From 三橋貴明
【近況】
通称「経済学」の厄介な点は、
効用が最大化されることを
ゴールとしている点です。
効用とは、各消費者が自己の消費する財、サービスから
受ける満足の度合いを数量的に表したものです。
つまりは、たくさん消費できればOK、
という定義になっているのです。
厄介なことに、この世界には「効用」が生まれることが、
却って問題であるイベントがあるのでございます。
代表的なものを挙げておくと、
● 大規模自然災害
● 戦争
● 犯罪
● 火事
● 病気
● 飢餓
などになります。
例えば、巨額の費用を使って
防潮堤を建設したとして、大地震が発生し、
津波が襲ってこないのであれば
「ムダ」という話になります。
すなわち、防潮堤の効用は発生しません。
津波が襲ってきて初めて、
防潮堤建設の効用が最大化されるわけですが、
それって「良いこと」なのですか?
あるいは、犯罪が少なく、刑務所の刑務官が
暇を持て余している状況は、
「刑務所サービス」の効用は生まれていませんが、
社会的には望ましいことでしょ?
警察官、刑務官、消防官、自衛官、医者など、
非常事態発生時に多忙となる方々の
サービスの「消費」について、国民が、
「全く消費できていない」
と感じるときは、非常事態が発生していないわけで、
むしろ歓迎すべき状況なのです。
要は、この世には「効用が高まることが悪である」財やサービス、
すなわち「安全保障」が現実に存在するという話です。
それにも関わらず、社会的な効用の最大化(パレート最適)
を目標と置くのが、通称「経済学」という学問なのです。
経済学が、どれほど現実とかけ離れているか、
安全保障について考えるだけで理解できます。
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◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書 第144「おカネは債務と債権の記録であり、商業用具(モノ)ではない」
http://www.asagei.com/
◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第250回「二つの壁」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/
◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol446 高圧経済
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
最も経済成長率が高まる「高圧経済」は、なぜ発生するのか?
◆メディア出演
12月13日(水) 6時 文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/
12月16日(土) チャンネル桜「日本よ、今…「闘論!倒論!討論!」 」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1655
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12月16日 三橋経済塾第六期 第十二回対面講義の詳細と申込方法をご案内致します。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2184
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◆チャンネルAJER
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