From 佐藤健志@評論家・作家
前回の内容を簡単におさらいしておきましょう。
スピンラッドさんの公開書簡は、
ご存知の通り、
というより2010年代の現在、
ですからロシアは、
ウクライナをめぐる対立にしたところで、
プーチンがクリミア半島をロシアに編入させたのは、
ならば、次にプーチンがすべきことは何か?
というわけで、どうぞ。
分かりやすいように、冒頭の部分は前回の最後と多少、
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ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
貴君はほとんど武力を用いることなく、クリミアを取り返した。
(注:クリミアは1954年、
ウクライナ東方の国境周辺には、ロシア軍の部隊が集結している。
といって、貴君にウクライナ侵攻の意図があるはずはない。
ウクライナ、あるいは同国の東部地域を、武力の行使、
そんなことを貴君が考えるわけがない。
貴君にはもっと雄大な目標があるだろう。
すなわちユーラシア連合の構築だ。
ロシア西方のカリーニングラード(注:
北極圏の北部から、コーカサス諸国を網羅し、
ユーラシア連合は、たんにロシア連邦を拡張したものではない。
それはEUにも匹敵する多国家連合体なのだ。
ロシアはそのリーダーとなるだろう。
ちょうどドイツがEUのリーダー格となっているようなものである
まあこの場合、ロシアの果たすべき役割はもっと大きいだろうが。
この構想については、
「ソ連をスケールダウンしてやり直すだけじゃないか」
なるほど、ユーラシア連合は「
イデオロギーなどに頼ることなく、
ユーラシア連合がカバーする領域は、ヨーロッパよりも広い。
関税をめぐる協定を取り決め、統一通貨を採用することで、
ただし単一の国民国家にまとめあげようとはしないことである。
歴史を通じて、ロシアは西方に目を向けたかと思えば、
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
貴君の真意は「
そしてユーラシア連合の創設者として歴史に名を残す、
それこそ貴君の夢に違いない。
夢を実現するためのカギは何か?
1)ウクライナが主権と独立を維持すること。
2)ウクライナに、
この二つである。
ユーラシア連合の中核となるべきは、ロシア、ベラルーシ、
上記四カ国の連帯が崩れたことこそ、
四カ国がふたたび連帯すれば、
だがアメリカに仕切られた西側諸国が、
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
ウクライナがNATOやEUに加盟することは、
そして貴君は、必要なら実力を行使してでもそれを防ぐだろう。
ウクライナ東部国境付近にロシア軍が集結しているのは、
だが外交にはムチと並んでアメが不可欠。
国境付近の軍部隊は貴君のムチだ。
ただしいったん、
EUと、その黒幕とも言うべき国際金融の元締めたちは、
やらせておけ!
西側諸国の横暴に抵抗しようとすれば、「経済危機克服」
(注:ウクライナの対外債務は1400億ドル近く。
追放されたヤヌコビッチ大統領は、
ただしEUはこれに色よい返答を見せていない)
そして貴君が、ロシアとしての対案を提示する。
ウクライナがユーラシア連合に参加すれば、
(注:2013年、
のみならず、
どうやって?
ウクライナからクリミアを買い取る形にすることによってだ!
貴君はロシアの大統領である。
片やウクライナがどうなるかは、
英断を下したまえ。
ウラジーミル・プーチンに告ぐ。
貴君はKGBの出身だ。
相手が断れないようなオファーを提示し、
謀略のプロたる貴君は、
(終わり)
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この公開書簡から学ぶべきものは何か。
ずばり、アメリカとの距離の取り方でしょう。
国家の存立と繁栄を確保するためのオプションは、
日米同盟は、むろん今のところ重要ですが、
かりにユーラシア連合のような組織が誕生したら、
「僕たちは戦後史を知らない」や「国家のツジツマ」
つまりアメリカと一体化したような気分にひたることで、
「僕たちは戦後史を知らない」で、私はこう書きました。
「アメリカへの追従こそ、わが国が『より良い日本』、ないし『
「日本人が敗北の中から勝利をつかむ方法、それは『アメリカ=
(50ページ)
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「国家のツジツマ」における中野剛志さんの発言も引用します。
「(戦後初期は)日本を貧しいままにしておくと、
でも不思議なのは、冷戦が終わってもそうだし、
(191ページ)
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スピンラッドさんの公開書簡は、突き詰めれば「
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