日本経済

2017年9月30日

【三橋貴明】日本が壊されていく「音」

From 三橋貴明@ブログ

チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。

【Front Japan 桜】消費増税という国民貧困化政策 / 「人づくり革命」の矛盾[桜H29/9/29]
https://www.youtube.com/watch?v=6RDbukvB_lM

さて、Front Japan 桜でsayaさんが
鋭い問題提起をされていましたが、
「人づくり革命」特に「待機児童問題」に関する矛盾。

【保育所待機児童の現状】
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2017/29pdfhonpen/pdf/s3-1-2.pdf

上記の通り、2016年4月11日時点で、
待機児童数は2万3553人。

しかも、首都圏、近畿圏の7都府県、
政令指定都市及び中核市において、
待機児童の74%を占めます。

さらに、低年齢児(0~2歳)の
待機児童数が全体の約86.8%。

わたくしは、日本で一番全国を旅して
(講演で)回っている男ですが(確信あり)、
「地方に待機児童問題なんかないよ」
という声を、何度も聞きました。

要するに、待機児童とは
「高々(あえて書くけど)」2万数千件の問題であり、
しかも都市部の「0歳~2歳児」に偏った問題なのです。

「いや、0歳から2歳くらい、自分で育てろよ」
と、思われた方が多いかも知れませんが、
安倍政権のデフレ化政策により、
子持ちの女性がパートタイムで
働かざるを得ない状況に
追い込まれているのですよ、都市部では。

だから、低年齢児を預けたい
という需要が多いのです。

ついでに、都市部のパートタイム、
つまりは短時間労働の増加が、
日本の総実労働時間を押し下げ
(今や、リーマンショック直後よりも短い・・・)、
「失業率は下がるものの、実質賃金が上がらない」
という現象の一因になっています。

メインの働き手の実質賃金が上昇すれば、
都市部の子持ちの女性が働きに
いかざるを得ない状況が解消され、
待機児童問題は消えます。

ところが。。。

『安倍首相、「人づくり革命」で2兆円対策表明 財源に増税活用も
https://jp.reuters.com/article/abe-revolution-ctax-idJPKCN1C00UO

安倍晋三首相は25日午後に
官邸で開いた経済財政諮問会議で、
「人づくり革命」を安倍内閣の最大の柱に位置付け、
2019年10月に予定されている消費税率10%への
引き上げの財源活用も視野に、
幼児教育無償化や高等教育の充実などで
2兆円規模の政策対応を行うと表明した。

賃上げと投資拡大を目指す「生産性革命」を含め、
年内に新たな政策パッケージを作成する方針も示した。

首相は、内閣の最大の柱である
「人づくり革命」の実現に向けた具体策として、

1)高等教育における給付型奨学金や授業料減免措置の拡充、
2)すべての3─5歳児の幼稚園・保育所の無償化と低所得世帯におけるゼロ─2歳児の無償化、
3)待機児童解消へ20年度末までに32万人分の受け皿整備、
4)介護人材の処遇改善

──などに取り組むとし、これらへの対応で
「2兆円規模の大胆な政策を実行したい」と表明した。(後略)』

さ、さんじゅうにまんにん!!!!
(驚きのあまり平仮名)

2万数千件しか発生していない
待機児童問題の解消として、
受け皿が「32万人分!」準備される!

しかも、幼児教育の「無償化」が併せて推進される。
(財源は、ご存知の通り消費税増税分の転用)

何をやりたいのか、分かりますね。

安倍政権はついに、「低年齢児育児」までをも
「ビジネス」と化そうとしているのです。

そのために、幼児教育を(税金で)無償化し、
低年齢児保育の需要を一気に拡大させる。

今まで、おカネが理由で保育園に
預けられなかった親御さんたちが、
続々と子供を施設に入れ始める。

そうなると、到底、現状の保育士さんたちでは
賄えないため、各種の規制緩和が行われ、
「新規参入」で儲けまくる連中が出てくる。

保育の質が下がることを懸念した
保育士さんたちが、無償化や規制緩和に
反対の声を上げると、
「この既得権益が!」
と、例の手法で攻撃し、沈黙させる。

ルサンチマンにまみれた愚民(日本国民)たちも、
保育士どもが自分たちの権益を守りたいから、
規制緩和に反対している。などと、嘲笑する。

愚劣な社会。今まで、
土木・建設、農業・農協、医師会、
獣医師会、電力産業、公務員などの分野で
さんざん見てきた、愚劣な光景。

挙句の果てに、
人手不足が解消しないことを理由に、
外国人労働者の導入が進む。

外国人保育士を供給していくとなると、
例によりパソナが儲かる。

介護分野が、上記とほぼ同じスキームで
規制緩和が進み、ついに11月から
外国人技能実習生が供給されることになります。

これが、「人づくり革命」により
ビジネスを(低年齢児育児分野で)
創出するスキームです。

日本が壊されていく「音」が、聞こえてきませんか。

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【三橋貴明】日本が壊されていく「音」への2件のコメント

  1. 反孫・フォード より

     考えてみると、人間の耳には捕らえることが出来ない周波数の音波は鳴り響いているのかもしれません    ね。難聴になるくらいうるさく。

     話は翔びますが、
    平成22年(民主党政権)頃の大阪の地方番組で経済(インフレーション)はコントロールが出来ると言われていた記憶があります。
    その辺のことを今のグローバリゼーションな経済学者の牛耳る場ではなく、真っ当な学者達が議論出来る場を創ることの出来る内閣、政府が維持されるようにならないと希望もへったくれも無いですね。

     正体隠し新自由主義世代のラーメン好きの小池さん?や左翼でありながら財出嫌いな小池さん(共産党)に票が集まろうが集まるまいが、そんな場は出来ない気がします。現状がつづくのは仕方ないのでしょうね。
    しかし小泉進次郎みたいなモノが継続存在していけば尚更現状の長期化は免れない気がしてなりません。今の内に秘かに彼を核シェルターにでも永遠に隔離するべきではないでしょうか。

     自分でも思いのよらない方向のコメントになりました。私が隔離されるべき卑民ですね。御了承願います。
    失礼しま舌。

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