From 藤井聡@京都大学大学院教授
昨年10月の消費増税以降、我々が再三再四警告してきた通り、日本経済は、ボロボロの状況になっています。
昨年12月の時点で、例えばコチラの記事(https://38news.jp/economy/15058)で紹介したように、
・小売りは、10月に対年同月比7.1%減少、とりわけ自動車17%減少、機械器具15%減少し、
・実質消費は10月に対年同月比5.1%減少し、
・景気動向指数は10月に CI一致指数対先月(最新データで)5.1ポイント下落しました。
これらはいずれも、2014年の増税時よりも激しい水準です。
とりわけ驚くべきデータは、日本工作機械工業会(日工会)11月の機械受注額で、前年同月比「37.9%も減少」していました。
・・・これだけでももうメチャクチャな事に日本経済がなっていることが明白なのですが、この度、11月の景気動向指数が発表になり、凄まじい景気の冷え込みがより鮮明となりました。
まず、景気動向指数CIは、このように推移していました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2244690062298591&set=a.236228089811475&type=3&theater
CIは、10月に激しく下落した上に、翌月さらに下落していたわけです。そして、95.1という、安倍内閣が誕生したころの水準に舞い戻ってしまっています。
つまり、異次元の金融緩和だとか10兆円の補正予算だとか、さらには、オイル価格が下落したり世界経済が好調だったことで僅かなりにも改善していた安倍内閣下での景気が、全て元通りになったわけです。つまり、アベノミクスだなんだかんだという取り組みが、10%消費税によって全て元の木阿弥になった訳です!
そして、驚くべき結果となったのが、「DI」という景気動向指数です。
これは、改善している経済指標の割合を示すもので、最悪が0で、最高が100なのですが・・・
この様な結果になりました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2244707545630176&set=a.236228089811475&type=3&theater
何と・・・、DIの最低水準である
「ゼロ」
を記録しているのです!しかも、恐るべきことに、10月の消費増税以降、
「二か月連続、ゼロ」
になってしまっているのです!!
このデータを見て、眩暈しそうになりましたが(苦笑)、あわてて過去のデータを見たところ・・・こんな連続DIゼロを記録したのは、一応、過去にもありました。
バブル崩壊以降で確認しますと、
1.バブル崩壊期
2.日本がインフレからデフレになった97年の消費増税ショック期
3.リーマンショック期
の「三回だけ」だったのです!
つまり、我が国日本の経済は今、バブル崩壊や、リーマンショックや、デフレ突入ショックといった、歴史に残る程の「最悪状態」にあるわけです。
・・・にも拘わらず、我が国政府は、その事実を一向に認めようとしていません。
その姿はまるで、戦時中の「大本営」の様です。
https://38news.jp/economy/15058
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200114-00000005-ykf-soci
彼らは未だに、日本経済は底堅い、全く問題ない、という見解を公式に表明し続けています。例えば、政府が昨年12月20日に発表した月例経済報告で、以上に指摘したようなデータが出ているにもかかわらず、それらをすべて無視した上で
「景気は緩やかに回復している」
と明言しているのです!
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/1220/interview.html
大手メディアは、こうした「大本営発表」を垂れ流し、国民は、同じく戦時下の日本国民と同様に真実に気付かず、「安倍さんのおかげで、悪夢の民主党時代よりは、まだ経済はマシな状況だ」と騙され続けているのです・・・。
このままでは、先の大戦で日本中が焼け野原になったように、令和の日本経済もまた「焦土」と化すことは必至です。
こんな最悪の日本を将来世代に付け回ししないために、我々が今、何とかせねばなりません。
ついてはまずは、こころある国民だけでもこうした真実をしっかりと、ご理解頂きたいと思います。
追伸1:
表現者クライテリオンでは、「アベノミクスの失敗」と題した連載を始めました。その第一回を書かせていただきました。第二回は、産経新聞の田村秀男さんを予定しています。是非、ご購読ください!
https://www.amazon.co.jp/dp/B081WP9WMC/
追伸2:
安倍内閣は、外交・安全保障問題においてもすさまじい失敗を重ね続けています。そうした失敗は、日本を文字通りの「焦土」へと導きかねません。そちらにご関心の方は是非、こちらの記事も、ご参照ください。
「イラン危機」から考える日本の途轍もない脆弱性:何も考えてこなかった馬鹿は、危機に飲み込まれて死ぬ他ない――その現実をまずは一旦、冷静に受け止めねばなりません。
https://foomii.com/00178/2020011011000062547
【藤井聡】政府の「大本営発表」に騙されるな!10%消費税で「焦土」と化しつつある日本経済への3件のコメント
2020年1月15日 3:59 PM
表現の自由
とある 有名な 格付け会社
デタラメな格付けを指摘されて
なんと 仰ったか、、
「我が社は表現の自由を行使した だけだ!!」
いいですね。。
こういう会社 大好き
政府統計にしろ 大しんぶん紙にしろ
おおいに 表現の自由を行使すべき
なんたって世界で一番素敵な
日本国 憲法で
認められている 権利ですもの
要は 騙される方が 悪い のさ ♪
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2020年1月17日 1:11 AM
xnNihZbjBCJ
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2020年1月16日 10:18 AM
安倍政権の本丸(目的)は地方分権道州制よ。
憲法改正も独立国を目指すのではなく地方分権が目的。
これは13年、高橋洋一、岸博幸の対談でも高橋が堂々と唄ってるよ。YouTubeでも上がってる話。
つまり安倍にとっては経済など二の次。国民を欺く為の道具に過ぎない訳。なので長期の財政支出など多くの省庁が関わる政策は地方分権の妨げになるので出来ないの。(多くの省庁は地方に分割される)
何処までも売国…
ここで面白いのが財務省。
是非はともかく、地方分権は財務省にとっては権力の縮小。
権力縮小を阻止する為ありとあらゆる手段を使い権力拡大の為財務省の論理で結果的に安倍の売国政策である地方分権を潰そうとしてるわけね。そして憲法改正が無理な状況に追い込む事に成功。つまり権力拡大に成功。(ただし今後、財務省叩きのパワーが地方分権に変わる可能性大 ! そして消費税収も地方で管理、つまり地方の財源に変わる可能性が予想される。)
でもね、これってどちらにも日本国家が無いの。どちらにも日本国民の幸せがないのね。これが日本の現状なの。
どうしたものか…
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