政治

2020年12月16日

【藤井聡】『菅義偉論:改革者か、破壊者か』 その恐るべき「闇」を知るために是非、ご一読下さい。

From 藤井聡@京都大学大学院教授

本日、表現者クライテリオンより、安倍総理の後任として総理の座を射止めた政治家・菅義偉氏を徹底的に論じ尽くす、

菅義偉論 ~改革者か、破壊者か~

https://www.amazon.co.jp/dp/B08NMGJDNG/

を出版いたしました。

これまで丸三年間、表現者クライテリオンを編集して参りましたが、今回ほどに充実した内容の特集は初めてではないかと言う程の手応えある特集となりました。

なぜなら、編集長として雑誌を編纂する事を通して、これほど「目から鱗」が落ちた経験は初めてだったからです。

なぜそうなったのかと言えばそれは、「菅義偉という一人の人物」を、多面的に、そして深く掘り下げることで、菅義偉という人物の「仮面」が全て剥がれ落ち、その内面のとめどない闇と陳腐さが露わになったからです。

そして当方は今、この人物が日本国の総理大臣であることに心底、恐怖を感じています。

……簡単に解説しましょう。

菅政権が誕生した9月、世間は約八年ぶりの新総理誕生を大いに歓迎し、支持率は70%を越える極めて高い水準でした。東北出身であることや無派閥であること等が、その「令和おじさん」の総理就任の歓迎ムードをもり立てました。

しかし今、菅政権の支持率はそんな歓迎ムードから一変、政権発足からわずか三ヶ月にして、支持率と不支持率が「逆転」する事態に陥っています。支持率は一気に「40%」にまで下落した一方、不支持率は「49%」に上ったのです。

その背景にあるのは、コロナ感染症の拡大、「第三波」の襲来。したがって、コロナ第三波が行きすぎれば、菅内閣の支持率が盛り返す事態は十分に考えられます。

ただし菅氏が今、対応しなければならないのは、コロナ対策だけではありません。

そもそも日本が置かれた現実は今、戦慄を覚える深刻な状況にあります。長引くデフレ不況下で襲来したコロナ禍、米国では新大統領が誕生する中、そのコロナ禍で一人勝ち状況にある隣国中国はその覇権的野心をさらに激化させ、尖閣防衛は今、風前の灯火と化しています。

こんな時代における総理の采配は、日本の命運に直結する、何よりも枢要な役割を担います。

しかし、筆者は誠に残念ながら、菅総理がそうした日本の危機を救い出す力を発揮することは、残念ながら万に一つも無いだろうと―――確信しています。

なぜかと言えば、今回の特集を編纂するにあたり、「菅義偉」という一人の人物が、一体如何なる男なのかをこの度、彼を若い頃から知る、管氏の年上にあたる数々の「重鎮」達の話を一通り伺って回ったからです。その結果、この人物は、国民を救ったり国家を立て直す事に対する情熱で政治を行っているのではなく、ただただ「自分を虐げてきた日本に対する恨み辛み、そしてその恨み辛みに裏打ちされた日本に対する深い反逆心」だけで、政治家として大成した男であると、「確信」したからです。

当方は「管官房長官」と6年間の上司部下関係を持ちますが、その時には全く分からなかった、菅義偉という人物の心の深い闇が、この度の特集編纂を通して痛いほどに分かってしまった-――筆者は心底そう確信したのです。

特に今回、管氏の「親分」であった古賀誠氏、管氏が横浜市議会議員にはじめて立候補した時に応援に横浜に乗り込んだ亀井静香氏、管氏が若手時代から政治の世界にどっぷりと浸かりながら取材し続けてきた鈴木棟一氏から、管氏の若手から今日に至るまでの話をじっくりと聞いたことが、当方の菅理解を驚くほど一変させました。

