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2014年4月14日

【三橋貴明】「今」書かなければならない理由

From 三橋貴明

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そもそも、なぜ現時点で「移民」が推進されなければならないのでしょうか。

それは、もちろん、今だからです。安倍政権が「第三の矢」と称して、グローバリズム的な政策を実施している以上、必然的に「外国人労働者を増やす」「外国移民を認める」といった政策は推進されなければならないのです。

何しろ、グローバリズムとは「モノ(サービス)」「カネ」「ヒト」の国境を越えた移動を自由化することなのです。関税を引き下げ、サービスの制度を統一し、資本移動の自由を認めたとしても、国境でヒト(労働者)の移動を制限しているようでは、画竜点睛を欠くというものです。

経済合理性以外は何の興味もない「経済人」が、情報を均等に保有し、「市場」で自由に、一切の規制なくモノ・サービスの生産や取引を行うことで、効用が最大化される。超簡略化して書くと、これが古典派経済学、新古典派経済学の基礎「教義」です。逆に言えば、新古典派経済学的には、モノ、カネ、ヒトという経済の三要素が自由に動くことを「制限をする」政府、あるいは「国家」の存在は、効用最大化を妨げる「邪魔者」というわけでございます。

というわけで、新古典派経済学に染まった官僚、政治家、学者たちは規制緩和、民営化により「小さな政府」を目指し、「自由市場」における取引を増やすことで効用を最大化させようとします。やがて、国内で「小さな政府」を推進するのみでは飽き足らなくなり、「国境」を超えてモノ、カネ、ヒトの移動を自由化しようとするわけです。すなわち、グローバリズムです。

とはいえ、残念なことに各国の「国民」は「国家」という共同体なしでは生きていくことができません。世界政府は存在しない今日、日本と中韓両国の関係一つとっても、国民同士が真の意味で「分かりあう」などということは絶対に不可能です。日本と日本以外の国々とでは国益が異なります。国益が異なる「違う国」である以上、国境の「こちら側」と「向う側」で頻繁に揉め事が発生し、最悪、軍事衝突に発展します。中国の艦隊が日本列島を目指してきたとき、「自由市場」が国民を守ってくれますか?

あるいは、東日本大震災級の大規模自然災害が発生したとき、誰が被災者を助けてくれますか。新古典派経済学の世界では、基本的に全ては「自己責任」でございますから、学者たちは、

「大規模自然災害が発生する可能性があるなら、保険に入っておけばいいじゃないか」

と言ってのけます(実際に言われました)。

「ちょっと待てっ! 国家とは、国民とはそういうものではないだろう。非常事態が発生した際に助け合わなければ国民が生き残れないからこそ、国家という共同体が発展したのではないのか?」

と、反論するわけですが、新古典派経済学の世界において、人間は「経済人」という個人なのです。個人が国境すら無視して、自由自在に動き回り、市場競争を繰り広げ、効用最大化を目指すわけなので、そもそも「共同体」という概念すら持ち合わせていないのです。無論、非常事態や安全保障といった概念も、経済学には含まれていません。

「神、空にしろしめす。なべて世はこともなし」

世界がもし「こともなし」な平時を続けられるならば、人間が「個人」「経済人」として生きていくことも可能かも知れません。とはいえ、現実は違います。人間には国家、国境が必要なのです。

幸いなことに、日本は今でも国民の同質性が高く、他国と比べて「外国人問題」が大きくなっているわけではありません(だからこそ、無防備すぎるのですが)。我が国はまだ間に合います。日本国民の国家「日本」を維持することは、今でも可能なのです。

安倍政権が現在の路線を突き進む限り、残念ながら今後の日本国民は「グローバリズム」という怪物と、これまで以上に激しく争わなければならない状況になるでしょう。「彼ら」との争いに勝つためには、こちらが「奥の奥」まできちんと理解しておく必要があります。「外国人が増える? なんか嫌だなあ・・・」では、各種のレトリックを駆使する彼らに対し、勝ち目がないのです。

というわけで、三橋は「移民亡国論」を「今」書かなければならないと判断したわけでございます。

PS
三橋無料Video「中国侵略問題」を公開中
http://www.youtube.com/watch?v=Bner2NC2O-8

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【三橋貴明】「今」書かなければならない理由への7件のコメント

  1. 匿各希望 より

    なるほど。少数派にせよ多数派にせよ、その共同体が個人を(それがあなた自身であっても)排除することを受け入れる、と理解しました。あなたの最初のコメントと矛盾しないですね。良識(もちろん人によって異なる概念)に適わない生物は避けるか排除ということですから、為政者がこの考えを徹底すると恐怖政治になりえますし、少数派がこの考えで暴走すると連合赤軍やオウム真理教のようにもなりえますが、必ずしもそういった(極端な)作用だけでもないので、まあ、程度や内容の問題ですね。

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  2. かずまき より

    良識はこれだと定義できるものでなく、はばがあるといいますか、性質的なものです。方向性です。そういった良識が私と共同体とで性質的に敵対する関係にあるなら、生きずらくなります。生きずらいと感じているのがどうやら私個人だけなら、私が仲間からはずているだけのことです。気の合うお仲間たちですきにしてください。少数派であっても日本の良識を保守する役割がある者たち、それだけの力量を持ってしまった者たちはしかるべく行動をすることになります。

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  3. 江藤 より

    >今頑張っている人たちの価値観が受け継がれ社会が実現します。あなたはそんな社会で生きたいのですか?訂正>今頑張っている人たちの価値観が受け継がれない社会が実現します。あなたはそんな社会で生きたいのですか?

