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2014年2月27日

【渡邉哲也】報じない自由

From 渡邉哲也@経済評論家

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先週末、先進20カ国財務相中央銀行総裁会談G20が開催された。今回の主題は米国テーパリングに伴う新興国危機の問題であった。また、世界の成長減速やシャドーバンキング問題、グローバル企業の租税回避BEPS規制についても、話し合いと合意がなされた。

そして、話し合いの結果として合意がなされたことに関してはG20の共同声明が出されたわけである。実は、この共同声明とメディアの報道の間では大きな差異がある。これはメディアによる解釈や判断が入っているからであり、ここに多くの問題が存在する。

実はG20の声明は、財務省のHPで誰でも自由に原文全文見ることができる。また、ロイター通信などは骨子などをきちんと報じている。しかし、残念ながら日本のメディアでこれをきちんと掲載するメディアは皆無に等しい。

■20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)
https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/20140223.htm

私は常に財務省に掲載されている全文と報道されている記事を比較するようにしている。なぜならば、それを情報として見た場合、価値があるのは『報じられていない部分』であるからだ。みんなが知っている情報は価値が低いのである。また、報じられていない部分は何らかの政治的意図がある場合もある。

ちなみに今回の声明では、最初の項目として日本の景気回復について強く言及されている。
『 1.我々は、最近の世界経済における改善の兆しを歓迎する。とりわけ米英及び日本の成長が強まっている一方で、中国や多くの新興国において強固な成長が継続し、ユーロ圏において成長が再開している。いくつかの主要なテール・リスクは低減している。』

この点に強く言及した国内メディアはなかったように思う。
■G20声明:5年間で2%成長底上げ目標−先進国の緩和策支持
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N1FJ6I6K50XU01.html

尚、ブルームバーグでは、米英日が力強さ増す
「G20は各国・地域別で米国と英国、日本の成長が強くなっているほか、中国や多くの新興国で力強い成長が継続、ユーロ圏も再び成長しているとの認識を明らかにした。早い段階のG20声明案は中国に言及していなかった。」ときちんと原文に則した報じ方をしている。

本来、この第一項目をヘッドラインに持って来るべきであると私は考える。「G20 日本の力強い経済成長を歓迎」とでもすれば、日本の印象が大きく変わり、景気回復の後支えになるだろう。景気は気からなのである。

いくつかの新聞記事をネットで読み比べて見たが、ほとんどのメディアは問題点をつまみ上げ、ネガティブな論調で締めくくっていた。これでは良くなるものも良くなるわけがない。まぁ、何でも悪いことがあるとアベノミクスと結びつけて報じている築地のメディアなどにそれを求めること事態が無理なのかもしれないが、、、

確かに世界経済には様々な問題が存在する。欧州の金融危機は終わっていないし、デフレ傾向が継続している。中国のシャドーバンキング問題とその影響も頭が痛いところである。しかし、悪いところだけ取り上げても意味が無いわけである。

また、レントシーカー、国際的なタダ乗り屋対策に関しても、時間軸を決めた対応が決定した。これは昨年5月のOECD声明、昨年のサミットの決定に基づくものであるが、きちんと時間が定められた意味は大きい。残念ながら、これを大きく報じたメディアは皆無であった。2015年末までにはタダ乗りや(レントシーカー)狩りの国際的な準備が整う。これは非常に大きな意味を持っているといえるだろう。

「 9.我々は、正しい租税政策の原則に基づく、税源浸食・利益移転(BEPS)に対する世界的な対応にコミットしている。利益を生み出す経済活動が行われ、価値が創出される場所で、利益が課税されるべきである。
我々は、引き続き、G20/OECDの税源浸食・利益移転(BEPS)行動計画を完全に支持し、合意されたタイムテーブルに示された通りの進捗を期待する。ブリスベン・サミットまでに、ますますグローバル化する経済において、伝統的、電子的及び電子化された企業を含む、全ての産業にわたるBEPSに対処するため、効果的で実用的かつ持続可能な措置を実現することを開始する。
我々は、相互主義に基づく、税に関する情報の自動的な交換のための共通報告基準を支持し、9月の会合において我々の実施計画を詳細にするために、我々の金融機関を含む、全ての関係団体と協働していく。
並行して、我々は、2015年末までにG20諸国間で、税に関する自動的情報交換が開始されることを期待する。」

このようにしてみてみると、日本のメディアの未熟さや「報じない自由」の濫用が見えてくるわけである。

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