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2024年10月8日
【藤井聡】『どんな事情があってもパーティ券収入不記載はダメだ』と言いながら,バックの岸田氏と自分の不記載は不問に付すような姑息な石破氏には「共感」も「納得」も絶対無理である.
記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない
世間からの強い反感を買っている所謂,自民党議員達の「裏金問題」ですが,その法的な内実は,「政治資金の収入不記載問題」です.
特定の政治家,あるいは(派閥等の)関連組織に収入があったにも関わらず,それが事務的に「記載」されていなければ,その不記載の動機や経緯の如何に関わらず,そのオカネは,その政治家(あるいは,その関連組織)が自由に使用しても誰にも分からないということになります.
つまり,「不記載」があった時点で,不記載になった経緯がミスであろう無かろうが,どんな経緯であろうが,兎に角その記載されなかったオカネは「裏金」となってしまうわけであり,これこそ「裏金問題」と呼ばれるものの本質であり,それはつまるところ,政治資金収入の不記載問題なのです.
そして,この不記載=裏金は,今,安倍派議員において多数取り沙汰されていますが,元総理の岸田氏の派閥でも生じており,また,現総理の石破氏においても生じているのです.
https://news.yahoo.co.jp/articles/b65c51bb249ea79531599c9bcb4431a2a76b2220
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/967926
石破氏も岸田氏もいずれも「事務的なミスだ」という説明で「言い逃れ」をしていますが,岸田氏や石破氏関係の不記載は,安倍派・二階派で取り沙汰されている「裏金」の問題と同様に,定義上,「裏金」問題であることに相違ないものなのです.
さて,この問題についてこの度石破氏はこの週末に,党幹部(森山幹事長,および小泉選対委員長)と協議し,選挙のための世論対策には「裏金議員」と呼ばれる人達に「罰」を与える姿勢を見せることが必要だという結論に至りました.
その経緯は下記記事に詳しく書かれていますが…
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA063DP0W4A001C2000000/
要するに,石破氏・森山氏・小泉氏はまず,
『どんな事情があったとしても収支報告書に記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない』
という合意を形成したとのこと.そしてその上で,
「不記載があった議員を公認する場合は,比例での重複立候補は不可とする」
「特定の条件を満たす議員については公認を認めない」
という方針を決定したとのこと.
その結果,おおよそ10名前後が「非公認」,43名が「比例での重複立候補を不可」となる見通しとなっています.
ここで重要なのは,党執行部は『どんな事情があったとしても収支報告書に記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない』と決めていたにも拘わらず,不記載があった石破氏や岸田氏が全く「お咎め無し」となっている点です.
つまり,今回の非公認や比例復活不可という「処分」は,いわゆる典型的なダブルスタンダードなのです.つまりそれは「自分にとって都合がよい処分は行うが,都合が悪い処分はやらない」という,単なるご都合主義(ないしはエエカッコシィ)で正義を振り回しているに過ぎない,不道徳極まりない詐欺的行為なのです.
では,なぜ石破氏はそのような詐欺のようなダブスタ処分を図っているのかと言えば,それは偏に,比例での重複立候補不可とされる43名の議員の内,実に41名が「安倍派」議員であることが原因だと考えざるを得ません.
そもそも,今回の決定を下した石破氏,森山氏,ならびに,石破政権の後ろ盾となっている岸田氏や小泉氏の後ろ盾の菅氏は安倍派を「政敵」と考えており,安倍派の弱体化を画策してきた人々です.
一方,現在の石破政権というものは,誰もが認める事実上の「菅・岸田の傀儡政権」です.
例えば,いわゆる「石破カラー」なるものが総裁になった途端出せなくなったのは,それが菅・岸田の思惑に反するものだからであるに過ぎません.
しかしながら,石破カラーの内,菅・岸田氏のお眼鏡にかなうものは,もちろん許容されます.というかむしろ「推奨」すらされる事になります.
