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2014年11月19日

【佐藤健志】米農務省のスゴい報告書

From 佐藤健志@評論家・作家

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●三橋貴明公式チャンネルに最新Videoが登場
https://www.youtube.com/user/mitsuhashipress/videos

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11月13日、日本農業新聞が興味深い記事を配信しました。
TPP合意で2025年までに関税が完全撤廃された場合、参加12ヶ国の農産物貿易がどう変わるかについて、アメリカ農務省が予測をまとめ、報告書を出したそうです。

農産物貿易全体の伸びは85億ドル(記事によれば、これは1ドル=116円のレートで計算されています)。
そのうち28億ドルはアメリカの輸出増加分になるとか。

で、日本の輸出増加分は?
わずか8300万ドル。
1億ドルにも達しないのです!

逆に日本の輸入増加分は58億ドル。
全体の7割に達します。
良いこと何もなし、という感じの結論ですが、注目すべき点はここから。

こんな予測を展開しているにもかかわらず、同報告書は、TPPによる関税撤廃が日本農業にもたらす影響について、非常に低く見積もっているのです。
コメの生産額減少は3%、砂糖で2%。
ちなみに日本政府の予測では、前者は32%、後者は100%(すなわち全滅)となっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141113-00010003-agrinews-pol&p=1

要するに「関税撤廃しても大した影響はないのだから、TPPに合意しろ」という話。
ツジツマが合っていないというか、かなり無理矢理なものを感じるのは、私だけではないでしょう。

当該の記事には、鈴木宣弘・東京大学大学院教授のコメントも添えられていますが、鈴木さんも「域内の農産物輸入増加分の7割を日本が負担する『一人負け』なのに、国内生産はほとんど減らないという試算は極めて恣意(しい)的である」と語っていました。

しかしここに、アメリカのアメリカたるゆえんがある。
つまりあの国は、「フロンティアの無法者」なんですね。

無法者とは「法律を破る存在」と思われがちですが、それは安定した法秩序が確立されているときの話。
これから開拓される未開の地、つまりフロンティアには、安定した法秩序がそもそも存在しないのです。

ならば、そこで無法者はどう振る舞うか?
お分かりでしょう。
自分の都合に合わせて、法秩序(のごときもの)を構築しようとするのです。

フロンティアにおいて、これは必ずしも悪いこととは限らない。
何もルールがないよりは、とりあえずルールがあったほうがマシ、ということは十分ありえます。

そしてアメリカは、移民がフロンティアを開拓することでつくった国。
同国の作家ノーマン・メイラーは、フロンティア開拓の教訓として「無法者のほうが保安官より大きな価値を持つ」を挙げていますが、アメリカの行動を理解するうえで、これは非常に参考になります。

アメリカとは、
「既成の法秩序をよりどころにして、周囲に影響を及ぼそうとする存在」(=保安官)のようにではなく、
「新しい法秩序(のごときもの)をつくることで、周囲に影響を及ぼそうとする存在」(=無法者)のように振る舞いやすい国なのです。
TPPのような経済的グローバリズムの追求も、こう考えると本質が見えてくるのではないでしょうか。

ただしアメリカ人に「フロンティア」と見えるものが、本当に「未開の地」とは限らない。
西部開拓にしても、同国の先住民、いわゆるインディアンを滅ぼしてゆく過程だったのです。
とはいえ「無法者のほうが保安官より大きな価値を持つ」と考える人々にとり、こちらの側面は(なかなか)目に入りません。
目に入ったとしても、「望ましい秩序をつくるうえでの必要なコスト」として片付けられる恐れが強い。

農務省報告書にうかがわれる無理矢理ぶりは、その意味でアメリカの本質をよく表しています。
アメリカはフロンティアの無法者。
TPPに限らず、同国との関わり方を考えるうえで、この点を踏まえておくことは重要な意味を持つはずです。

アメリカの本質について、さらに知りたい方はこちらをどうぞ。
http://amzn.to/1lXtL07

現在の同国がどうなっているかはこちらをどうぞ。
http://chokumaga.com/magazine/free/152/9/

ではでは♪(^_^)♪

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PS
消費増税が日本に与えた本当のダメージとは?
http://youtu.be/FYzYGcCtZpI

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