日本経済

2026年3月30日

【三橋貴明】 ナフサ危機

【今週のNewsピックアップ】
脆弱な世界
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12961018019.html
ナフサ危機
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12961139783.html

安全保障とは、
別に防衛には限りません。
防災、防犯、食料、エネルギー、
医療、物流など、
多岐に渡ります。
さらには、安全保障は掛け算。

どれか一つでもゼロになれば、
全てがゼロです。

電気が使えなくなった国は、
戦えない。

食料がなくなれば、
戦えない。

どれだけ優秀な兵士、
武器があっても、
運べなければ戦えない。

ホルムズ海峡封鎖は、
我々日本人が
どれだけ「脆弱な文明」の中で
生きてきたかを、
思い知らせてくれています。

原油は、
別にガソリンや軽油に
なるだけではありません。
原油はガソリンや軽油の他に、
重油、灯油、ジェット燃料、LPG、
さらにはアスファルト、潤滑油、
そして「ナフサ」になります。

この「ナフサ」が重大な問題なのです。

ナフサは
ポリエチレン、包装フィルム、
容器、自動車部品、家電、
ポリエステル、ナイロン、タイヤ、
ホース塗料、接着剤、合成洗剤の
原料なのです。

日本人のほとんどは、
今回のホルムズ海峡封鎖が
「ナフサ危機」であることに
気が付いていない。

ナフサが無くなると、どうなる?

貴方の目の前の、
ペットボトルの生産が不可能になる。
いや、水や飲料はできますが、
容器が無理なのですよ。

コンビニのお弁当やおにぎり、
サンドウィッチの包装が
できなくなる。

もちろん
「紙」にしても良いとは思うけど、
設備投資に
どれだけの費用、期間が
かかるのか?
スーパーの生鮮食品も全滅。
プラスチックが無ければ、
清潔に食品を運ぶことはできない。

日本はエチレン原料の95%を
ナフサに依存し、
かつナフサの四割超を
中東からの輸入です。
石油備蓄は、
放出前の時点で
国家・民間・産油国共同を合わせて
200日分以上ありますが、
ナフサの在庫は
シティグループ証券の推計で
20日分しかないのです。

さあ、どうする。

現時点で、
日本国は
「国民の需要を満たす」ことが
可能かどうか、
瀬戸際にいるのです。
つまりは、
我々はすでに戦争中なのですよ。

【三橋経済塾第十五期ゲスト講師予定】
https://members15.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

第四回 4月18日 安藤裕先生
(参議院議員)

第五回 5月16日 藤井聡先生
(京都大学大学院教授) 

第六回 6月20日 村井友秀先生
(東京国際大学特命教授)

第七回 7月18日 鈴木宣弘先生
(東京大学大学院教授)

第八回 8月15日 施光恒先生
(九州大学大学院教授)NEW!

第九回 9月19日 宇山卓栄先生
(著述家)

◆メルマガのFoomii配信を始めました。【原油】
https://foomii.com/00305/20260328090000150220

◆経営科学出版から
「さらば自民党
~戦後最大の政権交代が始まる!」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4867691100

◆経営科学出版から
「財務省の正体
~日本経済を破壊したテロリストたち~」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4867691119

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol882
「原油」
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
ホルムズ海峡が封鎖され、
日本に原油が入ってこなくなりました。
原油が日本に入ってこなくなると、
ガソリンや軽油はもちろんですが、
ナフサの精製ができず、
ペットボトルを作れない。
これが、現実の日本経済なのです。

◆メディア出演

「日本円が海外に流出しちゃう」はウソ?!
これが国際交易の真相です
[三橋TV第1148回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/DEEdXfZ5Yl0

イラン戦争】
移民人口比率80%の中東湾岸諸国、
ハイパーインフレの危機!?
[三橋TV第1149回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/PM3GWDr9KZU

中国経済、
実は昨年からマイナス成長だった?!
中国共産党の統計マジックを暴きます
習近平が経済を立て直せない理由
[三橋TV第1150回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/oYEJW2L7wkk

◆三橋経済塾
4月18日(土)
三橋経済塾第十五期第四回講義が
開催されます。
https://members15.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
ゲスト講師は安藤裕参議院議員です。

関連記事

日本経済

【藤井聡】新年を強靭化しよう!

