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2013年9月4日

【東田剛】安倍外交、大丈夫ですか?

FROM 東田剛

安倍首相は8月28日の記者会見で「シリアで化学兵器が使用された可能性が極めて高いと考えている」と述べ、さらにカタールの首長との会談で、シリア情勢悪化の責任はアサド政権にあるので、「アサド政権は道を譲るべきだ」と述べたと報じられています。
タミム首長は、アサド退陣に同意したうえで、「アサド後をどうするかも非常に重要だ」と指摘したそうです。

http://mainichi.jp/select/news/20130829k0000m010055000c.html
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130829/plc13082900290002-n1.htm

日本がアサド退陣を要求したって、しょせん「口だけ番長」ですが、このタイミングでの、この発言に、私は頭を抱えてしまいました。

安倍首相は「シリアでの化学兵器の使用の可能性が高い」と言っておりますが、問題のポイントは、「誰が」使用したのかです。
というのも、アサド政権による使用が、米政府の軍事介入の大義名分だからです。

米政府が「アサド政権による」化学兵器の使用を断定する報告書を公表したのは8月30日ですが、状況証拠の域を出ていない内容です。

http://www.asahi.com/international/update/0831/TKY201308310004.html

国連調査団の報告は、まだ出ておらず、英仏は、国連調査の結果を待つ意向です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130829-00000060-bloom_st-bus_all

しかも英議会は、29日、軍事介入を否決しました。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97S09Z20130829?feedType=RSS&feedName=topNews&google_editors_picks=true

日本政府も、9月2日時点で「誰が使用したか分析中」だそうです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130902/plc13090212200005-n1.htm

なのに、なぜ安倍首相は、米政府の報告すら出ていない8月28日の段階で、アサド退陣を求めたのでしょうか。

しかもその前日、米政府は、軍事介入の目的は、シリアの政権交代ではないと明言しているのです。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324361104579039842650601368.html

確かに二年前、オバマ大統領は、アサド退陣を要求しました。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LQ4RCL1A1I4H01.html

その頃のオバマは、内戦がこんなに長期化・泥沼化するとは思っていなかったのです。

しかし、アフガン、イラク、エジプト、リビアなど、独裁政権の崩壊は、事態をかえって悪化させました。中東というところは、強権的な独裁政権によって何とか秩序を保っているので、政権交代は、無秩序につながる。しかも、国境を越えて波及します。
さすがの米国も、この二年の間に、こうした事例が続いたのを目の当たりにして、少しは学んだのでしょう。

特にシリアの場合、反体制勢力には、アルカイダなどイスラム過激派集団が含まれています。反体制勢力が政権を奪取したら、それはそれで非常に危険な事態になります。

だから、カタールの首長は、安倍首相に「アサド後をどうするかも非常に重要だ」と言ったのです。「この人、シリアのこと、何にも知リアせんのか?」と思ったに違いありません。

こういう背景があるから、今回のオバマも、本音では軍事介入したくないのだし、やるとしても政権交代は目指さず、限定的な攻撃で終わらせたいと思っているのです。
ですが、そう、うまくいく保証はない。

苦境のオバマは、軍事介入について、議会の承認を求めることにしました。米国も、相当、悩んでいるようです。そりゃ、そうでしょう。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98000D20130901

それなのに、日本がアサド退陣を求める発言をしたと知ったら、米国は色んな意味で、相当、不愉快になると思いますよ。米国追従外交としても、下手こいてます。

問題は、それだけではありません。
ロシアはアサド政権の後ろ盾ですから、米国の軍事介入に猛反対しています。
今度のG20では、米ロの対立が懸念されます。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98103I20130902

ところが、安倍首相は、今度のG20で、プーチン大統領との直接会談を首脳外交の目玉と位置づけているのだそうです。
それなら、どうして、米国も求めていないアサド退陣にまで、言及したりしたのでしょう。ますます意味不明です。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130901/plc13090121400010-n1.htm

他にも挙げていくときりがないので、この辺でやめますが、安倍外交、大丈夫でしょうか?
なんか世界情勢の変化が分かっていないような気が・・・。

PS
月刊三橋『アメリカ格差社会〜グローバル資本主義の悪夢』の配信は9/10まで。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980_2013_07/index.php

PPS
WEB&メールマガジン配信サービス「ちょくマガ」で、9月3日より「無双!中野学校」が開校しました。
質問コーナーもあります。
登録はhttp://chokumaga.com/magazine/?mid=124より行えます。

PPPS
http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082901000981.html

甘利大臣のこの発言にムカついた方は、『TPPって何?』(http://notpp.jp/)の松田よし子さんの報告会へ。
今日(9月4日)の午後6時30分から、場所は、ちよだプラットホームスクエア 5階 505号室
http://yamori.jp/access/

PPPPS
新自由主義じゃない本当の保守の経済論を教えます。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=209053&userflg=0

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【東田剛】安倍外交、大丈夫ですか?への12件のコメント

  1. アベシ!!とヒデブ!!は相違なり より

    日本の円借款借金が1034兆円を突破したが、安倍政権は国内政策について詐欺まがいのような言い分でノラリクラリで逃げている。外交政策ばかりに湯水のごとく血税をバラ撒くスタンスは先の小泉政権よりも激しいような気がする。第三次安倍内閣も「仲良し四天王」が留任し肝心の主導者が迷走/奔走しているのでは「新三本の矢」もあらぬところへ刺さり肝心の基本政策は蛻の殻となり得る。外国の方々は「安倍政権を大いに評価する」が70%を超えたそうだが肝心の日本国民の評価は30%を下回るという酷評であり借金「赤字国債」ばかりを増長させては「良い政治」とは微塵も思わない。なお小泉政権から増張した国民一人当たりの国の借金は806万円であり小泉政権下から約67万円が増えたことになる。このまま安倍政権が主導権を握れば国民1人当たりの国の借金(税金負担)は1千万に近づくことになる。色々な場面で「アベ政権を許さない」という語句が見受けられるが大筋で支持者が不支持なのはそういう意味合いがあるからである。外交という政策だけに渾身を注ぐような総理を誰が「日本の指導者」と呼ぶのでしょうか?僕には「独裁者」或は「悪の枢機卿」にしか思えません。

