FROM 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/
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【YouTube】
前代未聞!? 黒田日銀の転がる目標とは?
https://youtu.be/0YFk1KbdpQA
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本日は月刊三橋・三橋経済塾合同のシンポジウム・忘年会です。シンポジウムのパネリストは、藤井聡先生、中野剛志氏、そして三橋貴明です。
忘年会のゲストはパネリストに加え、浅野久美様、青木泰樹先生、上島嘉朗先生、齊藤元章先生、さかき漣先生、宍戸駿太郎先生、島倉原先生、施光恒先生、平松禎史先生になります。(予定です。変更になる可能性があります)
シンポジウムの前には、三橋経済塾第四期最終回講義があります。本日のテーマは「単位労働コスト」と「スロー・トレード」です。
さて、本ブログ的には取り上げておかなければならない「FITの正常化」でございます。
三橋は再生可能エネルギー特別措置法に基づく再生可能エネルギー固定価格買い取り制度、すなわちFITに反対し続け、本まで書いてしまいましたが、理由はいくつもあります。
まずは、本FIT制度が東日本大震災という「ショック」後のどさくさで作られた典型的なショック・ドクトリンであること。
さらには、FIT制度が電力安定化には役に立たない再エネを強制的に電力会社に買い取らせ、費用を再エネ賦課金として一般国民に押し付ける典型的なレント・シーキングであること。
外資規制がないこと。
電力を大量に消費する大企業は、再エネ賦課金の負担を減免され、中小企業に負担が集中すること。
太陽光の買取価格が高すぎ、不安定なメガソーラーにばかり投資が集中してしまうこと。
なぜか、FITの買取価格が「発電時点」ではなく、「申請時点」になっているため、申請をした上で、太陽光パネルの価格が下がるのを待つという卑劣な手法が横行すること。また、過去の申請を売買するブローカーが出現してしまうこと(しました)。
ゴールデンウィークなど電力需要が小さい時期にメガソーラーで電気を多量に発電されると、電力サービス全体が不安定化してしまうこと。
再エネ事業者側は送電網の設備について何の負担もせず、負担は電力会社と国民に押し付けられてしまうこと。
需要がないにも関わらず、供給すれば収益を確保できる「美味しいビジネス」であるため、逆に再生可能エネルギー関連の技術投資を停滞させてしまうこと(ドイツではそうなりました)。
などなど。
改めて羅列してみると、よくもまあここまで無茶苦茶な制度を作ったと、呆れてしまうでしょう?
というわけで、著作などの言論活動ではもちろんのこと、エネ庁に対しても直接的に問題点を指摘し、最終的には、
「FITを廃止し、既存の事業者には発電税を導入し、国民から奪われたレントを国民に返すべきだ」
と、訴えてきたわけですが、さすがにここまで酷い制度だと、見直しが進みつつあります。
『未稼働の再生エネ設備、買い取り価格下げ 経産省方針
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H1H_V11C15A2EAF000/
経済産業省は15日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直しで、発電を始めていない再生エネ設備の買い取り価格を引き下げる方針を示した。政府認定を受けながら発電を始めていない数十万件の設備が対象となる見通し。未稼働の設備の買い取り価格を引き下げるなどして、再生エネの導入に伴う国民負担を減らす狙いだ。(中略)
現行制度は、電力会社との買い取り契約が成立していなくても、政府が定めた要件を設備が満たしていれば買い取り対象として認定する。経産省によると、12〜13年度に政府認定を受けた設備のうち36万件がまだ稼働していない。発電できる見通しがないのに認定を得た「空押さえ」も多いとみられる。
経産省は17年をめどに電力会社との契約成立を前提とする新認定制度を始める。未稼働設備のうち、既に電力会社と契約を結んだ事業者は認定を維持する一方、契約を結んでいない設備の認定はいったん取り消す。
経産省は認定を取り消した設備について、事業者に新たな制度下で再取得を求める。導入の9割を占める太陽光発電などは価格が毎年引き下げられており、認定を再取得した場合も価格は下がるという。
12年度に始まった固定価格買い取り制度は、初期に高めの買い取り価格が設定された。再生エネの導入拡大に伴う国民負担の増加が懸念される中、初期の高めの価格で認定を受けた設備を減らすことで国民負担の抑制につなげる狙いだ。』
ちなみに、FITは2012年7月に開始しましたが、15年3月末までに発電を始めた再生エネ設備は計1875万キロワットと、原発十数基分まで急拡大しました。問題は、その9割超が「不安定」で「お天気任せ」の太陽光であるという点です。
太陽光発電という電源を原発百基分にまで拡大したところで、日本のエネルギー安全保障には全く役に立ちません。現在の日本に必要なのは、「最大」を大きくするのではなく、「安定」的に発電可能な電源なのです。
というわけで、本気で再エネを 普及させ、「安定電源」化したいならば、蓄電技術に莫大な投資をしなければなりません。FITは、そんなことをしなくても国民負担で「利益」を事業者にもたらしてしまうため、誰も蓄電技術に対する投資などしません。何しろ、やる必要がありません。
いずれにせよ、今回の経産省の見直し案では「不十分」もいいところで、既存事業者(中国や韓国の企業含みます)に我々の所得が再絵ネ賦課金としてチュウチュウと吸われ続ける構造は変わりません。
引き続き、本問題について取り上げ、政治家や官僚に働きかけていくつもりですので、皆様も是非とも「正しい知識」に基づき、FITの問題点を拡散して頂ければ幸いに存じます。
「日本のエネルギー安全保障に貢献しないFITは廃止せよ!」に、ご賛同下さる方は、
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