From 三橋貴明
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●これは経済学者のルサンチマンの結果なのか?「EUの闇」とは?
https://www.youtube.com/watch?v=DID9wg3PIVo
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【今週のNewsピックアップ】
●基本計画でエネルギー安全保障を謳いながら・・・
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11915307386.html
●一基、年間900億円
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11916755189.html
角川出版の単行本のお仕事(初期タイトル「ガス戦争」、仮タイトル「原発再稼働で日本経済は大復活する」)がようやく終わりました。何しろ、三橋にとっては初めてとなる「ガス」がメインテーマの一つであり、様々な取材をこなさなければならなかったため、予想外に時間を費やしてしまいました。
現在、日本の電力供給の43%がLNG(液化天然ガス)により発電されています。LNGの輸入が停まれば、我が国の電力サービスの四割強が供給できなくなってしまうのです。
それにも関わらず、日本国民はあまりにもガスやLNGについて無知です。というわけで、本書のメインテーマの一つに「ガス」を選んだわけでございます。
さて、無知といえば、日本国民のマジョリティは原子力発電についても理解していません。PWRとBWRの違いについて、すらすらと説明できる人は、それほど多くは無いでしょう。
(実は、それほど難しい話ではありません。詳しくはTAC出版から刊行した「原発ゼロの真実」をお読みください)
さらに言えば、原子力発電所を再稼働しないことで、電力会社の経営や財務状況がいかなる状況になっているか。何しろ、マスコミがほとんど報道しないため、やはり国民は知りません。
特に、今年の北海道電力が、昨年と同じ規模の赤字を出した場合、債務超過になってしまう危険性があるという事実を知る人は、まずいないでしょう。
北海道電力は、財務的にあまりにも危険な状況だったため、日本政策投資銀行に500億円分の議決権なし株式を発行し、資本を増強しました。とはいえ、原発を再稼働しない限り、出血は止まりません。ここでいう出血とは、外国からの鉱物性燃料の購入のことです。
結局、北電は泊原発を再稼働しない限り、債務超過の恐れが消えないのです。そして、北電以外にも債務超過の危険がある電力会社が、日本には複数存在します。
債務超過になると、電力会社は資金調達が不可能となります。結果的に、電力供給が滞ることになります。とはいえ、現実に電力サービスを止めるわけにはいかないため、電力会社を国営化せざるを得ないでしょう。
いずれにせよ、日本の電力サービスは大混乱に陥ります。
ちなみに、東京電力は13年に黒字を確保しました(黒字にしなければ、銀行融資が停まりかねなかった)。もっとも、実は東電は「修繕費」を大幅に削減し、さらに料金引き上げにより強引に損益計算書を黒字化したのです。
13年の電気料金の総原価の内訳を見ると、東電の修繕費はわずか7%と、全電力会社最低になっています。修繕費を切り詰めるとは、発電所や送電網のメンテナンスをしないということです。こんな状況が、長続きするはずがありません。
九州電力の川内原子力発電所の再稼働について、原子力規制委員会の審査が始まりました。今後、原発再稼働を巡り、様々な情報が飛び交うことになると思います。
というわけで、三橋は今後も原発について「正しい情報」を提供することで、日本のエネルギー安全保障の強化に少しでも貢献できたら、と、考えているわけです。
PS
なぜ、情報の歪みが危機をもららすのか?
月刊三橋の9月のテーマは、「朝日<慰安婦>誤報問題」です。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv.php
【三橋貴明】原発再稼働で日本経済は大復活するへの8件のコメント
2014年9月1日 3:29 PM
原発もいいし、日本にはメタンハイドレードもあるよー。あと、地球には石油はまだまだたっぷりあるらしいし。海での発電も有望らしいですね。原発はいいカードだけど頼りすぎずに、足元を見られないように、いろいろなカードを持つことがいい作戦ですよね。
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2014年9月2日 9:40 PM
いや〜知的な薫りの漂う文章ですね。先般は無礼ですみませんでした。話が難しい感じがするので、そろそろ退散しますね。ところで、失われた20年は米英中が日本に仕掛けたハニートラップが原因だと私は見ています。それでデフレ策がとられ続けたのです。日銀のトップや高級官僚がお色気作戦をしかけられたのです。お色気以外にもいろいろあった事でしょう(証拠なし)。半分ふざけてますが半分本気です。あと、経済復興とか産業再生とかは力まずに、政府は放っておけばいいと思っています。余計なことをせずに、ゆるやかなインフレをキープさせるだけでいいのではと思います。(金融緩和・・・アクセル 増税・・・ブレーキ)なお人間は単純により良いものを求めると思いますし、飽きると別の流行を求めるといった循環的なものだと思います。買いたいものが無くなったというより、そういった単純な生き物が人間だと思います。根拠は提出できませんが。ま、人の話の聞きかじりばかりですが。
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2014年9月3日 9:30 PM
原発を再稼働させる事ができなくて、中東も不安定で、我が国のエネルギーは、危ない綱渡りのような状態ですね。経済の為にも、国として主体性を持つ為にも、原発を稼働させる事は必要だと思います。
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2014年9月4日 9:56 PM
