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2014年12月8日

【三橋貴明】拡大するデフレギャップ

From 三橋貴明

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【今週のNewsピックアップ】
●財政の崖
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11959989012.html

●拡大するデフレギャップ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11961175825.html

デフレ期に増税をすると、総需要である名目GDPがマイナスになり、デフレが深刻化する。
と、すでに1000回以上繰り返してきたと思いますが、現実に日本が14年4月に消費税を増税し、我が国の名目GDPはマイナス成長に突っ込み、総需要の不足による「デフレギャップの拡大」の局面に入っています。
正直、想像以上のスピードです。97年の増税期と比べると、名目GDPの減少は半年以上も早い時期に始まりました。

名目GDPという総需要が縮小すると、当然の話として「=潜在GDP−名目GDP」で計算されるデフレギャップ(需給ギャップのマイナス)は拡大します。というか、拡大しています。

デフレギャップが拡大すると、企業はリストラクチャリングにより潜在GDPという供給能力を削り取ろうとします。あるいは、倒産・廃業します。結果、失業者が増え、ますます総需要が抑制されるという悪循環に突っ込むのです。

安倍政権は消費税を増税するのみならず、補正予算を削減するという形で名目GDPを抑制しています。「増税」に「政府支出削減」が被さった以上、我が国が「再デフレ化」することは、ほぼ確定的になりました。
ここに、「派遣法改正」「労働時間規制の緩和」「配偶者控除廃止」「外国移民受入」「農協改革」等の構造改革が実施されると、デフレは深刻化します。TPPも同じです。

「規制の緩和」「自由貿易」等、競争激化により生産性を高めることを目指す政策は、デフレ対策ではなく、インフレ対策なのです。NYTのコラムで、ポール・クルーグマンが、
「構造改革は──労働市場をもっと柔軟にして賃金カットをやりやすくしましょうとかって改革は──むしろ不況を悪化させる.なんで? 柔軟性のパラドックスのせいだ:賃金と物価が下落すれば,実質の債務負担がいっそう重くなる.そうすると,需要はさらに押し下げられてしまう.」
(邦訳「経済学1010 「苦しむ日本がとるべき道筋」 2014年11月29日 )と語っていましたが、構造改革は「物価抑制政策」です。インフレ期にはともかく、デフレ脱却を目指す政権が採用するべき政策ではありません。

現在、日本は物価上昇に賃金上昇が追い付かず、実質賃金が下落をしていっています。間もなく、物価の上昇はストップし、名目賃金もマイナスとなる「再デフレ化」の状況に至るでしょう。

コアコアCPIはもちろんのこと、原油価格が下落していることもあり、コアCPIも(消費税増税分を除くと)ゼロに近づくことになります。

政府が、
「緊縮財政は、デフレ促進策」
「構造改革派、デフレ促進策」
という、ごくごく当たり前の「基本」に戻り、全ての政策を「デフレ脱却」の方向にむけるレジーム・チェンジが行われない限り、2015年は日本が「再デフレ化した年」として記憶されることになります。

PS
日本はなぜ、負ける戦いへと突き進むのか?
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【三橋貴明】拡大するデフレギャップへの7件のコメント

  1. 子芥子 より

    共産党についておっしゃるとおり日本に受け入れ難い毒でありそれを利用するとは何事かとの御叱責、もっともであり不愉快、不安な思いをさせてしまった事を心苦しく思っております選挙とは社会を少しでも明るくするシステムでありそういう政党や候補者を選ぶべきなのですがしかし、今回の選挙は異質中の異質で、私はこの選挙は自民勝利に終わりこの国はどう転んでも「修復が不可能な程に悪くなる」方向に向かうと思っております(この1日ごとに悪くなる、未来に「最善」がないという大前提が隔たりかと思います)「問題を生じさせた発想(この場合構造改革路線)によって、その問題を解決する事はできない」とアインシュタイン先生に習い「最善を選択する選挙よりも、最悪を回避する選挙」と捉え消去法にて共産党という、その受け入れ難さから日本中に蔓延することのない毒を呷る事に決めた次第ですこの記事が表示される頃には選挙が終わった後かもしれませんしもう言葉も浮かびそうにありませんので、この件に巻して私からのコメントは最後にいたします