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  3. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    >大丈夫かどうかという心配は藤井さんや三橋さんに対してこそ必要だと思いますよ。実は、私も時にはそう思ったり、時には思わなかったりする者の一人です。でも、ここで問題になってるのは、安倍外交、または、中東政策の是非であるはずです。議論の本位をきちんと定めたうえで、議論をしようじゃありませんか。

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  4. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    >アメリカ「ついでに代わりに仕切ってくれる?」その発想はなかった。単なる追随にとどまらぬ、完全な肩代わり。インドシナ戦争→ベトナム戦争、を想起せよ、というわけだ。かかる懸念が、「誇大妄想狂のたわごと」に終れば、それは重畳きわまりない。

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  6. 匿名希望 より

     三橋さんや藤井さんが修正すべき「考え」とはどのようなものなのでしょうか。

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  7. 名無しの権兵衛 より

    シリア問題に関する発言でいろんな意見があるようですが、シリア問題発言よりも私が最初に感じたのは、アメリカが必要以上に今回の安倍外交を気にしているように思えたことです。根拠は無いです。

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  8. モンブラン より

    安倍外交を評価する人がけっこう多いような気がしますが、有体に言えば「価値観外交」という対米追従外交ですよね。張り切って米国に忠臣ぶりを見せようとしたら勇み足になったり、正直それほど自分の頭で考えているようには見えません。自分で何をやっているのかすら分からなくなっているように思えます。大変行動的な外交でその点関心しているのですが、世界情勢の的確な分析のないまま動き回っているようで行動的であることがかえって恐ろしく感じられもします。

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  9. 名前はまだ無い より

    様々な国を歴訪して安全保障関係を結ぼうという安倍外交は評価しているのですが私も今回の拙速なシリアに対するアメリカの立場を支持する発言には疑問を感じます。最低でも「アサド政権による化学兵器使用が事実であったとしたなら」と十分に前置きした上でおっしゃるべきだったのではないかと思いますが。。。うーん、これは本当に分かりません。産経の記事には『 首相周辺はシリアへの軍事介入に関し「日本は米欧とロシアの中間ぐらいの立ち位置が好ましい」との認識を示す。』とあるのにかなり突出した発言をしてしまっていますね。尖閣を考えると日米関係は非常に難しいですがどうなることやら。

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  10. ハヒフヘーゾー より

    結局、アメリカ=世界の警察で正義の味方 アメリカに楯突くもの=悪 という単純な二元論でしかモノを考えられないのでしょう。 東田剛さんとは無関係ですが、中野剛志さんが著書「反官反民」でこのような事を書いています。「日本は第二次大戦で米国に敗れ、占領されたうえで国内の制度を米国の言うがままに変えられた。 その過程を是認し、ましてや国内の制度を改革と称して自ら進んで米国流に変えようとする”親米保守”が、米国の他国に対する軍事攻撃、その後の米国による支配、統治を非難する論拠など持ち合わせているはずがないのである。」 上手く合点が行きますね。自らTPP交渉参加を表明する、電力自由化、規制改革と称して日本のアメリカ化を進めようとする安倍さんが、米国支持をいち早く打ち出すのは必然の理だと。 

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  11. kobuna より

    大丈夫かどうかという心配は藤井さんや三橋さんに対してこそ必要だと思いますよ。以前には熱心なファンだけが怪しく見えました。とにかく藤井さんや三橋さんが正しいのだというノリで騒いでいたからです。しかし、どうもそんな欠点を持つのはファンだけでもなかったようです。「やらまいか」という動画があります。藤井さんの攻勢限界点でも見たかのような気分になる動画でした。ファン達は気が付かなかったでしょうけど、あれは藤井さんの大惨敗動画だった。しかも、番組の後でも藤井さんはまずいことを書いていました。大人しくしていれば傷が浅くて済んだだろうに、「対案も出さずに・・・」などと言って怒っていました。番組の中で対案になるものがちゃんと出されていたのに意味が解らなかったようです。間違いは誰にでもあります。冷静になった時にでも考えを修正してくれるのならまだよかった。しかしわりと最近の動画でこういうやり取りがありました。三橋さんが「馬鹿な爺さんがいた」という様な事を言い、藤井さんがそれに対して笑っていました。結局のところ、この人達にとって自分達が広めてきた考えに間違いがあるかどうかはどうでもいいのでしょう。場合によっては保守系の知識人や政治家にまで噛みつく勇気はあっても、自分達の考えを見直す事は絶対にしない。それがあまりに徹底しているのから不気味にさえ見える。私ならば、こういう人達が『日本の為に・・・』という論調で喋っていている事に対して「大丈夫ですか?」と感じます。

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  12. 悪いやつじゃないんですが上島竜平です より

    ダチョウ倶楽部鉄板ネタアメリカ「アサド許せん」イギリス「アサド許せん」カナダ「アサド許せん」アメリカ「武力行使だ爆撃だ」日本「アサド許せん協力します」カナダ、イギリス「どうぞどうぞ」安倍「えっ!?…えっ!?」アメリカ「ついでに代わりに仕切ってくれる?」安倍「くるりんパー」

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