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2014年6月30日

【三橋貴明】移民亡国論

From 三橋貴明

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●●中国大暴走。日本は国家存亡の危機を回避できるのか?
三橋貴明の無料解説Videoを公開中
http://youtu.be/ns-sXQ-Iey0

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【今週のNewsピックアップ】

●移民亡国論
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11884885609.html

●続 移民亡国論
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11885413973.html

今月末は単行本の〆切が(珍しく)ないため、以前からやりたくてできなかったことをやっています。
笑わないで読んで欲しいのですが、ONE PIECEの全巻一気読みです。いや、本当に一巻から七十四巻まで、一気に読みましたよ。

お前は週刊少年ジャンプを読んでいるじゃないか、と、言われそうですが、何しろONE PIECEは世界観が複雑で、人物の動きも複雑に絡み合っているため、週刊で読んでいると前の回までとの繋がりが分からなくなってしまうのでございます。

自慢できる話ではないのですが、三橋は記憶力がそれほど良くありません。特に、人の顔と名前を覚えるのが苦手なのです。酷いときには、講演の最中に自分が「どこ」にいるのかが分からなくなります。ほぼ毎日、全国のどこかに移動し、講演をしているせいもあるのですが。

それはともかく、ONE PIECEの凄いところは、一度倒したボスキャラの多くが、後になって主人公と絡んで再登場するところでございます。もちろん、
「かつての敵キャラが、主人公の味方として再登場」
というのは、少年漫画の王道ともいえますが、これほどの長期連載で次々に「以前の敵キャラ」が再登場できる物語を創れるというのは、本当にすごいと思います。(バギーは七武海になっていたんですね)

そして、ここからが本題ですが、ONE PIECEは「日本語の力」あるいは「日本語の吸収力」「日本語の表現力」をフルに活用しています。何しろ、笑い声一つとっても、英語では「HAHAHAHAHA」一つで済んでしまいそうな表現を、キャラごとに変えているわけです。

黒ひげの「ゼハハハハ」、白ひげの「グララララ」、エネルの「ヤハハハハ」など、常人には思いつかないでしょう。同時に、日本語以外では無理な表現方法のように思えます。しかも、各キャラの特徴をとらえており、読者は、
「ヤハハハハ」
と笑うキャラが出てきた場合は、何となくインド的(?)なエネルとすぐに結びつけます。ヤハハハといえば、インド的でしょ? え、違いますか?

いずれにせよ、ONE PIECEを本気で楽しむためには、日本語及び日本文化という基盤がなければ、なかなか難しいわけです。日本国民は日本語を学び、日本語を駆使した文化に触れ、大人になっていきます。日本人の英語が上達しない最大の理由は、もちろん「日本語だけで暮らせること」でしょうが、同時に「日本語の優れたコンテンツ」で溢れかえっているためでもあると思うのです。

そして、日本語のコンテンツが次々に生まれるのは、「日本語を駆使する人」の人口が一億人を超え、市場として成り立っているためでもあります。北欧諸国(デンマークなど)にも日本のコンテンツのファンは多く、彼らは自国でも母国語の漫画やアニメの市場を創ろうとチャレンジをしています。とはいえ、何しろ人口が数百万人規模に過ぎないため、ビジネスとしては成り立たないようです。

言語の重要性は、移民亡国論でも繰り返し触れていますが、日本語というオリジナリティが極めて高い言語で育ち、かつ日本語を用いた「文化」に溢れた日本国の国民は、恐らく世界一高い「言語という参入障壁」で守られているように思えます。

グローバル化が叫ばれ始め、すでに二十年近くが経過していますが、実のところ日本国は相対的にはグローバル化していません。資本(カネ)の部分では、確かにグローバル化が進行していますが、言語、文化を駆使する「ヒト」の面では、ほとんど進んでいないと言っても過言ではないでしょう。

