全国を講演で回っていると、「日本衰退論」の根深さに愕然としてしまいます。
「日本は国の借金で財政破綻する」
「日本は人口が減るから衰退する」
「日本ではもう賃金が上がらない」
などなど、次から次へと「日本は衰退する」論が登場します。一つをデータに基づき論理的に否定しても、「でも・・・、○○だから」と、懸命に日本を衰退に導くロジックを捻り出そうとする人々に接していると、同情と諦観を覚えてしまいます。
そもそも「国の借金問題」など存在せず、人口は「生産年齢人口」が減るわけで、今後の日本は「インフレギャップ下の生産性向上」により経済成長する絶好の機会を獲得し、しかも生産年齢人口が減る国で、賃金が上がらないなどという事は(移民を入れない限り)あり得ないと、丁寧に説明すると、その件については納得するのですが、すぐに再び懸命に頭を働かせ、日本が衰退・破綻する理由を思いつこうとするわけです。
結局のところ、自虐主義なのだと思います。外国の状況を知っていれば、我が国がどれほど恵まれた国かは分かるわけですが、何しろメディアがまともに情報を報じないため、「日本がダメ」「日本は外国を見倣うべき」と、発展途上国的な自虐思考から抜けられないのです。
例えば、日本のマスコミはスウェーデンが大好きですが、同国の公務員対労働人口比率が30%近く(社会福祉大国なので、当たり前)、犯罪発生率が日本の13倍で、移民人口が2割を超え、
「ヨーロッパで最初に消える国民国家はスウェーデン」
と言われている事実を知っているのでしょうか。スウェーデンの一体どこに、「日本が見習うべき」ポイントがあるのか全く理解できません。
念のため、ネイティブなスウェーデン人は呑気で平和的な善人が多いです。夜中に道端で酔っ払いのオジサンたちが寝そべっている姿や(他国ならば、犯罪の餌食)、長距離鉄道の中で乗客がみんな居眠りしている光景や(同じく犯罪の餌食)、信号のない横断歩道で車が停車する光景は、日本以外ではスウェーデンで初めて見ました。問題はやはり「移民」なのです。
今後、スウェーデンで民主党が政権を取り、同国が反移民に転じたとき、日本のメディアはどうするのでしょうか。それでも「スウェーデンを見倣え!」と主張するならば、三橋は諸手を挙げて賛成するのですが。
何となく、とりとめもない話になり、失礼いたしました。
◆三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。
http://furusato-koshien.jp/
◆徳間書店から「超・技術革命で世界最強となる日本」が刊行になりました!
http://www.amazon.co.jp/dp/4198639442/
◆週刊アサヒ芸能 連載「三橋貴明の列島丸わかり報告書」 第29回「「TPP」と「移民受け入れ策」取り返しのつかない構造改革だ」
http://www.asagei.com/
◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第135回「ギリシャの緊縮クーデター」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/
◆Klug連載 三橋貴明の「経済ニュースにはもうだまされない」 第315回 経済自虐主義からの脱却を
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2015/07/21/024164.php
◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 〜新世紀のビッグブラザーへ〜 週刊三橋貴明 Vol322 セイの呪縛と生産性
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
結局、「経済成長」とは何なのか? セイの呪縛(法則ではないです)と生産性向上について正しく知ることで、初めて完全に理解できます。
◆メディア出演
7月28日(火) チャンネル桜「桜プロジェクト」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520
お待たせいたしました。国際リニアコライダー(ILC)の特別企画が、ようやく放映となります。
7月29日(水) 6時 文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/
◆三橋経済塾
第七回講義が掲載されました。
http://members4.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1114
第八回講義は8月15日(土)。ゲスト講師は齊藤 元章氏(株式会社PEZY Computing代表取締役社長、株式会社ExaScaler創業者・会長)になります。
今度は「土曜日」です。ご注意下さい。
◆チャンネルAJER
『ドイツ第四帝国?』三橋貴明 AJER2015.7.21
https://youtu.be/mR1pvzlOzbU
【メルマガ発行者より】
強制徴用で騒ぐ韓国が仕掛けた罠とは?
