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2014年12月5日

【適菜収】ロックの話

From 適菜収@哲学者

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次の衆院選は、自民党が勝つでしょう。
だから、自民党の支持者の方も、気兼ねなく、自民党以外に投票しましょう。
今回はロックの話。

【ディープ・パープルに凡庸の美を学ぶ】

山田 ロックという分野は幅広いよね。
適菜 以前、知人とディープ・パープルについて対談したことがあるんですよ。それで一番語ることが不毛なものはなにかと考えたときに、ディープ・パープルだろうと。。今もあるのか知りませんが『BURRN!』というHR/HMの雑誌で、読者投票みたいなのがあったんです。
山田 あったねえ。
適菜 それで、キーボード部門で毎回1位になるのがディープパープルのジョン・ロードなんですよ。これが子供心におかしくて……。だってHR/HMのバンドに普通キーボードはいないじゃないですか。
山田 そうか。10人探してくるのがやっとくらいで。
適菜 だから、不動の1位にならざるを得ない。というか、不毛の1位。
山田 リッチーのギターの音は、独特の澄んだ音だよね。「ハイウェイスター」なんて津軽三味線に近いよな。
適菜 ギターソロもほとんど必然性がないし。
山田 フレージングはペンタの使いまわし。
適菜 使いまわしにしても、あまりにも工夫がない。
山田 どうせ、工夫がないなら、ニール・ヤングくらいまで徹底すればいいのに。
適菜 すべてが中途半端なんですよ。でも、あれがハードロックの一つの型というか見本のような気がするんです。基本的に浪花節で安っぽくてポップでしょう。
山田 日本の湿った気候にあうよね。
適菜 「スモーク・オン・ザ・ウォーター」って、ザッパの移動式スタジオが火事になったのを湖の対岸から見ていたって歌詞でしょ。陰湿だよ。
山田 オレの中ではディープ・パープルは原宿のイメージなんです。今も原宿ってああいう街だよ。
適菜 ジャニーズJrやモーニング娘のブロマイドの横に、イアン・ギランのブロマイドが並べてあっても違和感がないですからね。
山田 そうなんだよ。オジー・オズボーンとかロニー・ジェイムス・ディオとかさ。
適菜 下手をすると、近くの代々木国立競技場で実際に公演していたりするからなあ。
山田 意外と人気があって人が集まるんだよね。大衆はああいうのが好きなんだよ。
適菜 そういう意味では、ブラック・サバスもハードロックの一つのお手本ですね。

【オーストラリアの現在】

適菜 中学生や高校生の頃って、人生経験が浅いからバンドの良し悪しってあまりわからないじゃないですか。だから、「ギターを弾くのが早い」とか「演奏がうまい」とか瑣末なところに目が向く。HR/HMというのは、要するに吉野家の牛丼なんですよ。
山田 早くてうまいが評価されると。
適菜 でも、大人になってからロックを聴くとよくわかる。たとえば、AC/DCは大人の鑑賞に堪える。
山田 あれは思ったよりいいバンドだよね。
適菜 音にキレがありますよ。
山田 あれは、オーストラリアのバンドだろ。国民の二人に一人はアルバムを買うらしい。あそこは人口2000万人の国なのに、1000万枚売れるって。
適菜 他に買うものがないんですよ。
山田 コアラとアンガス・ヤングくらいしかいない国だからねえ。
適菜 でも、ヤング兄弟はアイルランド出身だから、純国産ではない。
山田 AC/DCはビデオクリップを見ることをお勧めします。アンガスのアクションや服装からメッセージを受け取れますからね
適菜 アンガスはハゲて落武者みたいになっているのに、半ズボン履いて、白目を剥きながら頭を振り続けている。
山田 その業の深さを感じ取ってほしいよ。レッド・ツェッペリンはハード・ロックで括ってしまっていいのかな?
適菜 音楽的にはもう少し間口が広いよね。デビューアルバムは、ブルースの影響が強いけど、次第にケルト音楽なんかを取り入れてどんどん変になっていきますからね。
山田 ジミー・ペイジはリフを作るのがうまい。レッド・ツェッペリン時代のジミー・ペイジは天才でしたよ。
適菜 ツェッペリンが凡百のロックバンドと違うところは、リズムのキレのよさですね。ボンゾのドラムに、きっちりとジミー・ペイジのリフが乗る。
山田 ツェッペリンは別格なんだろうな。ジョン・ポール・ジョーンズはソウルの影響を強く受けていたし、ジョン・ボーナムのドラムはファンクのテイストもある。ブラック・ミュージックが好きだった人たちだよね。
適菜 ロバート・プラントは、インタビューで「どんな子供だったか?」と訊かれ、「鏡の前でエルヴィス・プレスリーの『ハウンドドッグ』を歌うような子供だった」と答えている。
山田 そういう意味では、アメリカ音楽は偉大だよ。
適菜 でもツェッペリンを解散してからは、ジミー・ペイジもロバート・プラントもダメでしょう。
山田 ボンゾが死んで、バンドが空中分解しちゃったからね。
適菜 ロバート・プラントは、「ボンゾこそがレッド・ツェッペリンだった。だから、バンドは終わりにしなければならない」と言っていた。これがバンドの魔力ですよ。