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  4. 江藤 より

    韓国は、竹中の理論実証モデルにされたわけで、安倍政権の第三の矢は韓国実験に「移民」を加味して被支配階級の内部対立による植民地統治的なモデルの実験なのだろうと思う。でなければ「文化」も異なり激しい対立が予想される他国民を国内に入れる政策を採るわけがない。竹中の行動原理が持論の立証にあるのだとすれば、経済学に合わせて現実の環境を歪める方向で物事を進めていくのだから、相互扶助の精神や文化といった非経済的合理性を排除していくことは当然なんでしょう。彼らを支持している行政職員や経済人は自分の地位や自社ブランドが日本の文化や地域、国に根ざしていることを理解しているのだろうか。仮に地方行政職に他国人を入れれば彼らは自分達の権限を強くするために当然数を増やそうとしてくる。彼らの数が増えるということは日本人の行政職員が減るということであり、その地域には伝を頼って他国人が殺到する。地域に他国人が増え地元企業に入り込み出世する奴もいるでしょう。地場産業の企業の重役に他国人が増えれば多少なりとも政治力が出てくる。そうなれば、行政職員の他国人比率にまで口を出しかねない。そんな状況下で他国人が選挙権や被選挙権を手に入れれば日本人排除の動きになることは目に見えている。地域住民の2割3割に増えれば彼らの要求をのまされる事態に陥いるでしょう。そんな中では日本の文化、習慣、情といったものは通用せず対立から生活圏が分化し、住民の数が逆転したころには彼らによって文化(日本人的な教育感)が消されるのでしょう。大企業は地域社会の文化(日本人的な教育感)が変容したところの企業やヒトを使いたがるでしょうか?工業製品のように均質で優秀な労働者を生み出す幼少期からの日本人的な教育が失われた地域の人間をわざわざ日本で採用するとは思えない。日本人的な教育が行われていない労働者であれば他国で採用しても同じことであるから、そのような地域が増えるにしたがって国内の採用数も減っていくでしょう。あまり数が減ると、最終的には企業が学校を作り幼少期から育成するスタイルになっていくと思われますが、その頃まで彼ら企業人が受け継いでいる「社風」「精神」が存続しているとは思えません。おそらく理解はできても共感できる人材が社内にいる事が珍しくなるでしょう。竹中の考えている経済論理の逆輸入社会が実現した場合には行政、企業、地域社会における文化的遺伝子が失われ、今頑張っている人たちの価値観が受け継がれ社会が実現します。あなたはそんな社会で生きたいのですか?私達の価値観を受け継ぐ次世代が全うに生きられる社会を保つためにも今、安倍政権の第3の矢に反対するしかないのです。

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  5. 野比怒羅江悶 より

    結局経済学と言う化け物が国体を破壊していく。売国奴→とにかく外国人を入れて日本を解放させよう。リフレ派→とにかく賃金の下方硬直性を突破したいから日本を解放させよう。目的は違えど、行き着く所は一緒。金持ちは巨額な利益を得られるが、それ以外の人は奴隷と化す。教育などが自由化されていけば、一度奴隷になってしまった国民の子孫は永久的に奴隷のままとなる。所謂奴隷の再生産。私たちはこの大きな化け物と戦わなくてはならなくなった。どの国でも同じ状況だが、何処かの国が突破する事ができれば、経済学はレジュームチェンジする。ケインズが何故一般理論を出さなくてはならなかったのか。経済学と言う化け物と戦うためだと思っている。実際にはケインズの一般理論よりも先に経済政策や戦争などでデフレは終わっていくけど、その後のケインズが熱心に取り組んだブレトンウッズ体制を見れば、正しいルールに基づいた自由貿易が世界を救う事は明らかだ。リフレ派が良く言う「TPPはGATTを見習え」は別の意味で正しい。経世論研究所を立ち上げた事で、私は日本版の一般理論構築作業がされるかどうかを注目している。日本版一般理論が完成したとしてもリフレ派はそれを認めないだろう。しかし、それはケインズの一般理論とて同じだったわけで、将来の若い人達がその一般理論を学んで将来の日本を豊かにしていければ良いのではないかと思う。その様な大きな計画を遂行するなら、自分も更に猛勉強してその仕事を担いたいと強く思う。

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  6. 匿各希望 より

    「良識」の子細は置いておくとして、では、あなたが共同体(もしくはその代表であるリーダー)から「君は良識がない」と判断されたら、あなたは共同体から排除されることを受け入れるということで良いかな? それとも「良識が無いのは共同体のほうだ」ということで共同体から自ら離脱するかな? もしくは「共同体の良識に従う」ということで「個人の良識」を抑えて共同体に服従(共生とも)するかな? それともあなたとあなたの属する共同体の良識は「常に同じはず」ということかな?

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  7. かずまき より

    おっしゃるとおりです。日本人の多くが受け継いできた歴史的にあたりまえと考える「私徳」といえるものがありました。共同体において支配的な「私徳」は共同体としての「公徳」の性格を決めます。現在の日本でも「私徳」と「公徳」は「日常のあたりまえ」として生きていて、再現、追体験されています。ほそぼそとではあります。実を言えば失われそうになっています。「良識」は国によって違います。善悪、良い悪い、は生き物によって変わります。ある生き物の「良識」が人類に迷惑であれば、避けるか排除せざるをえません。同じ人類でも「良識」が違います。日本人には日本人の「良識」があります。日本人の良識的生活に迷惑な価値観は避けるか排除することはあたりまえの行為です。

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