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2025年3月14日

【藤井聡】石破の10万円商品券は明らかに「一年以下の拘禁刑」に相当する政治資金規正法違反である.

1.石破総理が議員に「10万円の商品券」を供与し,違法でないと釈明.しかし,それは単なる詭弁である.
石破総理が,官邸に今月3日に自民党所属の当選1回の衆議院議員15人と会食したのですが,それに先立ち出席議員の事務所に秘書を通して10万円の商品券を届けていた事が発覚。新聞各社は一斉に「政治資金規正法の違反の可能性あり」と報道しましたが,それに対して石破氏は「会食のお土産代わりに家族へのねぎらいなどの観点から、私自身の私費、ポケットマネーで用意をした.政治活動に関する寄付ではなく、政治資金規正法上の問題はない」と釈明しました.

この釈明を耳にした国民の多くは,違法ではないのかも知れない,と認識したものと思いますが,それは完全に間違いです.政治資金規正法の運用に関するこれまでの司法的議論を踏まえれば,石破氏の釈明は単なる「詭弁」の類いに過ぎません.すなわち,この石破氏の行為は明らかに政治資金規正法に抵触しており,「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」という罰則が求められる違法行為と解釈せざるを得ないのです.

ついては以下,その理由を詳しく解説したいと思います.

2. 政治資金規正法は,「個人」から「政治家」への商品券の寄附を禁じている.
まず,政治資金規正法第には,「何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない」という条項(21条の2)があります.

これは要するに,「個人」が「政治家」に「金銭等」を寄附してはならない,という規定です.この金銭等の「等」には,「有価証券」が含まれるのですが,商品券というものは定義上,その有価証券となります.

したがって,公職選挙法は個人が政治家に商品券を寄附することを禁じているわけであり,それ故この「10万円の商品券」が「寄附」に該当するのなら,今回の石破氏の行為は政治資金規正法違反だと言うことになるのです.

3.「10万円の商品券」は,社会通念上,「社交儀礼における,単なるお土産」ではない.
だから石破氏は,その商品券は寄附ではない「お土産」なのだと主張し,違法ではないと釈明しているわけですが,寄附かどうかは,その寄附者が「お土産」と認識しているかどうかとは別に,「外形的」に定義されるものです.

一般に,その有価証券や金銭の提供が,「社会通念上,社交儀礼の範囲内」であった場合,寄附とは見なされない場合があります.

例えば,政治家の結婚式に出席し,数万円のご祝儀を渡す場合などがそれに該当します.しかし過去の事例においては,その結婚のご祝儀であっても,「結婚式に出席せず,秘書が別の機会に渡す」ということをしただけでも社交儀礼の範囲「外」だと判断され,「寄附」と見なされることになります.それほどに,金銭等の供与については,相当程度明確な社交儀礼が存在する場合を除けば,「寄附」と見なされるのです.

4.「10万円の商品券」は,高額すぎる故,社会通念上,「社交儀礼におけるお土産」とは見なすことは不可能
したがって,「今回の10万円のお土産」は,過去の事例と考え合わせれば,以下の二つの理由からして,「社交儀礼の範囲内のお土産」だとは到底考えられないのです.

まず第一に,「10万円」という金額水準は,「社会通念上」お土産の範囲を逸脱するものです.社会通念上,数千円程度であれば「お土産」と司法が判断する可能性はなくはありませんが,10万円という金額は,お土産としては明らかに高すぎる金額なのです.

そもそも10万円というのは最低賃金(1055円),標準労働時間(7時間)でおおよそ「3週間」も働いた場合の賃金に相当するものであり,お土産という水準を「社会通念上」,完全に逸脱しています.

しかも,食事会のお土産の金額は,その食事代を下回るのが「社会通念」であり,食事代の数倍もの水準に達することは,「社会通念上」あり得ません.官邸での飲食の金額はもちろん10万円を超えることは確実にないであろうと考えると,その点からしても10万円の商品券は社会通念上,お土産と見なすことは不可能です.

5.客が帰るときに渡すのがお土産.事前に事務所に秘書が届ける「商品券」は,社会通念上,お土産ではない.
さらに,食事会に招いた際のお土産とは,社会通念上, 食事会の終了直後に,来訪者が帰る際に渡すものです.それは,結婚式のご祝儀が,出席者から出席時に直接手渡しするのが社会通念であるというのと同様です.ところが今回の商品券は,食事会の「前」に,秘書が事務所に封筒に入れる形で手渡されているのです.この点からしても,その商品券が「お土産」とは身なし得ないことは明白です.

そして政治資金規正法の司法上の運用ではこれまで,結婚式への出席時に渡さない「ご祝儀」は,社会通念におけるご祝儀とは見なされずに,『寄附』と見なされてきましたが,それを踏まえるなら,今回の商品券は,社会通念上,「お土産」ではなく「寄附」と捉えざるを得ないのです.

6.石破氏は,「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」に相当する,政治資金規正法の違反者である.
つまり,石破氏は,「お土産だから政治資金規正法に抵触しない」と強弁していますが,10万円という金額からしても,事前に事務所に秘書に届けさせているという点からしても,明らかに社会通念における「お土産」ではなく,「寄附」と見なさざるを得ないのです.

したがって,石破氏の10万円の商品券供与は,明らかに政治資金規正法に違反しており,「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」という罰則が求められる違法行為と解釈せざるを得ないのです.

つまり石破氏は,総理大臣の資質があるか無いか以前に,適正な償いが無い限り一社会人として一般的に生活する資格すら持ち得ない「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」に相当する「罪人」であると解釈せざるを得ないのです.

無論,以上の議論はあくまでも一般的な法解釈の議論であり,最終的な司法判断は全て,司法に委ねねばなりませんが,以上の議論だけでも,石破氏が総理大臣として職務を続ける資格を持たぬ人物であることは十分に明らかであると断じて差し支えありません.

したがって我々日本国民は,石破氏を支持しているか否かや,好きか否かとは別次元の問題として,石破氏に対して総理辞任を強く要求する他ないのです.

石破氏の可及的速やかな潔い辞任を心から祈念致したいと思います.

追伸:石破はホントに総理としての資質皆無の最低の総理です.

『財務省&オールドメディアが主張する「オカネがないから地方インフラは撤退すべし」論は,恐るべき不道徳な議論である――ということの根本的な理由』
https://foomii.com/00178/20250311011424135890

『石破政権&財務省は「退職金・増税」をターゲットにし始めた.その理由を詳しく解説します』
https://foomii.com/00178/20250309101832135823

『石破が総理である限り,日本は永遠にアメリカの「属国」「植民地」から脱却できない.今すぐ保守政権を樹立し,トランプと「自主独立」に向けたディールを開始すべし』
https://foomii.com/00178/20250308121904135801

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