【ガンズ・アンド・ローゼズと小渕恵三】

適菜 アメリカのロックだと、一つの頂点はフランク・ザッパだね。
山田 ザッパの世界は広すぎるからなあ。
適菜 普通のロック少年にはウケないですよね。ドゥー・ワップだけのアルバムとか、ピエール・ブーレーズと一緒につくったアルバムとか。ザッパ初心者は、『オーヴァーナイト・センセーション』や『アポストロフィ』、ジョニー・ギター・ワトソンが参加した『ワン・サイズ・フィッツ・オール』みたいな、ロック中心のアルバムがいいんじゃないですか。
山田 あれはカッコいいよね。
適菜 いまだに「恐怖の黄色い雪」とか好きですよ。「黄色い雪は食うな。犬がしょんべんした後だから」って。ギターソロが死ぬほどカッコいい。まあ、ザッパも頭の中で鳴っている音楽を素直に前面に出した人ですよね。だから、バンドをつくるときのお手本になる。
山田 ザッパの周辺には、すごく優秀な人たちが集まったわけでしょう。
適菜 1976年のニューヨークのライブがあるじゃないですか。『ザッパ・イン・ニューヨーク』。面子がすごい。レイ・ホワイトがギター、テリー・ボジオがドラム、ロニー・キューバがバリトン、それにブレッカー・ブラザーズ。このときはジョージ・デュークはもういないけど。
山田 オレは収ちゃんみたいにザッパの全アルバムは聴いてないけど、死ぬまでには研究したい人だよ。
適菜 ジャンルを横断し、時には超越したという見本のような人ですよね。ギタリストとしてのザッパについては後ほどゆっくり話しましょう
山田 人にはあまり大きな声で言えないけど、むちゃくちゃ影響を受けたアルバムってあるじゃない。オレの場合、ベルベット・アンダーグラウンドの3枚目なんだよね。
適菜 有名なのは、アンディ・ウォーホルがプロデュースしたバナナの絵のファーストアルバムですよね。
山田 ルー・リードも、ほとんどロー・コードで弾いている。高校生がやっているような下手くそなフォークロックなんだけど、いまだに頭の中でよく鳴ってます。
適菜 大きな声で人に言えないっていうと、私の場合、イブ・モンタンですかね。
山田 シャンソンですか!
適菜 小学生の頃、ラジオでシャンソンを聴いていたんです。たしか「落合恵子の昨日・今日・明日」という番組だったと思うのですが、ネットで調べてみても出てこない。だから、違う番組名かもしれませんが。
山田 うん。
適菜 実家にアダモのレコードがあったので、それを親に隠れて聴いたり。子供心に、フランスってふざけた国だなって思いましたよ。
山田 シャンソンを語ると、また話が長くなるな。越路吹雪とか加藤登紀子にも言及しなくてはならなくなるし。
適菜 では後に回しましょう。
山田 あと、昔ダメだと思っていたバンドが、今聴くと意外によかったりする。たとえばチープ・トリックとか。
適菜 ははは。
山田 ほとんどパワーコードしか弾いていない。単刀直入で思春期の香りがする。
適菜 ガンズ・アンド・ローゼズも思春期の香りがするな。
山田 あれは10代の若者にアピールする。
適菜 私も中2のときに「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」のシングル買っちゃいましたからねえ。
山田 スラッシュのギターもたいしてうまくない。シルクハットかぶっていて、顔がよく見えなくてさ。それとアクセル・ローズのやんちゃな感じ。単純にカッコいいよね。