私の言葉遣いも少し大げさだったようですね。貴1 「失われた20年」と同じレベルのエネルギ−供給量でもエネルギ−供給量としては、それで経済水準が満足化するのであればそれで構わないと思います。貴2 「再生とか改革とか、痛みのあるのは勘弁してね」には まったく同感です。「再生」というより、「漸進的な進化」という言葉を使うべきでした。 社会は複雑系ですが 政治家は有権者にアピ−ルするために単純系の戯画を使うので無理が生じます。本来複雑系である社会をあたかも単純系のように扱うとそれで落ちる部分が痛みとなりますから。ブルジョア革命も共産主義革命もともに 恐ろしく単純な理論の故に大量の血が流れたり餓死者が出たわけです。私が漠然と考えていることですが バブルの馬鹿さ加減 (たとえば価格が高いから売れる)を経験した日本経済は単純に市場の貨幣流通量をコントロ−ルするだけでは健常な経済にはならないのではないか。 価値感が変化している一方、既存の物資やサ−ビス、既存の供給者の生産性向上により十分供給できるとすると 何か新しい物資やサ−ビスを開発しないと人が余るのではないかといったことです。この意味でも 「失われた20年」のエネルギ−供給レベルでも、そういう新しい物資生産やサ−ビス提供が可能であればそれで構わないと思います。エネルギー安全保障として即効性のある経済的な策は原発であること全く同意です。事故を起こしておらず、隔壁などにひび割れなどが検知されていない炉は スイッチいれるだけですから。
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2014年9月6日 11:53 AM
素朴な質問です。仮に、石油や天然ガスの供給がゼロになった場合、原子力発電は稼働できるのでしょうか。
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2014年9月8日 1:37 AM
藤田さんわかる〜でも、このメルマガは「大復活!」「大崩壊!」がもう何年も定番だから、まあいいのでは?大げさな言葉は三橋さんの持ち味でもあるし。大目に見てあげよう(苦笑)センセーショナルな文言ってわりとすぐに飽きるけどね。
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2014年9月8日 11:46 AM
コメントさせていただきます。 を書いた方への突っ込み1.” 「失われた20年」と同じレベルーのエネルギー供給体制に戻す” のってダメなの?戻さずに再生とか改革とか、非現実的だな今でも人はどんどん飢え死にしているそうだよ重要なのは、コントロールする人間の、深い優しさじゃないのかなテクノロジーは今後も進んで行くので、プラスアルファでだんだんと良くなればいいんじゃないの?再生とか改革とか、痛みのあるのは勘弁してねゆっくりした再生・ゆっくりした改革 すなわち ”改善” を希望2.経済は”大復興”よりも、いかにコントロール下に置くかで、じわじわと景気いいのがいいね(デフレの時の対策 と インフレの時の対策 を区別して使い分けるとか)で、経済のコントロールとしての、エネルギー安全保障の切り札は今のところ原発だよね他にあったら教えて理想と現実感覚のバランス感覚を間違えると、多くの人が苦しむよまあ、勝手言ってごめんな
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2014年9月9日 5:30 AM
コメントさせていただきます。ご著書のタイトルなので 出版社が耳目をひきつけるセンセ−ショナルな題を掲げたいのだと思います。 しかし、これを一つの命題としてみれば 「原発再稼動で日本経済は大復活する」は論理が飛躍しすぎ荒唐無稽だと思います。エネルギ−安全保障という視点からLNGに依存する副作用はご指摘の通りだと思いますが、その面から原発を再稼動させるべきなのか、別のエネルギー源の開発をするべきかは本題からはずれるのでここでは言及しません。原発再稼動が日本経済復活にインパクトを与えるとすれば、原発の運転停止に入る前の状態までエネルギ−供給体制を戻すだけのことです。原発の運転停止の引き金は東北大震災による福島原発事故です。そして東北大震災の起きた当時の日本経済は「失われた20年」の状態です。つまりエネルギー供給体制としては 原発再稼動は「失われた20年」と同じ状態に戻せるだけです。これが日本の経済を大復興させるようなと呼べるようなインパクトになるか甚だ疑問です。上述のように原発が東北大震災後に運転停止したために現在日本経済が停滞しているのではありません。 また対抗措置としてのアベノミクスに行き詰まりが感じられるのも原発運転停止にはほとんど関係がないと思います。 日本経済の停滞と対抗策であるアベノミクスの行き詰まりが懸念されるのは、バブル前とバブル後の日本人の生活スタイルや価値感が大変化して、需要の構造変動が起きているのに 今だに市場に流れるお金が増えれば、消費が復活するという戦後からバブル前には有効であった単純な理論に基づいているからです。 確かに震災復興は日本の戦後復興と相似の形をしているので、ある程度までの政策効果は期待できるでしょう。 しかし日本全体で生活の基本物資の供給が破壊尽くされた戦後復興と東北地方の震災復興では規模が根本的に異なっています。「失われた20年」は政府がデフレ策をとったからというより、バブルが弾けたあとに、戦後復興からバブルまで続いていあら日本人の消費者としての価値観がまったく変動し、買いたいものが無くなったからではないかと私は観ています。まとめます。 原発再稼動はエネルギ−供給体制として 「失われた20年」と同じレベルーのエネルギー供給体制に戻すだけであり、 それ以上の経済効果は望めない。 日本経済の大復興にはバブル後に顕現してきた新しい日本人の価値感に合致する新しい需要に合わせた産業再生が必要と思います。
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