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2023年3月8日

【藤井聡】日本再生には「インフラ」の力が絶対必要で、そのためには幅広い国民理解が必要不可欠。ついては皆様、新番組『ももいろインフラーZ』、是非ご視聴下さい!

From 藤井聡@京都大学大学院教授

こんにちは。表現者クライテリオン、編集長の藤井聡です。

こないだの日曜日の3月5日、朝11時から東京MXテレビで国民的アイドルグループ「ももいろクローバーZ」さんがインフラ戦士として大活躍する、本邦初のアカデミック・インフラ・バラエティ「ももいろインフラーZ」の特別番組の第二回目が放送されました。その直後には、番組内容をノーカットでお届けするオフィシャル動画が配信されました(https://www.youtube.com/watch?v=IalpvbVdJM4&t=2524s)。

この番組は4月からは、隔月のレギュラー放送されることも決定したのですが、今回の放送は、それに先立つ特別番組として放送されました。

で、今回のテーマは、インフラの王様、とも呼ばれる『道路』がテーマ。技術的な内容についての監修は当方が行った一方、番組づくりは全てMXのスタッフさん達にご対応頂いたのですが、改めて放送された番組を見て、監修した当方の目から見ても「バラエティ番組」として普通にとても楽しめる内容で、自然と道路の必要性やその歴史が頭に入ってくる、という番組構成で、とても素晴らしいものに仕上がっているものと、改めて感じていた次第です。

ついては是非、メルマガ読者各位も、一度ご覧頂けますと同時に、回りの方にも是非、積極的にご紹介・拡散願えると大変嬉しく思います。
https://www.youtube.com/watch?v=IalpvbVdJM4&t=2524s

そんな番組について先日、いったい一体どういう意図、そしてどういう経緯で放送されるに至ったのかについて、当方のメルマガ『表現者クライテリオン編集長日記』https://foomii.com/00178)にて詳しく解説したのですが、今日はその記事内容を抜粋したものを、下記にご紹介したいと思います。下記是非、ご一読ください!

『本邦初のアカデミック・インフラ・バラエティ「ももいろインフラーZ」が始まります、「日本再生!」のために是非、ご視聴と拡散、ご協力お願いします!』

この番組は、道路や鉄道、ダムや堤防といった「インフラ」の必要性を幅広く国民に理解してもらい、それを通して、この民主体制の中で、政治・行政がインフラを「適切」に整備していくことを進めてもらいたい……という『思い』『願い』に基づいて作成され、放送されるに至ったものです。

なぜそんな思いや願いがあるのかというと、必要な道路や新幹線がないからこそ、疲弊し続けている地域が全国各地にあり、必要なダムや堤防がないからこそ、次の地震や台風で破壊される街々、命を失う人々が全国各地で夥しい数に上る状況があることを知っているからです。

『そんな地域や都市の疲弊や災害を回避し、人々の命を暮らしが危機にさらされている状況を何とかしなくてはならない、そしてそれが出来る力を持つのがインフラに携わる我々専門家(である当方や土木技術者、建設官僚達)である、にもかかわらず手をこまねいて何もしなければ途轍もない「不作為の罪」になる。そんなのは犯罪のようなものだ……既に人や町を救う力を持っている我々には、人を救う責務があるんだ、だから、なんとかインフラを通して人々を救わねばならない

と、考えているのです。

それはまさに(この番組で、ももクロさん達が『就任』しておられる)「インフラ戦士」と呼ぶべき存在です。それは以前のメルマガでご紹介した石碑に土木関係者が「平和の戦士」と書かれていた事と同じですね(https://foomii.com/00178/20230221101443105847)。

そんな「インフラ戦士」にとってみれば、「コンクリートから人へ」等のスローガンで、インフラが徹底的にディスられ、挙げ句にあらゆるインフラ・プロジェクトが滞る事態は、我が身を斬られる程にツライ話となるのです。戦士にとって最もツライのは、戦に敗れ、守るべきものが蹂躙されてしまうことだからです。

実際、数年前の熊本豪雨の時、民主党政権期の「コンクリートから人へ」のスローガンのあおりを受けて中止してしまった川辺川ダムが無かったせいで洪水となり、多くの方の命が奪われる、ということがありました。この時、当方のみならず、インフラに関わる多くの方が大変に悔しい思いをすることがありました。

