From 三橋貴明@ブログ
北朝鮮危機の第一の山場、4月15日が訪れました。
本日は、金日成の生誕105周年記念日で、軍事パレードや各種の式典が予定されています。今までの金正恩のパターンだと、この種の記念日に「核実験」を強行する可能性があるわけです。
北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は昨日、AP通信のインタビューに応じ、6回目の核実験について、「最高指導部が適切と判断したとき、いつでも実施する」と述べました。
それに対し、アメリカ側は北朝鮮の核実験の確証が取れ次第、先制攻撃すると報じられています。
『米「核実験の確証得たら先制攻撃」 米報道 トランプ氏や米政権高官、北朝鮮対応「習氏が全力でやってくれる」と期待
http://www.sankei.com/world/news/170414/wor1704140028-n1.html
米NBCテレビは13日、複数の米情報機関高官の話として、北朝鮮が6回目の核実験を実行するとの確証を得た時点で、米軍が通常兵器による先制攻撃を行う準備を整えていると報じた。米政府高官は、北朝鮮が15日にも核実験を行う恐れがあるとみて警戒を強めている。
(中略)
一方、トランプ米大統領は13日、ホワイトハウスで記者団に対し、「北朝鮮は問題だ。問題は処理される」と述べた上で、中国の習近平国家主席が事態の打開に向けて「懸命に頑張っている」と指摘し、中国が北朝鮮による核実験やミサイル発射の阻止に向け影響力を行使することを確信しているとの姿勢を示した。(後略)』
何かもう、アメリカ側は先制攻撃の責任を「中国」に押し付ける気、満々という感じでございます。
中国(というか、北京政府)に北朝鮮抑制を要請した。散々に要請したにも関わらず、北京政府が無力であることが分かった。仕方がないので、「東アジアの安定」のために攻撃した。という、シナリオが書かれているとしか思えません。習近平の北京政府に、北部戦区を動かし、北朝鮮を抑制することができるかどうか。しかも、デッドライン(今日ですが)がある状況で。
中国の王毅外相は昨日、北朝鮮危機について、
「米朝が真っ向から対立し、一触即発の状況は高度警戒に値する」
と危機感を表明しました。
何となく、他人事のように聞こえるコメントです。中国は、当事国です(日本もですが)。
それにしても、習近平が訪米し、トランプ大統領と会食している最中に、ミサイルをシリアに打ち込み、さらに13日夜、アフガニスタンに核兵器を除く通常兵器では最大級の爆弾「大規模爆風爆弾(MOAB)」を落とす。
示威行動を繰り返しつつ、中国に「北朝鮮の抑制」を要請。ある意味で、習近平をも追い詰めていく。
オバマ政権期の「外交の常識」は、全く通じない状況になっているのが分かります。アメリカ側の動きに対し、北朝鮮側は、「わが軍は米国がぴくりとでも動けば、無慈悲な報復攻撃で敵対勢力の頭上に核の雷を落とす」と警告する報道官談話を発表しました。
報道を利用し、批判し合いつつ、軍事力を動かす。スケールは違いますが、バルバロッサ作戦前のナチスとソ連共産党の非難合戦を思い出してしまいました。
それにしても、北朝鮮危機が深刻化したことを受け、ようやく日本のメディアでも報道が増えてきましたが、「東京に核ミサイルが落ちる!」といった、センセーショナリズムに徹した報道が増えてきているように思い、懸念しています。まるで、福島第一原発事故の後のメディアの煽り合戦のようです。
東京に~といったセンセーショナルな話より、より深刻な問題は、北朝鮮の長距離砲が届くソウルに、何万人もの日本人が滞在しているという事実です。アメリカが先制攻撃をした場合、北朝鮮が報復としてソウルに砲弾の雨を降らせる可能性は、「東京に~」よりもはるかに高く、現実の危険なのです。わたくしがソウルに支店を持つ日本企業の経営者だった場合、駐在員を一時帰国させます。
センセーショナルに危機を煽るのではなく、現実の危機にプラグマティスティックに対処する。これができない場合、多くの日本国民が生命を失う羽目になります。
大東亜戦争敗北から72年。日本国民が「お花畑的な平和」から目覚めなければならない日が訪れたのです。
【三橋貴明】お花畑的な平和から目覚めなければならない日が訪れたへの1件のコメント
2017年4月16日 1:38 AM
お疲れ様でございます。
ともかく、4月15日のXデーは、我々一般の日本国民に何事もなくて本当に良かったですね。
でももしこの後、来たるべき時が来るのならば、半島から難民が押し寄せてくることも、シミュレーションなり、識者が仰るなりに、十分あり得ます。
半島民をどう収容するか。
私は、メガフロートの活用をお勧めします。当面過去作った分は、様々の自治体により運営され、海釣り公園だとか、マリンパークだとかの、不要不急の用途に供されています。(ググれば一発で分ります)
メガフロートは、最上面の平面部分だけでなくして、いわば箱型になっている下部面が、地下室として十二分に活用できるような浮体構造になっています。曳航も可能(実績有)。新規製造も短工期で可。そもそもメガフロートの元々の用途にも、災害対策基地としての利用をうたっています。
災害対策基地としての縦深性を十分持ち合せているメガフロート、結合も分離も容易です。
食料・製造者、居住性(運動にも勿論適している)に関わる条件をクリアすれば、半島難民収容用のメガフロートが幾つも幾つも造れます。
しかしさて、もしその場合には、半島民を収容したらば、どこの沖に係留しておくか、ハッキリ言って、日本近海は危ない。グァム・サイパンの線まで下がっても、北朝鮮のミサイルが届く距離です。
これはいい案があります。
更に更にその東方。米政府と交渉して、米領ウェーク島沖まで、メガフロートを順次持って来れば良いのです。同島付近は気候も極めて温暖、急な脱出で苦しむ半島民を癒すに相応しい環境と思います。
米政府と至急交渉しても、罰は当らないと思うのです。
いかがでしょうか。
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