どうやら彼は、若手の頃から何度も何度も、様々な文脈で「恩人達」を裏切り続けてきたのです。多くの人々はそうした裏切りを奇異の目で眺めていたのですが、今となってみれば、そうした裏切りを重ねたことで、彼は政界から干されるどころか、政界で自らの地位を一歩一歩上り詰めていったのす。

つまり彼は、政治家として大成するための戦略として「恩人を裏切る」という振る舞いを採用し続けてきたのです。

彼の裏切りにはパターンがあります。

まず、政界で主要なグループに属します(小渕派や古賀派等)。そして、そのグループの中で反旗を翻す人物を見いだします(梶山氏や加藤氏等)。そして、彼が反逆するその瞬間に、その反旗を翻す人物についていくのです。

なぜ管氏がそうするのかと言えば、そうしておけば万一その「反逆」に成功した時、自らの地位が一気に向上することになるからです。そもそもそうした「反逆」には高いリスクを伴うが故に、それに賛同する人々は極一部。だから、万一その反逆に成功した時には、その反逆に加担した極一部の人々は必ず、その新しい成功者に「重用」されることになるのです。

彼はそうして小渕や古賀といった自民党の大物達を裏切り続けたのですが(ちなみに、古賀氏とのインタビューで彼は一言も管氏に対する「悪口」めいた事は口にしませんでした。彼はその自らのインタビュー時には徹底的に管氏を擁護し続けました)、最後の裏切りであった「安倍氏の総理擁立」という「博打」に成功し、そして、官房長官という地位を獲得したのです。

今となっては安倍総理誕生は必然であったように感じている人は多いかもしれませんが、2012年当時、安倍総理誕生が予期できた人はほとんどいない、というくらい、総理就任可能性は低かったのです。管氏はだからこそ、安倍氏を擁立し、その功労賞として(8年後の総理大臣着任に繋がる)「官房長官」になれたのです。

では、そこまでして管氏が権力に拘ったのはなぜなのかと言えば……その答えは、浜崎洋介氏の論考が的確に描写されています。

彼はただひたすらに「伝統的な日本が提示する予定調和」にあらがい続けてきたのであり、その流儀に従えば彼は、恩人を裏切るのは至極当然の振る舞いに過ぎなかったのです。

その出発点は、東北の豪農の家を飛び出し、東京に上って来たという原体験です。

いわば彼はそこで「ふるさと」を捨て、もう二度と帰れない「ルビコン川」をわたってしまったのです。

そうなってしまった以上、彼はタダひたすらに東京という見ず知らずの人ばかりの「近代砂漠」の中で生き残るために、その東京という虚無的な空間で成り上がるためにありとあらゆる「不義」に手を出すことになったのです。

それこそ、彼が日本の伝統的な政治家である古賀氏や小渕氏を裏切ると同時に、竹中平蔵やアトキンソンらの、日本の伝統を否定し、破壊するトリックスター達をブレインとして重用する一方、同じようなやり方で政治家を続けてきた維新の松井氏や橋下氏を心底朋友と見なしている根源的な原因です。

当方はこの構図に気が付いた途端、当方が個人的にも公的にも見聞きしてきた彼のあらゆる振る舞いの「謎」が全て解けた気がしました。

何を批判されても判で押したように「その批判は当たらない」とはぐらかす答弁や、「ガースーです」「全集中の呼吸」というつまらない通り一遍の発言やさして上手くもないただただ甘いだけのパンケーキを好む(古賀氏談)という側面、そして学術会議に対する態度等々-――それは全て「ふるさと」を捨てた原体験に直結しているという構図が全て見て取れたのです。

そして、心底、背筋が凍る思いがしました。

わたしたち日本人は、何と恐ろしい人物を総理大臣に仕立て上げてしまったのだろうか――私は今、心の底からそう感じています。

彼が日本を救うために仕事などするはずがない、ただただ彼の政治権力の保持と拡大を果たすために、あらゆる「裏切り」に手を染めるに違いない、これまでは派閥の頭領達を裏切っただけで済んできたが(そして先日は、元上司であった安倍氏の桜を見る会の「捜査」を示唆するという裏切りを行う程度で済んで来たが)、総理大臣としての最大の裏切りは、日本国民、日本国家に対する裏切りとなるだろうと、私は今、真剣に危惧しているのです。

わたしたち日本は、この菅総理大臣に一体どうされてしまうのでしょうか-――?

