政治

日本経済

2018年12月7日

【三橋貴明】水を売った日本政府

From三橋貴明

 

『グローバリズムのトリニティ①』三橋貴明 AJER2018.12.4
https://youtu.be/gbihwGhHhbo

三橋TV第25回【緊縮財政が日本国民を殺す理由】
https://youtu.be/LoTdFN2nKpE

国土交通省の調査によると、
水道水が飲める国(地域)は、

欧州ではフィンランド、
スウェーデン(ただし、ストックホルムのみ)、
アイスランド、アイルランド、ドイツ、オーストリア、
クロアチア、スロベニア、

アジアからは日本とUAEのみ、
アフリカから南アフリカ、モザンビーク レソトの三カ国、

そしてオーストラリア(ただし、シドニーのみ)、
ニュージーランドの計15か国のみです。

スウェーデンやオーストラリアは
一部地域限定なので、国全体で考えると
13か国のみということになります。

日本の水が優れているのは、

自然環境的条件に加え、現場の水道マンたちが

「安全な水」を提供するために
奮闘してくれているおかげです。

ここで、公務員の水道マンに対する
感謝の気持ちではなく、

「あいつらろくに働いていないじゃないくせに、
給料もらっているじゃないか」

と、マスコミ的なルサンチマン、反発を抱いた人は、

どうぞ水道の水を飲まないで、
井戸でも掘ってください。

我が国は、国民が「安全な水を安く入手する」
という基本的人権が満たされる国であり、

水道民営化の必然性は全くありません。

水道管が老朽化しているというならば、
単に政府が建設国債でおカネを調達し、
交換していけば済む話です。

何しろ、水道とは
今後の日本国民も使い続けますから、
国債+投資で問題を解決しても一向に構わないのです。
といいますか、そうするべき性質の支出です。

ところが、我が国の政府は
「水」をビジネス化、金融化し、
外資(ヴェオリアなど)を含む企業に
売り飛ばそうとしています。

『水道法改正案、参院を通過 自公は本会議で賛成討論せず
https://www.asahi.com/articles/ASLD4750JLD4ULBJ01H.html

水道事業を「民営化」しやすくする
水道法改正案が5日午前、
参院本会議で与党などの賛成多数で可決された。

水道の民営化は海外で失敗例が多く、
野党側は民営化部分の削除を求めてきたが、

週内にも衆院での採決を経て成立する見通し。

改正案は、7月に衆院を通過して
11月に参院で審議入りしていた。

改正案は、経営悪化が懸念される
水道事業の基盤強化が主な目的。

水道を運営する自治体などに適切な資産管理を求め、
事業を効率化するために広域連携を進める。

さらに、コンセッション方式と呼ばれる
民営化の手法を自治体が導入しやすくする。

コンセッション方式は、自治体が公共施設や
設備の所有権を持ったまま
運営権を長期間、民間に売却できる制度。

水道では導入事例はまだない。

自治体が給水の最終責任を負う
事業認可を持ったまま導入できるようにし、
導入を促す狙いがある。

ただ、先行する海外では水道料金の高騰や
水質悪化などのトラブルが相次いでいるため、

改正案では、国などが事業計画を審査する許可制とし、

自治体の監視体制や
料金設定も国などがチェックする仕組みにする。

この日の参院本会議では立憲民主、
国民民主、共産の各党が反対の立場で討論した。

立憲民主党の川田龍平氏は
「海千山千の外国企業を相手に、

難解な言葉で書かれた契約書の中身を
果たして地方議会がチェックできるのか」と指摘。

「政府は、厚生労働省が事前に審査すれば大丈夫の一点張りで、
水質維持と安定供給という本来の公共性をどう担保させるか
という対策はまったくない」(後略)』

民営化の問題点は、小浜先生が
「「新」経世済民新聞」でまとめて下さっています。

【小浜逸郎】水道民営化に見る安倍政権の正体
https://38news.jp/economy/12751

『(引用)(1)今回のコンセッション方式
(所有権は自治体、管理運営権は民間企業)では、

運営権の売却は地方議会の議決を必要とせず、
水道料金も届け出制で決められることになっています。

政府は上限を設けるなどと言っていますが、
水道をめぐる状況は地域によって
複雑で多様なので、それは無理でしょう。

(2)何か問題が起きた時の修復や後始末は、
運営会社ではなく、自治体が解決することになっています。

(3)他のモノやサービスと違って、
消費者には選択の自由が与えられていないので、

企業間の競争が起こりえず、
寡占化が進み、料金の高騰を招きます。

実際、世界の事例では、
ボリビアが2年で35%、南アフリカが4年で140%、
オーストラリア4年で200%、フランスが24年で265%、
イギリスが25年で300%上昇しています(堤未果著『日本が売られる』)。

