日本経済

2018年7月16日

【三橋貴明】マッチポンプ

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
作為犯としての「殺人者」たち
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続 作為犯としての「殺人者」たち
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緊縮財政派といいますか、
公共投資否定派のレトリックには、
いわゆる「マッチポンプ」が多々あります。

例えば、日本は公共投資を
97年の橋本政権以降、
ひたすら減らし続けました。

96年に48兆円だった
公的固定資本形成
(公共投資から用地費等を除いたもの)
は、17年は27兆円。

民主党政権時代の11年は24兆円で、
ピークの半分だったため、
安倍政権になって多少は増やしましたが、
それでもピークから
マイナス20兆円強です。

20兆円といえば、
日本のGDPの4%です。

対GDP比で
「GDPになる公的固定資本形成」
を4%も減らしたわけで、
日本のデフレが長期継続しているのは、
当たり前すぎるほど当たり前です。

公的固定資本形成は、
「政府の投資」という
GDPの需要そのものなのです。

公共投資を減らし、結果的に
土木・建設業が次々に廃業、倒産し、
日本の建設業許可業者数は
ピークと比べて23%も減りました。

供給業者が二割以上も減った以上、
公共投資を増やした際に、
一時的に供給能力不足
になるのは当たり前です。

政府は「安定的」に公共投資を
増やすことをコミットし、
土木・建設業が毀損した
供給能力を人材採用や設備投資により
回復する手助けを
しなければなりません。

ところが、公共投資否定派は、

「土木・建設業の人手不足、
供給能力不足が顕著であるため、
公共投資を増やすことはできない」

と、やってくるわけです。

いや、お前たちが散々に
公共投資を否定し、
土木・建設業を痛めつけることを
続けた結果、人手不足、供給能力不足に
陥ってしまったんじゃないのか!

そもそも、世界屈指の
自然災害大国である日本において、
土木・建設業の供給能力が
毀損したことは、
国民を危険にさらす行為です。

それにも関わらず、

「なぜ土木・建設業者の
供給能力が減ったのか」

については頬かむりし、
公共投資拡大を「供給制約」
とやらを持ち出し、
防ごうとするわけです。

中央公論2018年8月号に
掲載された吉川洋の寄稿
「「国難」としての自然災害と日本経済」
において、吉川は神戸港と横浜港の
コンテナ取扱個数が
同じように凋落したことを持ち出し、

『震災をはさんで、
実は日本の港すべてが
目を覆うばかりに
ランクダウンしたのである。

1980年に13位だった横浜港は、
2015年には52位に
まで落ちている。

これは震災とは関係がない。

(中略)

震災による経済活動への
影響を推計するとき、
それは当然に仮定に依存するから、
結果の数字は幅をもって
理解する必要がある』

と、神戸の凋落と
阪神淡路大震災の関係を
否定しようとします。

いやいや、お前たちが主導した
緊縮財政により港湾の整備ができなくなり、
コンテナ船大型化に
対応できなかった結果、
神戸も横浜も凋落したのではないのか。

緊縮財政で港湾整備を抑制し、
神戸港同様に横浜港
(それ以外の港)が凋落した。

それを受け、

「神戸港同様に横浜港も凋落した。
つまりは、阪神淡路大震災は
神戸港凋落の主因ではない。
よって、震災対策は不要だ」

と、インフラ整備を
否定してくるのが「作為犯」
としての殺人者と呼ぶべき
吉川洋ら緊縮財政派なのです。

彼らは、この種の狂った
レトリックを考案する能力だけは、
日本というか世界ダントツに
優れています。

日本国民が緊縮財政派、
公共投資否定派のレトリックの
「虚偽」に気が付き、
積極的に否定するようにならない限り、
我が国の防災や交通インフラの
整備は遅々として進まないでしょう。

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【三橋貴明】マッチポンプへの2件のコメント

  1. TA より

    本当にそのとおりだと思います。
    しかも奴らは、その聞き手の人間性が出来ている人ほど「なら仕方ないか…」と騙されるレトリックを組むのがすごく上手です。
    善性の人を騙す詐欺師みたいな奴らです。
    早急にこいつらを黙らせて「改革」する必要がありますね

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  2. […] でいるのは想像に難くない。2つ目の供給力について、橋本政権以来の公共投資削減で、土木建設業者の数はピークに比べて23%も減少している。どちらも緊縮財政が深く関わっている。緊 […]

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