今回の「裏金議員の比例復活不可」という方針は,まさに石破氏がやりたいことの内,菅・岸田にとって都合がよいものであったが故に決定できた,というに過ぎないものなのです.
もちろん,それをやると安倍派は強烈に反発し、総選挙後には党内が著しく不安定化し,石破政権の持続性が危うくなるわけですが…それは,菅・岸田氏にしてみれば,さして大きな問題ではありません.
むしろ,石破氏という「道具」を使って,政敵である安倍派,ならびに彼らが担ぐ高市早苗氏を「潰す」ことができる一方で,背後にいる自分たちは取り立てて直接的な返り血を浴びることもない…ということで,今回の非公認や比例復活不可判断は,菅・岸田氏にしてみれば「坊主丸儲け」つまり「ボロ儲け」な対応だと認識している節があります.
もちろんそれを通して自民党それ自身が弱体化し,最悪崩壊する危機は一気に高まるわけですが,日本の国はおろか,自分が属する自民党のことすらさして気にかけず,自らの“業”(つまり欲望)に翻弄され続ける岸田氏や菅氏にしてみれば,「そんなのカンケーねぇ」な話だと言うこともできるでしょう(とはいえ無論,世の中そんなに上手くいくわけもなく,石破に攻撃させたツケは菅・岸田に必ず回ってくる事になります.安倍派・麻生派を中心とした保守からの強烈な反撃をくらう事は必至.だから結局はやはり単なる“泥船”にのっただけという事になるのは十分考えられるのです).
…というのが,現在の石破氏の非公認や比例復活不可の最低の背景なのですが,それにも関わらず世間には,次のような大変に気持ちが悪く生理的嫌悪感を抱かざるを得ない対応がチラホラ見られるようです.
『立川志らく 石破首相の裏金議員非公認に転換「『だらしねえヤツだなあ』と思ったんだけど、ようやく石破カラー出した」』
https://news.yahoo.co.jp/articles/33a6985b9283fe2f59d8f210ce766d0126e5d21e
要するに,「石破さんは正義を貫こうとしたが,党のワルイ奴等の圧力に負けてできなかった…けれど,ようやく党のワルイ奴等に抗って,正義を貫こうとする姿勢をちょっと見せた…これならちょっと見直してやってもいい」というような評価です.
何という浅い意見なのでしょう…
党のワルイ奴(=岸田・菅・森山)の意向に沿い,彼らの走狗(手下)として,まるで「ポケモン」のように安倍派=保守陣営と闘わされているだけなのに,それをさも,正しい事を頑張ってやっているかのように評価するなど…ホンットに吐き気がするほどオバかな見解です.
師匠の談志師匠はもっと人間の機微を理解する立派な方だったのに,ホント,情けない…
が,今の世論の中には,こういう志らくと同様の印象で石破氏を「見直す」流れがわずかなりとも加速することとなるでしょう.
ホントに馬鹿馬鹿しい話です.
何と言っても繰り返しますが,石破氏は『どんな事情があったとしても収支報告書に記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない』と言明したにも拘わらず,自分と自分のバックの岸田氏については,不問に付したわけですから….
いずれにせよ,これからしばらく馬鹿馬鹿しい展開が次から次へと展開されるでしょうが…何とか,生き残るべき政治家の方々には,しっかり生き残っていただきたいと,心から祈念致します思います(もちろん,潰れるべき政治家は潰れりゃいいとは思いますがw).
ではまた!
追伸:石破氏がどれだけヤバいか…当方の「編集長日記」でこれまで何度も書いて参りました.是非,ご一読下さい!