(4)ビジネスは利益を出さなくてはなりませんから、
そのぶん、料金が消費者に上積みされますし、

利益は株主への配当に流れるので、
現在のようなデフレ下では労働者の賃金低下を招きます。

また採算が取れないとわかったら、
企業はさっさと撤退しかねません。

(5)一度民営化してしまうと、
失敗した時に再公営化するためには、
たいへんなコストと時間がかかります。

(6)一番の問題は、当の推進論者たちが、
なぜ民営化するとこれまでよりサービスが「よい」ものとなるのかを、
積極的な論拠をもって説明できないことです。

今年は災害が多かったので、
彼らはそれに乗じて、「災害時に効率的に対応できるように」
などとひどい屁理屈をつけていますが、
「おいおい、そりゃ逆だろう!」と言いたくなりますね。

擬似ショック・ドクトリンとでもいうべきでしょうか。』

しかも、水道民営化は世界各国で失敗した政策です。
堤未果氏の「日本が売られる」 によると、
世界37か国、235都市で公営化に戻している状況です。

ところが、恐ろしいことに厚生労働省は、
公営に戻した海外の事例について、
わずか3例しか調べていない
のです。

調査は2013年に実施し、
07~10年の事例に限定されたためです。

実際には、235もの事例がありながら、
3例のみを取り上げ、法案を推進する。

我が国は、まさに
「ビッグブラザー」の世界に突入しています。

一度、水道を民営化すると、
そう簡単に公営化はできません。

何しろ、コンセッション契約により最長15年間、
民間事業者は水道サービスを提供できます。

その契約を破棄するとなると、
当然ながら莫大な違約金の支払いが必要になります。

その違約金を誰が払うのか。
もちろん、地元住民です。

しかも、PFI法がすでに改訂されており、

自治たちは下水道や公共施設の運営権を売却する際、
地方議会の議決が不要になっています。

ということは、住民は自分たちの
「主権」「投票」と無関係に

民営化された水道サービスを買い戻すために、
多額の出費を強いられる
ということになります。

ここまでやってくるか!!
という印象ですが、
ここまでやってくるのです、安倍政権は。

取り急ぎ、今回の「水道民営化」の実態を、
周囲の人たちにお伝えください。

繰り返しますが、
我が国はそもそも水道を民営化する必要はないのです。

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【三橋貴明】水を売った日本政府への7件のコメント

  1. 名無しの権兵衛 より

    馬鹿が馬鹿を支持した結果、こうなった。
    馬鹿が政治に参加すると、ロクなことにならない。
    安倍のような狂気が6年も総理大臣をやっている時点で、腐っているのだ。

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  2. たかゆき より

    安晋自民 総買弁

    安倍 自民党 それを支持する 白痴の群れ

    彼等は 未来永劫 売国奴であった と

    称さる 運命にありますね。。。

    ちなみに 小生の周囲の自民支持者

    無知から 醒めつつある者も 出始め

    次の選挙では 自民党にだけは 

    絶対に投票しない とのこと

    早く こいこい 総選挙 ♪

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  3. たかゆき より

    一期は一瞬 汚名は永遠

    売国奴という 賛美(たぶん)を
    永遠に 享受する 快感とは

    そんなにも 素敵なもの
    なのか

    しら ん ♪

    返信

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  4. 日本晴れ より

    新自由主義的な政策は日本の良い所を次々と破壊していく
    せっかく安全に水を飲める日本の水道水なのにそれを破壊していく
    こういうので分かるのは新自由主義は人を幸せにしないって事ですよね。

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  5. 利根川 より

    あ…ありのまま 今 起こったことを話すぜ

    デフレ期の増税
    米国カジノ王の為のIR法案=カジノ法案
    リクエストされるままに支払ってしまう慰安婦問題日韓合意
    外資保険会社の為の農協改革(準組合員共済市場の売り渡し)
    海外の遺伝子組み換えアグリ企業参入の為の種子法廃止
    外資規制すらない電力自由化
    アフラックなど保険会社の為の混合診療解禁
    働き方改革と言う名の残業代0法案(高プロ制度)
    賃金上昇を抑制するための外国人労働者受け入れ拡大
    フランス水企業の為の水道民営化(世界では再公営化の流れ)
    対中で米国と協調と言った舌の根も乾かぬ内に日中通貨スワップ

    保守だとかリベラルだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
    もっと恐ろしいものの片鱗(=ネオリベ)を味わったぜ

    いや、冗談抜きに保守要素がまるで見当たりません。
     第二次安倍政権が誕生した時、竹中平蔵氏がイの一番に政権内部に入ったと聞いて「おかしいじゃないか」と言った所、

    「竹中平蔵に何もさせないために、あえて政権内部にいれたんだよ」

    そう言われました。
     何もさせないどころか、やりたい放題やっているわけですが、これはいったい…
     今回の水道民営化も竹中平蔵さんの肝いりだそうで、与党内からも

    「苦労して国会議員になるよりも、大物政治家と懇ろな関係になって諮問会議のメンバーに入り込んだ方がよっぽど政策に影響を与えられる」

    といった声もあがっているとか。
     政治家と懇ろになって政策を意のままに決定するって…どこのチャイナですか。
     表現者クライテリオン増刊号 藤井聡、高橋洋一、宮崎哲弥対談で「経済政策を権力掌握の方法としてしか考えていない」というお話が出ていました。
     今の自民党が政権に返り咲いたのは保守層と呼ばれる人々が「自民党は保守政党だから」票を投じたおかげだと思います。
     しかし、起こった事だけをみると、保守的な政策などまるでないわけで、どうも「保守という言葉」を権力掌握の道具としか考えていないように感じるのは私だけでしょうか。
     こんな事を言うと保守分断を狙ってるとか言われてしまいそうですが、誰も分裂しろなんて言っていません。
     与野党左右問わず、反緊縮、反グローバル(行き過ぎたグローバリズムの是正)で”固まってくれ”とお願いしているわけで…

