日本経済

2018年2月9日

【三橋貴明】2017年の実質賃金、対前年比▲0.2%

From 三橋貴明@ブログ

福井県や石川県など、北陸地方の
豪雪災害が続いています。

記録的な大雪となった福井市では、
鉄道網やバスもストップ。

道路も次々に通行止めになっていき、
街全体「孤立状態」に至りました。

福井市内の私立高校は、入学試験を中止。

逆の意味で怖いのですが、この状況で
北陸新幹線は1月6日に一部(つるぎ)が
運行停止になったのみで、
普通に金沢まで走っていました。
(さすがに6日は徐行運転だったようですが)

サンダーバードやしらさぎなどの特急が、
ことごとく終日運休となったのとは対照的です。

北陸新幹線は先頭車両に「スノープラウ」と
呼ばれる「雪かき」がついているのですが、
それにしても凄いです。

北陸新幹線が敦賀まで開通していたならば、
相当に状況は異なったでしょう。

さて、実質賃金。

『17年の実質賃金、2年ぶりマイナス 物価上昇が影響
https://www.asahi.com/articles/ASL266QVWL26ULFA04F.html

厚生労働省が7日発表した2017年の
毎月勤労統計調査(速報)によると、
物価変動の影響を除いた賃金の動きを示す
実質賃金指数が前年を0・2%下回り、
2年ぶりに低下した。

名目賃金は上昇したが、
物価の上昇に追いついておらず、
実質的な購買力を示す実質賃金は減少した。

名目賃金にあたる労働者1人当たり平均の
月額の現金給与総額(パートを含む)は
前年比0・4%増の31万6907円で、4年連続で増えた。

このうち基本給などの「きまって支給する給与」は
同0・4%増の26万793円、賞与などの
「特別に支払われた給与」は
同0・4%増の5万6114円だった。

一方、実質賃金の算出に用いる消費者物価指数は、
電気料金やガソリン価格が上がった影響で
前年より0・6%上昇。

このため、実質賃金指数は
前年より0・2%低下した。(後略)』

原油価格はWTIで見ると、二年前には
1バレル40ドル切っていたのが、
今は60ドルを超えています。

結果、電気料金やガソリン価格が上昇し、
実質賃金が下がってしまった
わけですが、まずは、

「そもそも、外国から輸入せざるを得ない
原油関連を『インフレ率』の評価に含めるのはやめろ!」

と、突っ込みを入れておきます。

少なくとも日本の場合、インフレ率は
(消費者物価で見たいならば)
コアコアCPI(食料・エネルギーを除く総合)
で見るのが正しいと思います。

2017年のコアコアCPIは、
対前年比▲0.1%でした。

つまりは、国内需要を中心とした物価は
上がっておらず、デフレ脱却「道遠し」という感じです。

実質賃金を見る場合は、もちろん
「生活実感」と関係があるため、
コアコアではなく「持家の帰属家賃を除く総合」
で見る方が適切です。

「持家の帰属家賃を除く総合」で見た
2017年のCPIは、対前年比+0.6%。

名目賃金の方はそこまで増えておらず、
実質賃金がマイナスになってしまったという話です。

つまりは、現在の日本は、

(1)
見た目(コアCPIや「持家の帰属家賃を除く総合」)の
インフレ率上昇は、国内需要の拡大ではなく、
外国から輸入する原油価格上昇の影響

(2)
原油価格上昇の影響を、名目賃金アップで
カバーしきれず、国民の貧困化
(実質賃金下落)が続いている

という状況にあることになります。

怖いのは、五年間も政権を担いながら、
デフレ脱却に失敗した安倍政権が、

「インフレ率は(コアCPIで)対前年比+0.5%と、
着実にデフレ脱却に近づいている」

「実質賃金は下がって『見える』
かも知れないが、雇用は改善している」

などと、国民の貧困化を無視し、
財務省路線(緊縮財政)を突っ走る
可能性が極めて濃厚という点です。

とにもかくにも、我が国では多くの
経済指標やデータが緊縮財政に活用される
(都合が悪いデータは無視される)
傾向が強いわけです。

というわけで、一日本国民としては
安倍政権の緊縮財政を押しとどめるためにも、

「インフレ率上昇は原油価格上昇の影響に過ぎない」

「実質賃金が下がっている以上、
国民の貧困化は続いている」

と、声を大にして訴えざるを得ないのです。

関連記事

日本経済

【三橋貴明】日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム(後編)