日本経済

【藤井聡】 経済対策としての第「三」次補正予算の準備を始めるべし

日本経済

【三橋貴明】日本円は外国に持ち出せない

日本経済

【浅野久美】ボジョレーより宮城一の蔵

日本経済

【佐藤健志】「痩せ太り」の経済、デフレ型の幸福

【三橋貴明】 ナフサ危機への2件のコメント

  1. 利根川 より

    三橋さん
    「さらには、安全保障は掛け算。」

    「どれか一つでもゼロになれば、
    全てがゼロです。」

    三島由紀夫もそうですが、日本の自称・保守界隈はここら辺が分かっていないような気がします。だから、30年も経済停滞を続けていても「何も問題ない」みたいな態度だったんじゃないのでしょうか。その割に、やたらと軍事関係に口を出したがるのは、

    カッコつけたいだけなんじゃないの?

    としか思えないんですよね。情けねぇ…

    大人の社会科チャンネルtetsya

    湾岸諸国の苦しい事情 実は日本と似ているのでは?対米従属は何をもたらすか

    tetsyaさん
    「(サウジ)国王に戦う気があっても実際に戦うのは無理なんですよ」

    「湾岸諸国の国民というのはオイルマネーで豊かに暮らせるから独裁を許容しているわけです」

    「単純労働も移民にやらせてるくらいですから」

    「わざわざ湾岸諸国の国民が自分で軍隊に入ってつらい訓練を受けて国のために戦うぞ、なんて人は少ないんです」

    「湾岸諸国の安全保障はアメリカ頼みだった」
    (↑日本と同様ですね)

    「ただ、そのアメリカもイランのドローンとミサイルの飽和攻撃を防げないわけで、頼りにしていたアメリカが実はそんなに頼りにならないということが分かっちゃったんですね」

    「アメリカに頼り切りだった国と、イランのように貧しくても自立してきた国の差が際立ってきている」

    こうした状況分析については三橋さんをはじめ、本物の有識者の間では共通した認識になっているようです。自分の国のことは自国で賄えるようにしておかないといけないと…。
     日本と中国は利害で衝突する間柄ですので、あまり褒めたくはないけれど、流石はハイブリッド戦の起源国だけあって、中国のエリート層はそういうところは分かっていたんだなと。「中国製造2025」はそういうことだったんでしょうね(うまくいっているかどうかはともかくとして)

    tetsyaさん
    「ちゃんと自立しようという意思と根性がある国はめちゃくちゃ強いと」

    これについては、現代の日本人にくらべて第二次大戦時の日本人はめちゃくちゃ根性はあったと思いますが、でも負けたんですよ。まずはその事実をきちんと受け入れるべきだと思います。
     
     
    [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき (PHP文庫)

    この本の翻訳者である佐藤健志さんが昔よく言っていたことですが、

    佐藤健志さん
    「専制国家にくらべたら民主制国家は脆いんです。戦争になった場合、先にねを上げるのは民主制国家です。」

    宗教的な結束で国民が強固に連帯しているとか、カリスマ的指導者による強固な専制国家とか、そういった国であれば国民が不満を持ったとしても抑え込むことは可能なんでしょうけども、民主制国家ではそれは難しいということです。

    国民一人一人に「根性」が求められる状況にしてしまったら民主制国家は負け確なんです

    くわえて、中野剛志さんや三橋さんがよく指摘していますが、

    中野剛志さん
    「労働者の権利とか社会保障による最低限のセーフティーネットとか、そういったものが整備されるようになったきっかけは二度の世界大戦(総力戦)でした」

    三橋さん
    「現代の戦争は『総力戦』ですが、普段、国民を虐げている新自由主義的エリートたちが『このままでは我々が支配する国家が滅びてしまう!国民よ、我らエリートのために戦え!』なんて言ったって、虐げられている国民からしたら『滅べば?』としか言いようがないわけで、だから、福祉国家化せざるを得なかった。」

    社会福祉って善意から整備されるようになったわけじゃないんですよね。現代日本はこの社会福祉、おろそかにしていませんか?就職氷河期世代が「人手不足の業界」に対して「ざまあみろ」と言っているのを見かけますが、劣悪な環境に置かれている人々がいざとなった時に国のために働いてくれると思いますか?