月刊三橋の今月号のテーマは、「歴史認識問題」です。
https://www.youtube.com/watch?v=vGLmma-WA14&feature=youtu.be
[三橋実況中継] 「日本衰退論」の根深さへの4件のコメント
2015年7月27日 2:43 AM
一年の半分をタイに住んで12年になるけど、日本は確実に衰退しているな。すなおに世の中をみれば、はっきりわかるな。造船・テレビ・家電・パソコン・携帯情報端末(電話含む)・医療機器航空機・鉄鋼等々の主役はよその国になってしまった。自動車だけが善戦しているけど。日本は尖閣列島のことしか頭にないようだけど、アジア最大の問題は「台湾関係法」だ。それから、安保条約は尖閣列島は対象外だね。それが常識なんだ。同盟というのは、片方の主権が侵された場合に限り発動されるものだ。国境のいさかいは関係しないのが世界の常識。片務条約なんて、世界中にはない。借金1、000兆円についても、誰も、何にもわかっていない。知っていて、誰も何にも云わないのか、それとも、その内容を知らないのか?。GDPって、どういう計算をしているのか、誰も知らない。そんなものを論じるなんて、おかしい。計算方法を学校で教えていない。国によっては、各産業の前年比を何十項目にわたって新聞に一覧表にして発表している。そのほうがよっぽど国の状態が分かる。 以上、76才の年金生活者より、追伸、それから、民法と刑法を義務教育で教えていないのは、おかしい。
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2015年7月27日 12:13 PM
私も日本衰退論を支持する一人ですが、一般のそういう方々とは根拠が違います。ああいう愚かな日本人がこの国の国民の大多数を占めている。つまり、日本人の愚劣さによって日本は衰退するだろう、さういう確信を抱いております。
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2015年7月27日 3:15 PM
多くの普通の人は”否定して欲しい”のだと思います。世論は日本衰退論ばかりが溢れており、1つ否定してもまた別の衰退論が出てくると知っています。少し勉強して誰かに日本は成長すると言ったところで、新聞などを良く読む人からは別の衰退論で黙らされるというった経験することは多々あります。なので、三橋さんに今頭の中にある衰退論を全部否定して欲しい、そして日本は成長すると信じたいという気持ちの裏返しなのではないでしょうか。仰る通りこれは自虐的ですし、衰退論の波に頭と心をやられて「(理由は知らないが)衰退する」と変な確信をしている人も多いですね。ですが、その場ではすぐに納得できなくても後から考えてみて、やっぱり成長すると信じようという人も多数いるはずです。地道にに説得するしかないのに悠長に構えていられないという大変な闘いだとは思いますが、三橋さんの奮闘に多大なる期待を寄せつつ応援しております。
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2015年7月28日 4:08 AM
単純に日本のエリートは育ちが良いんだと思いマウス。小生の様に、酒場で「日本の女は便○だな」と言ってきた米国人と喧嘩になった処、それをたしなめにきた英国人に日本の米国への隷属関係(特に米軍と連動してる異様な自衛隊という存在)を説教交じりに嘲笑されて逆に喧嘩したり、コンビニ前に横付け駐車して爆音煩い車に注意した処、中から数名の南米人が下りてきて殴られたり、夜の繁華街でシナ娘に「マッサージ行くか?アッチもあるよ〜〜」と言われながら、勝手に人のポケットに手を入れられ財布をまさぐられたり、そうした経験が無いのではないでせうか?施先生の仰る「日本の英語化で亡国」こそ、ボク自信が当該英国人から言われた事でもあります。別に偉い人に教えて貰わなくても、BIS規制や大店法改悪や外国人地方参政権や郵政ロスチャ化やTPPや、憲法9条死守が「本質的に」何を意味するのか、勘が働くもんだと思うんどすが…もの言う外国人に逆らって殺されるよりも、もの言わぬ盲目の徒の同胞の死の方が気楽で良いや〜〜位にしか考えてないんでしょうね。こうした日本のエリートを中川昭一先生や石井弘毅先生はどう思っているんでしょうか?また、日本の保守と言われる人達は、自衛隊や大東亜戦争の軍人の死には敏感ですが、この20年の米圧で行ってきた数多くの規制緩和や法改悪の余波で自死等で亡くなってきた普通の日本人の事には冷たいですよね。安保法制賛成デモやる前に、なんで米国や多国籍企業の株主に媚びてばかりいる安倍政権の経済政策に関して批判しないんでしょうか?それをカムフラージュしているんじゃないのか?と逆に勘ぐりたくなります。年金資金をギャンブル投入なんて、まさに保守がテーマとする話題の気がしますが…保守(所謂)に嫌気がさした僕の様な者が結構居て、活動を辞めて無気力になる中、具体的に行動なさっている三橋先生には頭が上がりません。以前、先生が出馬前に、水道橋の居酒屋で名刺を貰いましたが、あの時から、一貫して言論や行動にブレが無い所、尊敬申し上げております。会計の道を途中で挫折した僕にとって、水道橋は嫌な場所ではありますが(笑)、その会計と政治を考えた時、これほど米国の対日要求が浸透してる分野も無いなと思い始めたのも、その時の呑み会でした。三橋さんの事を共産主義者レッテルを貼りシナコリアにばかり適性意識を向ける連中の動きが、今の日本亡国の脅威を形成してるような気がします。以上、長々とスミマセン。
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