日本経済

【三橋貴明】アベノミクス失敗でも封印された秘策

日本経済

【三橋貴明】国民貧困化政策

日本経済

[三橋実況中継]肌で感じる安倍政権の最悪の路線

日本経済

【三橋貴明】安倍政権は“未曾有の超緊縮”を今すぐ廃棄せよ!

【三橋貴明】2017年の実質賃金、対前年比▲0.2%への2件のコメント

  1. たかゆき より

    一切唯心造

    「現実」は心の造り出す風景

    禅語だそうですけど、、

    日本経済は ゆるやかな回復基調とか おっしゃる 現政権

    もしも彼等がマトモなら

    狂っているのは 小生

    しかし 数字は正直

    マイナスがプラスに感じられる方々には
    然るべき矯正施設に入所していただくか

    すくなくとも 国政など担当なさらないのが
    賢明かと。。。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  2. 根本和彦 より

    日本経済新聞の2月14日の夕刊は酷かったです!「GDP実質0,5%増・・8期連続プラス28年ぶり・・設備投資がけん引」よく言いますね、経済界は400兆円超える内部留保積み上げ、200兆円超現預金あるのに・・毎年25兆円の現金積み増せるなかで給与増に1兆円しか使わないアホ族です!

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

週間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】デフレの原因ここにあり 〜福田氏「醜聞」騒動が示す...

  2. 2

    2

    【小浜逸郎】福沢諭吉は完璧な表券主義者だった(その1)

  3. 3

    3

    【藤井聡】「財政規準」(クライテリオン)の歪みが導く「危機」...

  4. 4

    4

    【三橋貴明】移民問題の「目的」

  5. 5

    5

    【三橋貴明】文明の生態史観と乙嫁語り

  6. 6

    6

    【竹村公太郎】水の分かち合いの奇跡

  7. 7

    7

    【三橋貴明】安倍"移民受入"内閣

  8. 8

    8

    【藤井聡】いよいよ、「プライマリー・バランス」を巡る攻防が本...

  9. 9

    9

    【小浜逸郎】福沢諭吉は完璧な表券主義者だった(その2)

  10. 10

    10

    【三橋貴明】日本国民の問題

MORE

月間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】いよいよ、「プライマリー・バランス」を巡る攻防が本...

  2. 2

    2

    【小浜逸郎】財務省VS総理官邸

  3. 3

    3

    【三橋貴明】続 2018年6月 日本国の運命が決定する

  4. 4

    4

    【小浜逸郎】国家的事業か法的正義か

  5. 5

    5

    【藤井聡】「財政規準」(クライテリオン)の歪みが導く「危機」...

MORE

最新記事

  1. アジア

    【三橋貴明】後戻り不可能な非核化

  2. 日本経済

    【藤井聡】デフレの原因ここにあり 〜福田氏「醜聞」騒動...

  3. 日本経済

    【小浜逸郎】福沢諭吉は完璧な表券主義者だった(その2)

  4. 日本経済

    【三橋貴明】移民問題の「目的」

  5. アジア

    未分類

    【三橋貴明】文明の生態史観と乙嫁語り

  6. コラム

    【竹村公太郎】水の分かち合いの奇跡

  7. 日本経済

    【三橋貴明】安倍"移民受入"内閣

  8. 日本経済

    【小浜逸郎】福沢諭吉は完璧な表券主義者だった(その1)

  9. 日本経済

    【藤井聡】「財政規準」(クライテリオン)の歪みが導く「...

  10. アジア

    【三橋貴明】「文明の生態史観」の再評価を

MORE

タグクラウド