    安藤裕参議院議員
    「国は国民を愛さないけど国民は国を愛せというのは無理な話です」

    あらゆる意味で「根性」じゃあダメなんですよ。
     格差を是正しなければいけないというのも、ある程度おなじような暮らしでないと同じ国民の気持ちが分からなくなって民主制が維持できなくなるから、というのもありますが、本当に危機的状況になった時に協力してもらえなくなるからというのもあるんですよ。自民党政権は格差拡大政策をずっと行ってきましたが、それでいいのでしょうか。「分断」というのは危機的状況になるほどに致命的なものになるのです。

    前線のウクライナ兵
    「キーウの首脳の皆様にお願いがあります。皆様はウクライナを愛しているとのことですが、その言葉が本当であるのなら我々の所に来てこのコーヒーを共に飲んでいただけませんか」

    先にねを上げるのは民主制国家だし、普段から福祉に力を入れて「格差」を拡大しないようにしておかないといざと言う時に致命傷になるってことです。ハイブリッド戦ってこういうことですよ。
     

    三橋さん
    「ガソリン補助金は、ガソリンスタンドではなく、『石油元売り企業』の川上部門に直接支給されます。さらには、元売り企業は寡占状態にあり、それほど激烈な競争をしているわけではありません。」

    「となれば、元売りが補助金分、そのまんまガソリンの卸売価格を引き下げる必要性はないわけで、当たり前ですが、義務もありません。」

    「要するに、不透明なのです。」

    「減税の場合、市場の価格決定メカニズムを維持したまま、消費者に恩恵を及ぼせる、相対的に透明性の高い『物価高対策』になります。」

    「ガソリン税リッター当たり24円が無くなった場合」

    「はい、24円の値下げ」

    「となり、もちろん企業の都合で24円下げなくても構わないですが、それが消費者にもろ分かりになるわけですね。」

    「もちろん、財務省は減税を徹底的に妨害してくるでしょう。」

    「その妨害を突破してでも、日本は今、ガソリン税を廃止するタイミングなのですよ。」

    ハイブリッド戦という観点から考えれば、石油の主な利用者である生産・運送に携わる産業が倒産するとどうなるのかというと、、、

    三橋さん
    「さらには、安全保障は掛け算。」

    「どれか一つでもゼロになれば、
    全てがゼロです。」

    こうなるわけだ。
     

    「どっちにせよ石油(石油由来のナフサ含む)が尽きれば終わりじゃないか!節約しなくていいのか?」

    日本はずっと不況が続いてきましたので、各産業はすでにギリギリまで節約を心がけてきました。この上、さらに節約といったって大した量は節約できないでしょう。
     せめて貨幣的な民間負担を減らして、これ以上、企業の倒産が増えることは阻止しなければいけません。
     

    「石油はどうするんだ!」

    危機に陥ってから用意するのでは遅いのです。今現在の危機についてはもう手遅れ。神社にでも神頼みに行くくらいしか手はありませんね(苦笑い
    せめてイランや中東諸国と話しをするくらいのことはすべきですが、高市政権は今の所そうした動きは見られませんね。
     三橋さんが指摘するように現代の戦争はハイブリッド戦だということを自称保守界隈はきちんと認識した方がいいし、その貴重な戦力(経済や国民の結束)をボロボロにしてきたのは自称保守界隈が担ぎ上げてきた自公政権(民主党政権も一部含む)だという現実もきちんと受け止めてもらいたい。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  2. うたか より

    そういやプラスチックリサイクルって話題にならんな
    それだけショボいんだな
    コストが高いってのは実用性が低いってことなんだろうな

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】パラダイムシフト

  2. 日本経済

    【三橋貴明】第二次グローバリズムの終焉

  3. 日本経済

    【三橋貴明】ナフサと油種

  4. 日本経済

    【三橋貴明】GDPと豊かさ(後編)

  5. 日本経済

    【三橋貴明】GDPと豊かさ(前編)

  6. 日本経済

    【三宅隆介】市場では賃上げは誘導できない ―なぜ入札制...

  7. 日本経済

    【三橋貴明】4月18日 三橋経済塾第十五期第四回の講義...

  8. 日本経済

    【三橋貴明】 ナフサ危機

  9. 日本経済

    【三橋貴明】中国経済のデフレ化

  10. 日本経済

    【三橋貴明】経世史論【期間限定キャンペーン 3月16日...

MORE

タグクラウド