From 浅野久美(チャンネル桜キャスター)
街では早くもクリスマスソングが流れ始め、来年のカレンダーは並びスーパーではおせちの宣伝まで。
あまり先を見越す能力のない人間としては、感覚的についていけるのは来月の『ボジョレーヌーボー予約』くらいが限度なんですよね。
今年お初のワムのクリスマスメロディー、どうも気持ちが急いてしまうので、『だから一年が速いのよっ』と、毎年恒例の突っ込みを入れながら、わざと『ちいさい秋みつけた』かなんかを口ずさみながらやり過ごす今日この頃です。
一世を風靡した『お・も・て・な・し』スピーチの中に、『失くしたものがほぼ確実に戻ってきます』というフレーズがありました。
『え、それは言い過ぎかも』『オレ、財布返って来なかったもん』『日本人が拾うとは限らない』等々・・・
あの部分にだけは小さく手を振った方も少なくなかったのではないでしょうか。
私も、クリステルさんのプレゼンにはいたく感激しながらも、
あーそんなこと言っちゃったら、わざと財布落として日本を試すドッキリ取材陣がたくさん来日するかもよ・・・などと、本気で考えてしまいましたよ。
思えば、どんなに日頃シャキンとしたスキのない紳士も、注意力が高くて凛とした淑女の皆さんも、誰もが一度や二度は顔面真っ青になるような大きな失せもの経験はあるでしょう。
そしてそれにハッと気づいた瞬間の、『ああああああああああああ、やばい!!』という、全身の凍てつく感覚。
パニックの頭で『落ち着け落ち着け』と言い聞かせながら、どこで失くしたか懸命に記憶を辿ってみる。うー、あの状況や心持ちを思い出しただけでも、胸のあたりがキュッとなりますね(ハートのキュンではなく狭心症的なキュ( >_<))。
同時に、落とし物を拾って届けた経験だって、皆さんがお持ちだと思います。どうやら私は比較的よく拾うタイプみたいで、古いところでは、中二の夏、初めて友達と出かけた銀座四丁目付近の公衆電話。母に『今から帰る』コールをした時に見つけた赤い女物の財布でした。
ずっしりとしていたし、しかも大都会のど真ん中だったし(ちょい田舎の子なので、初銀座はドキドキなの)、しかも拾った物の中身を勝手に開けるのは罪になると思い込んでいた少女は、自分のバッグに入れるのもいけないような気がして、手に直接持って三愛ビル前の交番に届けて帰りました。
次の週末、落とし主が菓子折りを持って往復3時間をかけて神奈川県の田舎まで御礼にいらしたのを憶えています。おしゃれなお財布にふさわしい、都会的でキレイなお姉さんだった。
『中学生が届けてくれたと聞き、電話でなく直接お会いしたかった』と、深く頭を下げられました。(たしかこのお姉さんとはしばらく文通していた記憶もあり)その後も様々なものを拾いましたよ。
お財布やらバッグ、大事そうな茶封筒、システム手帳に携帯電話、化粧ポーチ、入れ歯・・・・店の中、路上や電車内、公園のベンチやトイレの洗面台・・・・
様々な場所で拾ったり届けたり、そして私自身も何かを失くしたり届けていただいたり。
ある時、150円が入ったキティちゃんのピンクの手帳兼財布を公園で拾ったことがありました。
小銭よりも、一緒に入っていたかわいいシールの膨大な束と数枚のプリクラ・・・これが、女の子にとっては(プリクラから察するに6〜7歳)は150円のお小遣いよりも大事な宝物に違いない、と勝手に思い、公園では手がかりも無いので一応交番に届けました。もちろん、名乗るつもりもなかったのですが、聞かれるままに携帯の番号だけ残しておくと、
しばらくしてわざわざ『落とし主の手元に戻りましたよ』という警察からのご報告がありました。これね、なんだかすごく嬉しかったですよ。一見小さな出来事ですが、実はワールドワイドに見るとものすごく希有なことだと思いませんか?
