日本経済

2019年3月13日

【藤井聡】「財務省設置法」は「憲法13条違反」である。

From 藤井聡(京都大学大学院教授)<br />

皆さん、こんにちは、
表現者クライテリオン編集長、
京都大学教授の藤井聡です。

当方は、これまで長年、
財務省が金科玉条に据える
「プライマリーバランス(PB)黒字化目標」
は、日本の国益を大きく毀損するものだと、
何度も何度も繰り返し解説して参りました。

(例えば拙著『プライマリーバランス亡国論』
をご参照ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4594077323

プライマリーバランスとは、行政政策についての
財政の「収支」
を言います。

これを、
「『機械的』に黒字化する」
ということは、
「政府が使うオカネを、『税収』以下に、機械的に減らす」
ということを意味します。

しかし、今のデフレ不況下での日本で、
そんなことをすると、確実に不況が悪化します。

だから、デフレ下では、
「PB黒字化目標」など気にせず、
デフレを脱却するまで、
しっかりと財政支出を拡大する必要がある、
わけです。

しかし、そうした議論は、
現在の政府において
一切、考慮されませんでした。

その証拠がコレです・・・

当方は、このグラフを自分で改めてつくってみて、
戦慄を覚えた次第です・・・

我が国の行政は、

ここまで完璧に、
税務省の「緊縮主義」に支配されてたんだ・・・

ということを改めて深く理解したのです・・・

しかし、実を言うと、
こうなっちゃうのも、致し方ないのです。

なぜなら、

財務省の役人の皆さんは、
法律で定義されている仕事に、
真面目に従事しているに過ぎないから

です。

そもそも、財務省の「設置法」には、
財務省の仕事とは、次のようなものだ、と、
書かれているのです。

財務省設置法 “第一章 第三条 (任務)
『財務省は、健全な財政の確保、
適正かつ公平な課税の実現、
税関業務の適正な運営、
国庫の適正な管理、
通貨に対する信頼の維持及び
外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。』

・・・当方、この条項を見たとき、
先のグラフを作ったとき以上の戦慄を覚えました。

なぜなら、この「財務省設置法」は、
「憲法13条」に、明確に違反しているからです!!

憲法13条というのは、次の条項です。

『すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、
立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』

つまり、憲法13条は、
政府は、国民の幸福を守る義務を負う、
ということを規定しているのです。

にも拘わらず、
財務省の設置法に書かれている「健全な財政の確保」
を真面目に目指せば、
(少なくともデフレ下では)
国民が確実に不幸になるのです!

例えば、安倍総理大臣は、
次のように、国会で答弁しています。

「予算を半額(にすれば)・・・黒字化する・・・・
(しかし)経済は最悪になる」

(2017年3月1日参議院予算委員会・安倍晋三総理答弁)

これはつまり、(例えば、PBを守るために無理して)
予算を削れば、経済が最悪になり、
国民は不幸のどん底に落ちる、
というお話をされているわけです。

つまり、「財政の健全化」は、
日本全体の中の一部の「政府の財布」についての話であり、
それと、国家「全体」の幸福とが一致するわけではないです!

「政府部門の財布」が豊かでも、
国民が不幸のどん底に落ちることもある
のです。

(念のために付言しますが、
政府の財布が豊かなことが、
国民の幸福に一致することはあります。
しかし、両者は「常には一致しない」のです)

だ・か・ら、

財務省の設置法の理念から言うなら、
財務省は、国民の幸福については頓着する義務がなく、
政府の財政のことだけを考えることが許されているのです。

し・か・し

それは、憲法違反なのです!!

国民の皆さん、
憲法違反の財務省設置法を、
改定すべく、今すぐ、全力を傾けましょう。

さすれば、優秀な財務省の官僚の皆さんの能力を、
全て「政府の債務」のため「だけ」でなく、
「国民のため」に活用することが可能となるでしょう。

日本国民のため、日本国家のため、
(そして、財務省の官僚の皆さんに、
気持ちよく仕事してもらうためにも!)
財務省設置法の改定運動に、全力を傾けましょう。

追伸:

こうした「真実」をしっかりと議論するためにも、
是非、言論誌「表現者クライテリオン」を定期購読ください。
(定期購読は10%割引差し上げます!)
https://the-criterion.jp/subscription/

—発行者より—
総理「政権中にこれを破棄できなければ、日本はオシマイ」

三橋貴明と総理との会談時で明かされた真実。

●総理が、三橋との会食をオープンに
(世に公開)してまで国民に伝えたかった事とは…?