    自由貿易 規制緩和 緊縮政策

    これを続けているかぎり日本国民の生活は苦しくなっていくばかりです。
     左右問わず、少なくとも支持者を貧乏にしたい政治家はいない”はず”なので、反緊縮・反グローバルこの方針については与野党で一致してやっていただきたいのです。
     有難い事に、色々な方が懸命に言論活動をしてくださったせいか、与党内でも「日本の未来を考える勉強会」だけでなく、少しずつその輪は広がっているようですし、立憲民主も「緊縮・増税による財政健全化」という旗を降ろしました。
     自由党は反緊縮・反消費税、量的緩和推進を主要政策にしているし、日本維新の会も消費税凍結を押し出しています。
     国民民主党は与党主流派とおなじく、相変わらず緊縮・増税・グローバリズムな方針なようですが…
     海外の「グローバル疲れ」にみるように、日本でも言論活動によって少しずつ「転換」が起こっているようですが、中野さんが言うように「時間が足りない間に合わない」のでしょうね。
     今回の外国人労働者受け入れ拡大や水道民営化も、まともに時間をかけて審議をすると国民に「問題がある法案」である事がバレるから、速攻で可決までもっていったのでしょうし…
     最近、政治関連の話題に触れるのが嫌になってきました。

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      1. 利根川 より

        とりあえず、少子高齢化だから人手不足という誤魔化しはやめていただきたい。

        外国人技能実習生が投入されているのは人手不足な現場ですが、

        >>立憲民主党や共産党など野党7党派は3日、失踪した外国人技能実習生を対象に2017年に法務省が作成した聴取票を分析し、最低賃金未満で働いた実習生は67%に当たる1939人とする独自の集計結果を発表した。同省の調査で失踪動機に最賃以下を挙げた実習生は0・8%の22人しかおらず、調査と実態の乖離(かいり)が浮き彫りになった。>>

        誤:少子高齢化だから人手不足

        正:賃金が低い(あるいは休みが少ない)から人手不足

        誤魔化すのはやめていただきたい。
         最近、本当に野党がいい仕事をしている。
         今回の外国人労働者受け入れ拡大についても与野党問わず、何とか思いとどまるようにと活動してくださった議員の方がたくさんいました。
         残念な結果になってしまいましたが、本当にありがとうございました。
         因みに、少子高齢化だからこれからの日本は成長しないというのも嘘なので、そういった誤魔化しもやめていただきたい。
         三橋さんの動画で詳しく解説されていますが、

        <過去20年の生産年齢人口とGDP比 (対96年比、倍)>

                 生産年齢人口   名目GDP
        ギリシャ      0.97倍      1.34倍

        ジョージア     0.85倍      4.08倍

        ドイツ       0.97倍      1.57倍

        日本        0.88倍      1.12倍

        米国        1.19倍      2.16倍

        ラトビア      0.08倍      4.23倍

        日本の生産年齢人口は0.88倍で96年から12%ほど減っている。増えているのはここに出ている中では米国のみ。
        ラトビアは20%も生産年齢人口が減ってしまっている。ジョージアは15%減った。
        人口オーナスロンで言えば、生産年齢人口が減っているラトビアやジョージアは経済成長できないはずだが、なんとジョージアは4.08倍、ラトビアも4.23倍に経済成長している。
        日本は成熟した国だからウンタラ言う人も居るが、そんな事を言ったらドイツとかアメリカは何なのかと。
        そこで、次に上記の国々の16年のGDPと投資総額を見てみよう

        <16年のGDPと投資総額(対96年比、倍)> ※総資本形成=設備投資、公共投資、技術投資

                 名目GDP   総資本形成(倍)
        ギリシャ      1.34倍     0.64倍

        ジョージア     4.08倍     7.42倍

        ドイツ       1.57倍     1.32倍

        日本        1.12倍     0.87倍

        米国        2.16倍     1.90倍

        ラトビア      4.23倍     3.89倍

        ジョージアは20年前にくらべ投資が7倍になっていて、それをもってGDPを4倍にしている(ちょっと効率は悪いようだ)
        ラトビアは20年前にくらべ投資が3.89倍に増え、それをもってGDPは4.23倍に増えている。(ジョージアより効率は良いようだ)
        日本がなぜ経済成長していないのかというと投資が減っているから。
        大事な事なので二回言いますが

        日本が何故成長していないのかというと投資が減っているから

        そろそろ、誤魔化すのはやめにして頂きたい。

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  6. N/K より

    水は命の源。
    下水道ならまだしもコストを理由に上水道を民営化するなど、国民の健康や命よりも金が大事と言うことか。

    ・・・こんな政権が憲法を改正などすればろくなことはない。

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