若者にもっと痛みを与えよ!的な論法をしていたので、気になってましたが、やはり移民推進だったみたいですね。判り易過ぎる人間です。保守とか言われる人間の中にはこの手の人間が多数居るので(台湾系の婆さんもこの手の識者ですよね)、これから炙り出しの作業が必要になるのかと思います。
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2015年2月19日 4:46 PM
詳細は上島さんに委ねますが、かつて産経が中共の弾圧によって北京から追放され、産経新聞の窮地を目の当たりにした日本の各メディア、学者、言論人が中共に都合の悪いことを一切言わず言わせず、書かず書かせなかったとき、曾野さんは小説家において文字通り孤軍奮闘、一貫して産経を支持し続けて来た。産経にはしたがって曾野さんに恩義があります。しかし、曾野さんに対し一番最初に引導を渡す役目を負うのはWillでもポストでも新潮45でもなく、おそらく産経になるでしょう。そして曾野さんは産経からの勧めを騒ぎ立てることなく甘受すると思います。
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