当方は、こうした「過ち」を繰り替えさないようにどうすべきかという問題意識を持ち続けた結果、一般の国民にテレビで、インフラの必要性を幅広く知ってもることが、何よりも大切ではないかと考える様になりました。そしてそのためには、堅い番組でなく、バラエティの形式がベストだと考えてきました。そうでないと、幅広い層に届けることができないからです。

そしてこれまで、かれこれ20年にわたって、そういう「インフラバラエティ番組」ができないかを、様々な関係者と調整を図ってきました。

しかし、番組設置に至るまでは、様々なハードルがあり、何度も何度も、その試みは失敗に終わってきました。

まず、放送局側に、我々と同じ「志」をもっていただけなければ番組は成立しません。実は、このハードルがなかなか高く、様々なルートでトライしたのですが、いつも上手くいかなかったのです。

そして、テレビ局以外でも、この番組の主旨に対する民間の方の賛同者がおられなければ、やはり、番組は成立しません。

しかし多くの民間関係者は、こういう「インフラバラエティ番組」のコンセプトに総論では賛同されるのですが、具体的な各論になるとなかなか賛同いただけないということが一般的状況でした。

同じく、行政関係者の協力も、番組成立には必須になります。なぜなら、インフラの管理も整備も、行政が行っている例が大半ですので、行政関係者の協力がなければ、取材や現場撮影が不可能となるからです。しかし、行政の場合は「バラエティ」という要素がネックとなるケースがあり得るわけです。

さらには、バラエティ番組を作成するにあたって必要な、出演者の賛同も得られなければ、以上のハードルがクリアできても、最終的に番組は成立しません。

とりわけ、こういう番組は、あくまでも幅広い国民の皆様にご覧いただくことが必要ですから、放送後(例えば、当方の『東京ホンマもん教室』のように)、いつでもどこでも、ネットさえ繋がれば視聴出来る「youtube動画」の形で、番組内容を閲覧出来るようにすることも極めて重要だと考えていたのですが、これが意外と、様々なコピーライトの関係で不可能となるのが一般的なのです。

20年間、「インフラバラエティ番組」の成立に向けて関係各位と相談してきた結果、こうした実に様々な課題があることが分かってきたのですが、そんな相談を続けながら、ひとつひとつ、その問題を乗り越える、その乗り越え方が見えて参りました。

ここではその詳細はまたの機会譲りますが、当方が番組を持たせてもらい、持続的に番組作りについて相談を続けてきた東京MXテレビさん、これまで経済の問題についてゲストに呼んでいただいた事を契機としてお付き合いのあったももいろクローバーZさんに、「インフラバラエティ番組」を通して幅広い国民に対するインフラについての適性な理解の促進という主旨の重要性について、深く賛同いただき、大きく前進する事になりました。

とりわけ、この番組主旨について「総論」だけでなく「各論」について賛同いただける関係者が官民双方で着実に増えていったことが、今回の番組成立に向けて重要な契機となりました。
※番組の関係者については、こちらのオフィシャルHPを御参照下さい↓
https://s.mxtv.jp/variety/momoiro_infra_z/

こうして、テレビ局、ももクロさん、そして、官民双方の関係者のご賛同、ご協力を経て、「治水」についての第一回特別番組、
https://www.youtube.com/watch?v=I6cF2pa9xjU&list=PLkZ0Cdjz3KkjvPB05714d1uGBf27-jsam&index=2&t=2627s
「道路」についての第二回特別番組
https://www.youtube.com/watch?v=IalpvbVdJM4&t=2524s
を放送することができ、そして今年4月から、隔月でレギュラー放送が確定するに至った次第です。

関係各位の皆様に、心からの深謝の意を表したいと思います。
ありがとうございます。

……そして何より、この番組の中身は全て、MXのスタッフが作り上げるもの。当方は技術的な側面の監修をしていますが、その技術的内容をどう伝えるのかは全て、スタッフの差配にかかっています。

そしてその点については当方、バラエティ番組として面白おかしくまとめつつ、インフラについての重要な情報やメッセージ、歴史や物語がしっかりと伝えられる番組作りをして頂いているものと、スタッフの仕事を高く評価しています。

そしてそうした高い評価は、当方のみならず、官民あわせた官民関係者、そして一般の視聴者の方も同様に持っておられることを様々に耳に目にしています。

それだけの質の高い番組を作って頂いているテレビ局スタッフに対しても、改めて深く感謝申し上げたいと思います。

……

こうした様々なご関係の皆様のおかげで、番組がテレビで、そしてyoutubeで放送・配信されるに至っているわけですが、折角の良質な番組も、ご視聴頂く皆様がおられなければ、「インフラを通した日本再生!」という目標は達成出来なくなってしまいます。