「だから、より一層のグローバル化が必要なんだ」

と、グローバリストの皆様は叫ぶのでしょうが、そもそも世界屈指の高さの「言語という参入障壁」に囲まれた日本国民を、グローバル化するなど、初めから無理な話と理解するべきなのです。

日本国民が真の意味でグローバル化するためには、言語を英語にしなければなりません。とはいえ、日本人の多数派が流暢に英語を駆使することができる時代など、我々の英語下手を思えば来そうにありません。多くの日本国民が「日本語」のコンテンツに夢中になってしまう現状を考えると、なおさらです。

現在の世界は、長期的にはグローバリズムからナショナリズムへの移行期です。このまま「非グローバル化」の状況を貫けば、近い将来、日本語が日本国を救った、と振り返るときが来るのではないかと思います。

だからこそ、強引に「ヒト」のグローバル化を進め、言語や文化という「参入障壁」を壊す移民政策には、断固として反対しなければならないという話です。

PS
三橋貴明が本当に怖い中国の話を解説中
移民受け入れの話とも無関係ではありません。
http://youtu.be/ns-sXQ-Iey0

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【三橋貴明】移民亡国論への5件のコメント

  1. 神奈川県skatou より

    扱いやすくて、我慢しつづけて、あるとき朕茲ニ戦ヲ宣スではまた、申し訳ないですよね。

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  2. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    江戸時代のある思想家は、日本こそ中国(中華)だ、と主張したそうですが、正直言って、何か無茶な強弁にしか聞こえない。

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  3. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    最近、いわゆる「自民族中心主義」にも二通りのパターンがあるのだという話をとある本から学びました。(與那覇潤『日本人はなぜ存在するか』、pp.118-119) 一つは、「文明型」、「自分たちは人間として普通のあり方をしており、多民族にはそれが欠けている」というものの考えかた。 いま一つは、「選民型」、「自分たちは普通のあり方をしていないゆえにこそ優れている」という発想。 前者のもとでは、世界は自分たちと対立するものとはみなさず自国のあり方を広げてゆくフィールドとして捉えられがち。 後者にあっては、「世界の常識」が、自分のうちにあるのではなく外からやってくるものと見なされ、それへの対応に悩むという態度が主流になる。 前者は、現在のアメリカや前近代の中国があてはまるのだそうです。言われてみれば、確かにその通りです。 言わずと知れた、ローマ帝国なども確実にその部類だし、現在のフランスなんかも意外とそうかも知れません。 で、「われらの言語、ならびにその文物」の「参入障壁」を通じて、「グローバル化」を免れるの免れないの、などと、終始、喧喧諤諤しているどこかの国はといえば。。。もう贅言の必要はないでしょう。 ところで、「クールジャパン」()を政策的に後押しするためのいつぞやの有識者会議wで、「お茶菓子をいかに販路に乗せるか」以外何ひとつまともに議論できなかったとのことですが、それが何かを象徴しているような気がします。 当の旗振り役の人達自身が、「自国文化」とやらの発信力をはなから信じていないからこそ、「花より団子」とはまさにこの事、目に見え手で触れる有体物に縁を求めるしかなくなってしまったのではないでしょうか。

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  4. 江田 より

    「グローバル」という単語を聞いて日本人が外化するイメージではなく外人を日本化するという意識でないとこの刷り込みを解くのは難しいですね。日本人は生来の同調意識から自分を相手に合わせようとしますので外人にとって日本人はさぞかし扱いやすい人種でしょうな。それはそうと三橋先生が以前おっしゃっていたイラク過激派の独立国家樹立宣言の予測が当たったみたいですね。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140630-00000012-jij-m_est露・中リスクやら中東など小火が多すぎて本当に洒落になりませんな。

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  5. 神奈川県skatou より

    日本人のグローバル化って、もしかして、英語をしゃべることでなく、国際舞台で日本語を突き通すことのように、さいきん思いました。マイスタンダードのせめぎあいが、実はグローバルかなーと。単一で平準化は怖いと、日本人はよく知ってるはずなのに、なんでグローバル化が好きなのかなぁ。。

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