【石破茂はニセモノである.ご注意下を】対中国の外交姿勢から明らかになった<石破茂の真実>
https://foomii.com/00178/20240924004848129497
石破氏はなぜ,前言を翻し「解散選挙」を宣言為たのか? ~その答えは「ゲーム理論」で考えればいとも簡単に理解できる~
https://foomii.com/00178/20241001090521129817
【自民・国会議員の皆さんへ】(国民は気付いている!)石破議員につくと、アナタがヤバくなるこれだけの理由
https://foomii.com/00178/20240925204339129585
石破茂氏は典型的「緊縮財政」論者.公約で「デフレ完全脱却」を掲げるも,結局「口だけ」に終わるという評価が専門家筋の一般的観測である.
https://foomii.com/00178/20240914114647129164
【国民を舐めるな!】「自公」過半数割れは十分想定内.そうなれば,石破内閣は史上最短の短命内閣となり菅・石破・森山は嬉々として「泥船」に乗った事になる.
https://foomii.com/00178/20241005134135129993
【藤井聡】『どんな事情があってもパーティ券収入不記載はダメだ』と言いながら,バックの岸田氏と自分の不記載は不問に付すような姑息な石破氏には「共感」も「納得」も絶対無理である.への1件のコメント
2024年10月8日 11:15 PM
私は経済さえある程度うまいことやってくれていればうるさいことは言わない口です。裏金とか興味もありません。
「俺たちの税金が裏金に!」
俺たちの税金は回収されて国庫短期証券と相殺されて消滅しているだけです。税は何かの財源にするために存在しているわけではないんですよ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2023年11月8日国会質疑
鈴木財務大臣
「過去の税収増、これはもう当初予算でありますとか、補正予算の編成を通じまして、主として政策的経費や、国債の償還に既に充てられてきておりまして、仮に減税をしなかった場合と比べた場合には、国債の発行額が増加することになる」
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岸田総理大臣が「税収増を国民に還元する」と打ち出した所得減税をめぐり、鈴木財務大臣は8日の国会で、過去の税収増分はすでに支出されており、減税した場合は国債発行額が増加するとして、還元の原資はないという認識を示した。
”つまり、俺たちの税金は回収されて即・国債の償還で消滅しているだけで、何らかの政府支出の原資になっているわけではない”
ということです。
最近は国会で鈴木財務大臣がせっせとゲロってくれているのだから、そろそろ国民も理解してあげてもいいんじゃないでしょうか。
私は「裏金に興味はない」と言いましたが、30年も長期経済停滞をしているのに、その間、何をしていたのかと思えばそんなことだったのかと思うとガッカリはさせられます。
まあ、仕方がない所もあります。この間の東京都知事選を見ればわかるように、TVに取り上げられている候補に票が集まっているのが分かります。まあ、要するに誰も政策の話なんて聞いちゃいないってことですね。ただの人気投票です(苦笑い
人気投票なので、くそほどTVに取り上げられる人物や芸能人が圧倒的に有利というわけですね。そこに議論はない。
”この状況を覆して政策を知ってもらおうとするなら、くそほど金を使って自分で自分を宣伝をするしかない”
ってわけです。政治にカネがかかるっていうのは国民の政治への関心の低さの裏返しでもあるわけですね。わざわざ宣伝しなくても国民が自ら候補者の政策を知ろうとしてくれるなら、わざわざ金を使って宣伝なんてする必要はないのです。ちなみに、どこの党の政治家もある程度「新興宗教団体」と関係を持っていますが、それは教祖様とだけ仲良くしておけば、信者の票(団体票)が確実に手に入るからでもあります。投票率が低いと組織票がものを言いますが、構造改革で中間組織(農協や郵便組合など職業組合)を弱体化させてしまった今、もっとも有力なのが新興宗教による団体票ってわけですね。
ところで、須藤元気さんが東京15区から出馬することを決めたそうです。現在の日本の政治は上で述べたような惨状ですので、政党にも所属せず、特定の新興宗教団体との関係もなく、強力な資金源もない個人での出馬となると相当不利になるかと思いますが、先の選挙では小池都知事と都民ファーストの会に応援されていた乙武候補を破るなど大健闘をしていたので、今回も期待しています。
須藤元気さん「日本国民は真面目な人が多い。その人たちがこれだけ頑張っているのに30年間も経済停滞しているのはどう考えてもおかしい。とにかく、国民生活をなんとかしたい」
是非、当選していただきたい。
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