ついては、本メルマガの皆様には是非、テレビ、あるいは、下記URLから、本番組、ご視聴頂きたいと思っております。お忙しい中恐れ入りますが、是非、下記番組、ご視聴頂きたいと思います。

「治水」番組 https://www.youtube.com/watch?v=I6cF2pa9xjU&list=PLkZ0Cdjz3KkjvPB05714d1uGBf27-jsam&index=2&t=2627s
「道路」番組 https://www.youtube.com/watch?v=IalpvbVdJM4&t=2524s

その上で是非、ご家族やご友人、同僚や部下の皆様などに、本番組を視聴いただくよう、できるだけ積極的に『拡散』いただけますと、なお有難く存じます。

そして、4月2日から始まるレギュラー放送についても是非、お楽しみにしていただけますと幸いです。
https://s.mxtv.jp/variety/momoiro_infra_z/

この「インフラバラエティ番組を通した日本再生プロジェクト」は、

第一に、関係各位の協力による番組制作体制の構築、
第二に、TV局スタッフによる良質な番組制作、そして、
第三に、幅広い国民の皆様の協力による『ご試聴』、

三位が一体となって初めて成就するものです。ついては、本メルマガ読者の皆様におかれましても、是非共ご協力賜れますよう、お願い申し上げます。

どうぞ、よろしくお願い致します!!

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【藤井聡】日本再生には「インフラ」の力が絶対必要で、そのためには幅広い国民理解が必要不可欠。ついては皆様、新番組『ももいろインフラーZ』、是非ご視聴下さい!への3件のコメント

  1. 利根川 より

     財政健全化はデフレ圧力を発生させてインフレを抑止する効果があります。

    このため、インフレが懸念されていた頃には、財政健全化は正しい政策と言えました。しかし、デフレであるならば、財政健全化はデフレをかえって悪化させるのでやってはいけません。

    インフレでは財政健全化をすすめ、デフレでは財政赤字を拡大する。これが臨機応変の正しい政策です。
     
     ところが、インフレの逆のデフレになろうが、消費税増税で景気回復に失敗しようが、巨額の財政出動が必要な金融危機、大震災、パンデミックが起きようが、日本政府は頑として財政健全化の旗を降ろそうとはしませんでした。
     新聞では、

    「財政健全化をしないと、国債の金利が上昇して財政破綻する」

    などという”空理空論”が紙面を踊ってきましたが、過去三十年間、政府債務の累積とほとんど反比例するかのように国債金利は下がり続け、ほとんど0%にまでなってしまいました(笑

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      1. 利根川 より

         さて、3月9日読売新聞夕刊の寸評に

        星の観察に気を取られ、うっかり井戸に落ちた天文学者に通りがかりの人が

        「そらのものは見るのに地上のものは見ないのかい」

        と声をかけたという寓話が紹介されていました。空理空論を吐くくせに人間として当たり前の事ができないような連中に適用される寓話だと紹介してガーシー議員がそれに当てはまると締めくくっていました。
         こういうからには読売新聞は「人間として当たり前のこと」は当然のようにできるものと推察します。

        東京地方裁判所 平成元年(ワ)5194判決 消費税についての判決

        消費税法等が事業者に徴収義務を、消費者に納税義務を課したものとは言えない。

        報道(人間として当たり前の事)やったら?

        返信

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        1. 利根川 より

           第二次大戦中は軍部について「大本営発表」をくりかえし、戦後はGHQの靴をなめて「お米を食べるとバカになる」などと報道し、今は財務官僚のケツをなめて「財政破綻論」などという空理空論を振りまいている。
           徹底して

          強い方に付く

          というブレない所はある意味立派ですが、そのくせ立場の弱い者をみつけては小突き回すという姑息なことを繰り返している。「人間としてあたりまえ」というのがこういうことを指すのであれば当たり前じゃなくて良かったと心から思います。
           インフラといえば大石久和先生ですが、彼も元は財政破綻論を信じていた口だそうで。しかし、その間違いを認め、いまはインフラ整備のための財政出動を訴えているわけです。己の間違いを認められる者と認められない者、この差は何なのか。
           わたしは、大石先生が自分のプライドより重いものを背負ってきた方だからだと思っています。

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