適菜 カッコいいかどうかさえ、よくわからない。ガンズってロサンゼルス出身ですよね。でも、群馬の匂いがする。小渕恵三が首相だった頃、テレビに小渕が出てくると、ガンズの曲が頭の中で鳴るんですよね。ガンズはブレザーというより、詰襟の音楽ですよ。
山田 ガンズが出てきた頃は、オレはもう大学生だったから、醒めた目で見ていたな。
適菜 山田さんの思春期の音楽は?
山田 中学生のときは、世良公則&ツイスト、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクルなんかを聴いていた。小学校5、6年の頃、ラジオが流行ったんですよ。友達がみんな「テレビはもう古い」なんて言いだして。それで「オールナイト・ニッポン」や「MBSヤングタウン」を聴きだす。そうすると、当時のアメリカの音楽が流れるんですよ。ニルソンの「ウィザウト・ユー」とか。
適菜 ああいう曲はかなり勉強になりますね。サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」とか。
山田 収ちゃんは大学時代にフランク永井にはまっていたよね。
適菜 今でも好きですよ。吉田正と組んで、ものすごい曲をどんどん出していった。一般には「有楽町で逢いましょう」や松尾和子とやった「東京ナイト・クラブ」が有名ですけど、一連の大阪モノとかすごくいいですよね。
山田 「こいさんのラブコール」「大阪ぐらし」とかね。
適菜 あのあたりは大野正雄の曲ですね。大阪に行くと「坂田三吉端歩もついた」って頭の中でエンドレスで鳴ってますよ。屈折しているところも含めて、フランク永井はジム・モリソンと重なるんですよ。
山田 ああいう音楽が我々の軸になっているんだな。菅原洋一がテレビに出てくるのを、家族で飯食いながら見て、不思議な気分になったものなあ。
適菜 菅原洋一とか戸川昌子とか、子供から見れば「一体なんなんだ?」って思いますよね。
山田 だから今、巷に流れているJポップも、そのうち思い出深いものになるんだろうな。大塚愛とか倖田來未とかエグザイルとか。
適菜 そのうちテレビ東京で『懐かしの平成歌謡』をやると思うんですよね。そこにエグザイルが出てきて、未来の子供たちが首を傾げたりして。

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【適菜収】ロックの話への2件のコメント

  1. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    >次の衆院選は、自民党が勝つでしょう。>だから、自民党の支持者の方も、気兼ねなく、自民党以外に投票>しましょう。前回、前々回の国政選挙見てると、どうも「アンダードッグ効果」は起きそうにない。残念ですが。

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  2. とすくん より

    うーん、パープル派の私ってやはり「ロックの本質」が理解できてないんでしょか?しかし専門家になればなるほどツェッペリン>パープルの意見が昔から多いですよね。高校時代の友人はプラントのライブの歌を聴いて「こいつ無茶苦茶歌下手じゃん!」って言ったのが思い出されます。17、8の青二才にはあの独特のパッカーシブ唱法は理解出来ないのでしょかね?

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