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  2. kanata より

    投票すべきところはない→安倍総理の暴走を止めるために「しぃさん(志位)」、つまり共産党に投票する、というのがあなたの結論な訳ですね。ここまで聞かないと、ただ安倍自民を批判しているだけでは、主張の実態はわかりません。ところで、共産党が反日であり、過激派とつながり、天皇陛下を否定し、国体を破壊しようとする政党であることはご存じですね。反自民により、民主党政権が生まれましたが、共産党政権ならあんな事では済みません。朝日新聞の調査では、共産党は倍増するそうです。それから、次の次の選挙でも、投票すべき政党は現われないかも知れません。常に比較検討して、日本のために最善の政党に投票するしかないのです。長くなって失礼しました。

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  3. 子芥子 より

    以前の記事に駄文をコメントしておりますので参考になれば、、、どこだったかしらorz>「どこに投票すべきか」私が思うに今回ズバリ「すべき所、すべき所はない!!」ないんですこれはせっかく選挙制度がある国民にとって不幸な事であります本来なら構造改革路線の対立軸としてグローバル企業や官僚側ではなく国民側の声を汲み取る保守政党がそこにあるべきなのですが…ゆえに今回、自称保守の皆様にはおかれましては「保守政党と思ったらネオリベだっタブー。入れるところがないチキショウメー」と怒りと落胆にプルンブルン打ち震えていただくのが真の愛国者の姿かと(この怒りと落胆を次の次の選挙で晴らしましょうぞという思いです)ちなみに今回私の投票先は安倍総理の暴走を止める(平たく言えば足を引っ張る)為にしぃさんを利用しようと思ってます長文失礼しました

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  4. 神奈川県skatou より

    現在においてさえ、なにが間違ってるのか認識できない方々は、今後どんなに地獄を味わったとしても新自由主義が現実に不適切なことや、構造改革がデフレ期に逆効果なことが見えない可能性が高いように、自分には思われます。むしろ安直な「悪魔」を思いついて、熱情のもとに哀れなそれを集団で攻め滅ぼそうとする政治的な機運が高まるだけではないのかと杞憂いたします。

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  5. kanata より

    「構造改革や新自由主義を掲げる政党に生卵をぶつける」というのは、例えば今回の選挙においてどのような投票行動を言うのでしょうか?「どこに投票しない」ということではなくて、「どこに投票すべきか」を教えてください。

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  6. 子芥子 より

    本来、保守であれば国家・国民を衰退させる構造改革路線を今そこにある危機 と捉え、真っ先に、そして断固として反対すべきなのに某動画サイトの政治カテゴリーを見るに(私はTVは原則見ませんので)「右のお花畑」と思わざるを得ない、自称保守たちの跳梁跋扈に苦笑しております(安倍総理や新自由主義政党を応援するなんてヽ(*>∀<*)ノ と、かなり小声で)残念ながらこのような危機意識の欠如からの脱却は本当の地獄を見ないと無理なのでしょう次の選挙が終わって益々勢い付くであろう構造改革の暴虐性を自身の骨の髄まで味わい次の次の選挙では構造改革や新自由主義を掲げる政党に生卵をぶつけるぐらい庶民、特に自称保守が強く賢くなるそのような実りのある《地獄の4年》である事を願って止みません

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  7. 岩崎博樹 より

    いつも良質な議論を提供していただきありがとうございます。「デフレとはお金の価値が上がること」という定義があります。何に対してか、というと、「仕事に対して」ですね。賃金は下がって、契約の単価も下がります。これは「他人の仕事に価値を認めない傾向が強まっている」ということでしょう。この言い方だとデフレの実感が湧くのではないでしょうか。「皆さん、営業回りをして情けない思いをしているのではないですか?」と。なぜ「地域商品券」がよくないのか。なぜ「無駄な公共工事をやるぐらいなら5000万人に10万円の商品券を配ったらいい。これが究極の景気対策『イシンノミクス』だ。維新は第三の道を歩んでいく」がよくないのか。まず、円ではなく商品券を配るという点で国民に対する侮辱であると私は思うのですが、大事なことは次のことです。すなわち、国民に「仕事に対してお金を払ってもらう」ようになる効果が薄いということです。上にあげた、橋下徹の「イシンノミクス」なる政策は、見かたによっては10万円分だけ「仕事の価値を下げる」効果すら見えます。橋下徹は「金なんか払ってたまるか、商品券ならくれてやる」と言っているかのように思えます。「地域商品券」や「イシンノミクス」が仕事を生むとは思えない。だから、仕事である公共工事は意味がある。公共工事と商品券を対比させ、仕事の価値を説く、この考えはスッと入ってくるように思えます。

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