政治

2016年5月30日

【三橋貴明】6月1日

From 三橋貴明

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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。

民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。

「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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【今週のNewsピックアップ】
6月1日 その1
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12164221330.html
6月1日 その2
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12164795416.html

6月1日、国会閉幕後に、安倍総理大臣が記者会見を開き、17年4月の消費税再増税の「2年延期」と、財政出動の拡大について表明するのではないかという報道が流れています。

すなわち、14年4月以降の緊縮財政路線の「大転換」というわけですが、果たして「どこまで」踏み込めるのか。理想は、
「消費税増税延期及び【凍結】【減税】の検討。10兆円を超す財政出動を複数年で推進するための、大規模プロジェクト決定。プライマリーバランス黒字化目標の破棄」
ですが、さすがに消費税増税の「凍結」「延期」の議論がすぐに始まるとは思えません。

プライマリーバランス目標については、G7で、

「債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ、経済成長、雇用創出および信認を強化するため機動的に財政政策を実施することの重要性に合意した」

との議長サマリーが発表されました。とういわけで、

「財政の目標を、プライマリーバランスではなく【グローバルな合意に合わせて】政府の負債(債務)対GDP比率の引き下げに変更します」

とやることは、できないことはないと思います。日本人は「グローバルな合意」といった言葉に弱いので。
そして、問題の「財政出動」ですが、すでにして、

「財政の効果は一時的だ!」
「公共事業を増やしたところで、短期の話で終わる」

などと、カビの生えた財政出動否定論がマスコミに出始めています。この手のレトリックには、二つ、明確な間違いがあります。

一つ目は、例えば交通インフラの整備一つとっても、プロジェクトは数年、十数年は続くという話です。北陸新幹線の敦賀延伸の開業予定は2023年ですので、東京五輪の三年後です。

北陸新幹線の敦賀−大阪間について、早期にルートが決定し、事業化したとしても、さすがに2023年までに完了させるのは難しいでしょう。ということは、今から七年間はプロジェクトが継続するわけです。

リニア新幹線に至っては、JR東海が東京−名古屋間を2027年までに建設する予定になっています。自民党の議連が、2045年(!)に予定されている名古屋−大阪間の開業を早めるべく動いていますが、それでも目標は2030年なのです。
すなわち、リニア新幹線を大阪まで早期開業することが決定したとしても、今から14年間はプロジェクトが続くことになります。

交通インフラの建設が「短期」で完了するはずがないでしょうに、この手の「現実」は無視して、「一時的だ!」「短期だ!」などと言ってくるわけです。

更に、そもそも交通インフラの効果は、土木・建設業の所得を生み出すフロー効果には限りません。交通インフラ完成後、人々や物資の流通速度を高めることで、「生産性を向上させる」ことが可能になります。

生産性向上とは、生産者一人当たりの生産(GDP)の拡大効果になります。今後の我が国は、少子高齢化で生産年齢人口比率が低下していく以上、生産性を高める必要があります。そのためにも、将来の生産性向上をもたらす交通インフラの整備は必須です。
現時点で交通インフラを整備することで、

「現在のデフレギャップ(総需要の不足)を埋め、同時に将来のインフレギャップ(生産能力の不足)を埋める生産性向上が達成される」

のでございます。

それにも関わらず、6月1日以降のマスコミでは財政否定論、インフラ整備否定論が撒き散らされ、財政出動を妨害する動きが激しくなるでしょう。「正しい言論」の力が、今ほど求められる時代は、そうはないと確信しています。

ーーー発行者よりーーー

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熊本地震では避難、復興の拠点となるべき公共施設等の被害も目立った。

民間住宅も含め、大きな被害を受けた建物の多くは、新たな耐震基準が適用された1981年以前に建てられた建物だった。これまで「危険だ」と何度も議論になってきたにもかかわらず、こうした旧耐震基準の建物の多くで、耐震化が先送りされてきた。その最大の理由は「財政問題」である。

「そもそも日本に財政問題などない」と語る三橋貴明が、日本の防災安全保障、さらには国土強靭化とは何かについて詳細に解説する。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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【三橋貴明】6月1日への5件のコメント

  1. 學天測 より

    口先よりも見るべきはここ数年間の実績だと思います。人間、口では何とでも言えますから、言ってる事とやってる事の違う嘘つきを排除せよというのが古代からの教えでありますよ。やはり我々、より相対的正義を口先の推論よりも実証事実に求めるのがまともだと思います。

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  2. 吹田のおやじ より

    いいんじゃないですか、結果的に減税になってGDPがあがり税収増になれば。安倍総理自身デフレに戻す訳にはいかないと言ってるんですから。

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  3. たけちゃん より

    三橋先生 安倍晋三はやはり朝鮮人の血筋ですね。息を吐くようにリーマンショックが来たとウソをつき オバマに事大し 消費税増税の責任を転嫁し次は消費税減税で国民生活を人質にとり選挙しようとする愚劣な卑怯者ですね。

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  4. 學天測 より

    実質賃金低下でリーマンショックならぬサラリーマンショックなる造語を作る奴が出てきました。誰がこの状況でうまいこと言えと!はあ・・・。

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  5. たかゆき より

    ババ抜き♪自民党総裁の 任期中はババを引かない決意のようですね。。。「消費税増税は ババでありましたので14年に引いたババは 捨てさせていただきます」と総理が仰れれば 「よっ 日本一!」己の過ちを認め 謝罪するものに罵詈雑言を浴びせるほど品性下劣では ありません(ぼくは)♪

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