国民としてまずなすべき事は、以上に述べた筆者の直感と確信がただしいのかどうか、一人一人の国民にしっかりご吟味いただく事を措いて他はないと、当方は今確信しています。

是非とも、日本がこの恐ろしい状況から一刻も早く脱却するためにも、「菅義偉論 ~改革者か、破壊者か~」を幅広くご一読いただきたいと考えております。

https://www.amazon.co.jp/dp/B08NMGJDNG/

何卒、よろしくお願いいたします。

追申:
菅政権が如何に恐ろしい政策を展開しているのか……是非、下記をご一読下さい。
『菅政権による国民窮乏化策 ~コロナ禍で所得補償「せず」に高齢層/子育て層への「実質増税」を断行する我が国政府~』
まぐまぐ!
https://mypage.mag2.com/ui/view/magazine/162582768

foomii
https://foomii.com/00178/2020121212231774166

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【藤井聡】『菅義偉論:改革者か、破壊者か』 その恐るべき「闇」を知るために是非、ご一読下さい。への7件のコメント

  1. たかゆき より

    管から 菅

    「管」 中身がカラッポという ことか いな、、

    全ての事は 最善のために

    怒る もとい 起こる

    というわけで

    「管」難辛苦 汝を 玉に す ♪

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  2. あああ より

    ゲームの話で大変恐縮ですが,菅総理は「龍が如く」の錦山に見えてしまいます.自分の所属する組の親分を殺すという一線を越えた錦山は,その後も自分の親父分に当たる風間や兄弟分の桐生を裏切ることを通して,一時は組長を狙える立場まで出世していきます.最後は自分が裏切った主人公の桐生との闘いに敗れ裏切りのツケを払う形になるわけなのですが,菅総理もいつか裏切り続けたツケを払うことになるのではないのでしょうか.とはいえ,菅総理がツケを払うことになるまで振り回されるのは我々国民であり,自分も国民の一人としてそんなことは勘弁してもらいたい限りです.

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  3. 大和魂 より

    この寄稿の、気になった側面だけに触れますと、政治家を引退した老いぼれの古賀誠が依然として、永田町界隈をウロウロしていること自体を探求すれば、古賀誠のバックには金融屋が存在している訳だから、金融屋のスケープゴートの竹中平蔵やアトキンソンと関係を持つ菅総理に言及しなかった図式が成り立つ訳ですね。

    ちなみに先日、藤井先生のお仲間の浜崎先生の新著も購入しましたし、明日には近所の書店で表現者クライテリオンの新刊も購入して協力させて頂きます。

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  5. TK より

    ふ~ん、そうなんだ。砂の器に出てくる和賀英良みたい

    小泉純一郎在日よりはまだましな気がするが、肝に銘じておきましょう

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  6. 直美 より

    菅義偉といっしょになってGoToアクセルふかしまくっといて、菅の闇だの菅がカラッポだの言えた義理ですかいな。そんなんであんたらよう胸が痛うなりまへんな。GoToで経済回す言うたかて予算消化率3割。全然回せてませんやん。国民が自粛腦でアホやからと平気で言う人いてはりましたけど、アホなんは机上でないuncertaintyが腹の奥底で理解できんかったあんたらと違いますか。春からほんまガッカリのし通しや。

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  7. たかゆき より

    菅 に 感謝

    1月 10日 11日に

    GO TOで予約していた ホテル

    GO TO 一斉停止により

    キャンセルして 次週に 再予約を取ったら

    一割ほど安く なった、、

    というわけで

    全ての事は 最善のために 起こる

    温泉につかって 雪見酒を 

    満喫する のだ ♪

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