落とし物をした子供が悲しむ姿を見て、多分、お母さんは不注意を叱り、公園に確かめに行った後に(娘と一緒がどうかはわかりませんが)警察に届けたのでしょう。とにかく、
子供用のおもちゃであっても、もしかしたら誰かが届けてくれるかもしれない・・・と、このお母さんは見ず知らずの他人に、良心の(或はおせっかいの)可能性を信じてくれたわけですね。
こんな素敵な可能性を信じられる国って、思えばなんとまあミラクル至極なんでしょうか。それが、金目の物であってもそうでなくても同じ事が起きる。
お子さんも、失くした物が再び手元に返ってくる喜びと同時に、小さな頃から日本はその可能性を持っている社会なんだ、ということを体感していくのですね。かつて、ある外国人の知り合いが、自分の国では、財布を落とそうが拾おうが、警察に届けることはまず100%ない!!と言い切っていたことを思い出します。
たまたま拾えるのはラッキーなこと、まして、他人のために手間ヒマかけてわざわざ警察に届けるようなムダをするワケもないだろ、とのこと。なので、自分が失くしても届けないさ、と笑顔で力説したのは、そこそこエリートでまともらしい部類の人物。さらには、拾った物をヘタに警察に届けたりすると、後から『1000元入っていた。おまえが抜いた!』なんて言われるのがオチ(あ どこの国かバレちゃった?)で、しかも、警察官がネコババすることもザラだ、というから驚きです。
いやはや、当たり前のように人の心に良心を望める国って、なんとミラクルなのでしょう(二回言ってみた)。あそうそう、何故こんな話をしたのかと言えば、実はつい数日前、私が失くした定期入れが届いている、と警察から連絡があったのです。
チャージのための5000円札も一枚挟んであったSuicaの入れ物。名刺が入っていたのでチャンネル桜に電話がかかったというわけです。当初、落とした場所はわからなかったけど、多分、湘南界隈の駅か路上かバスか海岸・・・ポケットからズリ落ちたことは確かでした。
でも、私には何故か必ず戻ってくるような確信があったのですね。
。何故か・・・・そりゃもう、わが故郷は正直者で親切な人が多いから。そして、ここが日本だから・・・なんだなぁ。警察によれば、その方は人気の少ない路上で拾ってくださったそう。
その場所を考えると、交番もすごく遠いはずなのに、わざわざ届けてくださったんですね。本当に心から感謝です。
ここはやっぱりミラクルの国(三回言ってみた)。
でもこのミラクルって、もしも7年後、グローバルチックに国境がゆる〜くなって、『ニッポン』を持たない気さく過ぎる人たちでごちゃごちゃになってしまっていたら
・・・全然ダメじゃん。
それって、あたたかい『お・も・て・な・し』という言葉が、平凡な『ろ・く・で・な・し』になってしまうかもってこと?(言い過ぎ?)。
なかなか未来を見越すのは難しいけど、
一世風靡したこのキーワード、セピアにだけはならないよう、ミラクルのままきっちりと7年後を迎えたいと思います。
秋の夜長はミラクルな放送局チャンネル桜を観てみよう
http://www.ch-sakura.jp/
PPS
日本がミラクルな一方で、韓国では今、自殺、放火、レイプが多発しています。
【浅野久美】お・と・し・も・のへの3件のコメント
2013年10月26日 4:11 PM
このコメントはテストです。
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2013年10月27日 11:24 AM
Youtubeで”誹謗中傷を繰り返す韓国人達へ”を検索してみてくだせえ。Yokoさんという方が素晴らしい英語で韓国人の捏造を論破してます。彼女のような人が本当の国際人じゃないかと思うくらいおそらく渡邉哲也さんも絶賛されるのではないかと。
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2013年10月29日 4:59 AM
率直にいいお話で心に響きました。「モラル」の話って表現するのが難しいんですよね。たいてい説教くさくなっちゃうから。浅野さんの素直さとユーモアで嫌味にならず心地良いコラム。
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