アメリカ

2017年1月30日

【三橋貴明】国難の時代、来たれり

From 三橋貴明

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【今週のNewsピックアップ】
ドナルド・トランプ その6「国境がない国家は国家ではない」
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12241601557.html
世界の負け組
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12241869487.html

新たに誕生したアメリカのドナルド・トランプ大統領は、
公約通りに、重要なのでもう一度書きますが「公約通りに」。

●TPPからの永久離脱
●オバマケア撤廃
●メキシコ国境の壁建設
●中東・北アフリカ7カ国の出身者および難民の受け入れ停止
●カナダからメキシコ湾への原油パイプラインの建設
●入国審査の厳格化

などなど、次々に「大統領令」にサインしています。
大統領令とは、アメリカ大統領が議会の承認や立法手続き
なしで、直接、連邦政府や軍に発令する命令を意味します。

アメリカ憲法に明確な記述はありませんが、
法律と同等の効力をもつとされています。

もちろん、大統領令に対し、議会側が反対する
法律を制定し、大統領に対抗することはできます。
あるいは、最高裁判所が大統領令に対し、
違憲判決を出すケースもあります。

それにしても、大統領の「意思」を、
これ以上、明確化する手法はないわけです。

しかも、繰り返しになりますが、トランプ大統領の
大統領令は、基本的には大統領選挙時の公約に沿っています。

トランプ大統領は、アメリカ大統領選挙における「約束」を
実行しているに過ぎないと、表現することも不可能ではないのです。

メキシコ国境における壁建設については、これまた
「公約通り」に費用の負担をメキシコ側に求めました。

もちろん、メキシコ側は猛反発。

メキシコ政府が支払いを拒否したことを受け、トランプ大統領は、
「壁建設の費用を確保するため、
メキシコからの輸入品に20%課税する」
ことを検討していると報じられています。

アメリカ側が本気でメキシコ製品に20%の関税を
かける場合、NAFTAはおしまいです。最低でも、
アメリカはNAFTAから脱退しない限り、メキシコ
製品に関税をかけることはできません。

現実は、すでに「ここまで」進んでいるのです。

メキシコ国境の壁をめぐり、NAFTA脱退が確実視されつつ
あるアメリカが、TPPを批准するはずがないでしょう・・・。

そんなことは、端から(大統領選挙時から)分かっていた
にも関わらず、我が国はわざわざTPPを批准し、

「(トランプ大統領に対し)TPP協定が持つ戦略的・
経済的意義について、腰を据えて理解を求めたい
(安倍晋三内閣総理大臣)」

などとやっているわけです。

トランプ政権はTPPは離脱しましたが、日本に対し
二か国間協議を求めています。当然ながら、日米FTA
交渉のスタートラインは、「TPPレベルの日本の譲歩」
からになります。日本側は、TPPを国会(最高意思決定
機関)で批准しているのです。当たり前でしょう?

時代は大きく変わりつつあります。その現実を正しく
見る目を持たない人々が権力を握っている。日本国
二千年の歴史において、真の意味の「国難」の時代
が訪れたのかも知れません。

—発行者より—

【オススメ】

2016年は激動とも言える一年だった。

イギリスのEU離脱(ブレグジット)、
アメリカ大統領選挙のトランプ氏の勝利、
さらにはフランスやドイツでテロが多発した。

これから世界はどうなっていくのか。
その中で、日本はどう動くべきなのか。

三橋貴明が思考停止の世界と日本を目覚めさせる。

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【三橋貴明】国難の時代、来たれりへの7件のコメント

  1. S.H より

    身近な工具、道具、衣類、材料、土木資材など、ほとんど中國製となりました。ものによっては1/3i以下の値段になってしまいました。最初は安く仕入れて安く売れれ場、売上は増えるものと、思っていました。結果、当然ですが、小売業としての売り上げも1/3になりました。所得も1/4になり、困難を実感しています。営業マンの話では活気あふれていた仕入先の東大阪市の問屋団地でも、20年前、夜11時過ぎまで営業していた食堂が火の消えた状態になった団地をあきらめて、とうとう閉店したそうです。労働人口の枯渇を目前にして、自動ロボットしかないと痛感しました。技術ハードルは非常に高いですが、生き残りの唯一の道だと思いました。

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  2. きらきら より

    要らない。と言っているものをしつこく売りつけようとするセールスマンには、腹が立つものです。アメリカだけでなく、世界の空気を読めない安倍先生のせいで、日本のイメージは最悪になっていると思います。

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  3. 學天則 より

    だから今の日本政府に統治能力などないと言いきってるではありませんかwグローバリゼーション1.0はプーチンが初めてトランプで終焉していくのです。今はグローバリゼーション2.0の開幕へ向けての、主導権争いもかねての弱肉強食のつばぜり合いが本格的に始まるとしているのです。まるでアレキサンダー大王亡き後の帝国ですね。政体循環論では混合政体が一番いいと言う事ですが、今後の世界秩序を誰がどう主導して構築していくのか?そういうデザインをする構想力が問われますね。まあ、最低10年は混乱期でしょうね。戦争もあるかも・・・。日本はうっかりしていたら食い物にされて干からびてスカスカですよ。無理な要求はうまい事かわさないと。まあ、無理でしょうけどね。

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  4. 反孫・フォード より

    >宗像直子らTPP命の官僚の作文を読むだけの無能者不能者 ・・・云々でんでん、ですよね。だからこその人事ですよね。やはりナチス(ドイツの合わせ鏡)のように、安倍ラー総統で日本がとことんメチャクチャになる様相を呈するまで、爆晋・売国自由主義のテンカンは治らないのでしょうね。

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  5. 赤城 より

    最も絶望的なのはその最悪の国家破壊的政策をやり続ける安倍政権の支持率が上がっていることです。支持率なんてものも好きに操作できるものかもしれませんが、なんでも操作できる輩がこの政権の後ろにいるということで磐石です。国民皆が頭をぶん殴られるような事態が来るまでこのまま変わらないかもしれませんね。

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  6. たけちゃん より

    三橋先生 でんでんバカ総理大臣はでんでんと宗像直子らTPP命の官僚の作文を読むだけの無能者不能者なのですね。官僚の無謬性から言えば自ら過ちを認めないでしょうし、無能バカ指導者はでんでんと善きに計らえ、面倒くさい事はヤラナイぞとばかりアベノミクソの失敗も永遠に認めないでしょう。

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  7. 神奈川県skatou より

    三橋先生のご活躍を熱く熱く応援しております。>日本側は、TPPを国会(最高意思決定機関)>で批准しているのです。当たり前でしょう?不思議すぎます。成立させるのはそれなりにエネルギーが居ると思いますが、どう考えてもアメリカが脱退する状況でなぜそんなエネルギーを使う理由があったのか。しかも不利になりうる立場へと。それほどまでにも交渉音痴なのかと。まさか本当にTPPをやるなんて本当に考えているのか。いったい何に使えるというのか。パズルで不可解なピースというのは、視野を変えないと解けないもので、それが正しいかどうかは別として、成立しないものにエネルギーを使う理由がどうしても気になるのですが、どう考えるべきでしょうか。今年は覚悟しなければならない年、国難の年ということになりそうですね。(災い転じて、を見出したいものです)

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