●この会食で明らかになった、
私たちの邪魔をする[3つの敵の正体]とは?

●2020年に訪れるかもしれない
日本の危機的状況とは一体何なのか?

日本が発端となり、
2008年のリーマンショックが再来する?

などなどメディアが決して報道しない
「安倍総理の告白」と「日本経済2020年危機」
について解説した書籍を出版致しました。

こちらから詳しい内容をご覧ください。
https://keieikagakupub.com/38JPEC/1980/

関連記事

日本経済

【藤井聡】「プライマリー・バランス亡国論」、その7つの理由

日本経済

【藤井聡】「プライマリー・バランス」という不道徳

日本経済

【藤井聡】「所得」ターゲットへと転換した「アベノミクス2.0」

日本経済

【三橋貴明】本当の意味の「将来世代の悲劇」

日本経済

【三橋貴明】パソナグループ取締役会長の竹中平蔵氏

【藤井聡】「財務省設置法」は「憲法13条違反」である。への11件のコメント

  1. たかゆき より

    優秀な財務官僚の 皆様

    は、、

    インフレを制御する 能力を お持ちにならない

    あるいは その事実が公になることを 

    恐れている

    ので、、、

    緊縮 デフレ政策を継続している と

    小生は 邪推 ♪

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

      1. たかゆき より

        愚かな 私どもは

        インフレを コントロールする術を

        学んだことも ございませんし

        持ち合わせても おりません と

        カミングアウト なされば

        楽に 逝ける だょ。。。

        返信

        コメントに返信する

        メールアドレスが公開されることはありません。
        * が付いている欄は必須項目です

  2. たかゆき より

    いっその こと

    己の職を AI様に

    お譲りに なっては いかが かな ♪

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

      1. コメントに返信する

        メールアドレスが公開されることはありません。
        * が付いている欄は必須項目です

  3. コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  4. tomy より

    甘いと思います。
    財務省設置法がここまで惨事を引き起こすのであれば、
    これを廃止、改定するのに財務省側から声が上がらなければならないはずです。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  5. 匿名 より

    憲法に違反しているからダメという発想に共感しかねます。
    70年以上前に現在の状況を想定出来たのでしょうか?
    憲法を作ったのは神様か何かでしょうか?

    憲法信者の思考停止に見えます。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  6. 赤城 より

    財務省は日本を永遠にGDP停滞させるために作らせられた
    日本自滅コントロール装置。
    アメリカはじめとする宗主国様たち飼い主たちに
    嵌められた最悪の首輪です。
    これさえあれば日本の生殺与奪、衰退コントロールは思いのまま
    政治家を操るより恒久的に組織的に安定的に国家を支配し、
    その中に他国の工作組織がそのまま居座って日本を操作する事も
    余裕で出来ます。実際起こっていることを見れば
    工作組織そのものの巣窟状態でしょう。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  7. 藤井先生
    財務省設置法3条および財政法4条を同時に変える必要があると思います。それらの改正案を示します。

    財務省設置法3条を「財務省は、富国強兵および国民生活の向上のための財政運営、財政運営に整合かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保並びに造幣事業及び印刷事業の健全な運営を図ることを任務とする。」と改正する。

    財政法第4条1項を、「国の歳出は、インフレ期には、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」に改正する。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  8. コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

まだデータがありません。

まだデータがありません。

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】最も少子化を推進した内閣総理大臣

  2. 日本経済

    【三橋貴明】電力は生命維持装置

  3. 日本経済

    【竹村公太郎】不思議な日本共同体(その5)東京の消費を...

  4. 未分類

    【施 光恒】公開シンポジウムのお知らせ(中野剛志氏来る...

  5. 政治

    【藤井聡】保守の、保守による、保守のための「安倍晋三総...

  6. 日本経済

    【三橋貴明】裏切りの国民

  7. 未分類

    【三橋貴明】日本人はどこから来たのか?

  8. 政治

    【小浜逸郎】リベラリズムの退廃

  9. 日本経済

    【藤井聡】さぁ、今から「減税運動」を始めよう!

  10. 政治

    【室伏謙一】過剰な「観光依存脳」が地域を、地域経済を破...

MORE

タグクラウド