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2024年12月16日
【藤井聡】ディープステートは「トンデモ陰謀論」でも「真の闇の政府」でもない.その「答え」は表現者クライテリオン最新刊『権力を動かす権力の構造~ディープステート論を超えて』にあり
本日の表現者クライテリオンの最新号の特集は,
「権力を動かす権力の構造~ディープステート論を超えて」
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トランプが公約に掲げたことで一躍話題となった「ディープステート」(DS)ですが,世間では,それを無根拠な陰謀論,トンデモ論だと否定する声が多数あります.そんなDS否定論にはもちろん「一理」はあるのですが,だからといってDSが完全なるウソまやかしかといえば全くそんな事はありません.
では,一体DSとは何なのか??
それを徹底的に特集したのが,表現者クライテリオンの最新号です.
そもそも政府という「権力」は本来主権者である「国民」によって制御されなければならない―――それが近代的国民国家の大前提なのですが,現実はもちろん,そうはなっていないことは,広く知られた事実です.
例えば財務省は国民の意思とは無関係に政府に甚大な影響を及ぼしています.国民の圧倒的支持を受けて党勢を拡大した玉木氏が主張する103万円の壁の178万円までの引き上げについても,財務省で19年間勤め上げ,財務省の意志を現実政治に反映させんが為に自民党に入り,税務調査会長という最も重要な役職を担う元財務官僚の宮沢洋一氏に“けんもほろろ”に否定され,その実現が危ぶまれる状況に至っています.
しかも,そんな財務省も,経団連をはじめとした財界の意向には逆らえず,法人税を引き下げ続けていますし,医師会の圧力に屈する形で医療費を年々拡大し続けてきています.
海外のGAFAに代表されるグローバル企業の影響や国際金融資本の影響も甚大で,彼らの意向に沿う形で国内の様々な規制がどんどん緩和されてきました.
さらに言うなら,岸田氏は米国のホワイトハウスの意向にそって日本のそれまでの外交方針をねじ曲げ,多くの国民が拒否反応を示したLGBT法案をごり押しで制定してしまいましたし,石破政権は中国の共産党の顔色を窺って外交内政双方の政治的決定を歪めまくっていることも周知の事実です.
つまり日本の政治は,とりわけその重大な部分において,国民の意志とは無関係の財務省や経団連,医師会などの組織・団体,さらには外国の企業や政府の意向によって「決定」され続けているのです.
ただし,こうした状況は米国においても同様です.
米政府は大統領や議会と異なるCIA,FBI等の政府内機関や金融・産業界の上層部,さらには中国共産党などの諸外国の米国世論に対する諸工作(所謂パブリック・デプロマシー)に強く影響されているということが,米国内でも繰り返し指摘されてきています.
そして,米国ではそうした政治に影響を及ぼしている,米国民以外の諸勢力が「ディープステート」(Deep State, 略してDS)という一つの「闇の政府」を作り上げていると指摘されています.
つまり,そのDSという「秘密のネットワーク」が,これが事実上の米国政治を支配しているのだとしばしば指摘されているわけです.
そして,先の大統領選挙で勝利したトランプは,まさにそのDSを解体するのだということを,彼の公約の根幹に据えました.そして,勝利した後も,DSの主要組織の一つであるFBIの解体論者であるパテル氏指名をFBI長官に指名したり,DS解体のために必要な政府内の大改革を推進する組織として「政府効率化省」を設置し,徹底的な「リストラ」を敢行してきた実績を持つテスラCEOのイーロンマスク氏をその共同議長に指名し,「DS解体」行政の準備を着々と進めています.
しかし,こうしたトランプの「DS解体」論には,多くの人々が冷ややかな目を向けています.その代表が,トランプと対立していた米国の民主党の支持者達です.さらには,いわゆる学術界における一般的な学者達は皆,そのDS論を単なる,劣悪な「陰謀論」であり「トンデモ論」に過ぎないと否定しています.日本国内でも,所謂「エリート層」に属する人々や一般的な学術界の人間は皆同様にDS論を否定しています.
例えば当方は最近,今回の特集を紹介するために,ラジオやYoutube等でDSについて言及しているのですが,そすうると早速,Yahoo知恵袋に「藤井聡氏は大丈夫なんですかね?このところDSDS言ってます」なぞという質問がアップされたりしています.
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11308087811
要するにディープステート/DSをどんな文脈であれ(当方はDS肯定論という,それを否定しつつより正確に権力を動かす権力を理解すべきと言っているにも拘わらず)口にするだけで,その人は「あまたおかしい奴」というレッテルが貼られるわけです.
しかし,仮にDS陰謀説と一線を画し,機構(ステート)としての「闇のネットワーク」の存在を否定するとしても,金融・経済界や海外政府や国内政府の一部機関が民主主義の世紀のプロセスとは別に各国の政治に大きな影響を及ぼしていることは厳然たる事実なのです.
したがって,DS陰謀説を否定するあまりこうした各種の政治勢力/圧力団体からの影響を無視することがあっては,適正な政治展開を構想することが不可能となってしまうわけです.例えば,「宮沢洋一」に象徴されるミスター財務省の影響を無視して日本の財政を語ったところで,日本は永遠にデフレ脱却のための積極財政等出来なくなってしまうのです.
こうした認識から,表現者クライテリオンでは,より適切な政治展開を企図し,DS/闇の政府世説に代表される素朴な「陰謀論」とは一線を画しつつ,国外の政府や財政金融界や政府内の一部組織らの各種の「権力」がどの様な構図・プロセスの下,政府という「表の権力」に影響を及ぼしているのかを明らかにする「権力を動かす「権力」の構造~ディープステート論を超えて~」と題した特集をここに企画したわけです.
財務省や経団連,医師会やグローバル資本や米中などからの影響に左右されない,あくまでも「日本の国民,日本という国家」のための政治を実現するためにも,ディープステートと呼ばれる「権力を動かす権力」の構造をしっかりと,ご理解いただきたいと思います.そのためにも是非とも,本紙最新号
「権力を動かす「権力」の構造~ディープステート論を超えて~」
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定期購読:https://the-criterion.jp/subscription
を是非,ご一読いただきたいと思っております.どうぞよろしくお願い致します.
追伸1:「日本版DS」の中心組織といえば勿論財務省.その財務省がどんな工作をしているのかを…下記にて纏めました.是非ご一読下さい.
『宮沢洋一現自民党税調会長による不当なる自民党内工作について』
https://foomii.com/00178/20241214120652132645
追伸2:日本に「保守施政権」が今,誕生すれば,トランプと共に「DSの超克」が可能となります!…が石破なら絶対無理.じゃぁ,どうすれば良いか…是非下記をご覧下さい.
【岸田も石破もこれを読め!】アメリカへの「依存」から脱却し「対等」に付き合うためにこそ,『反欧米論』が必要である.是非,表現者クライテリオン最新号をご一読下さい.
https://foomii.com/00178/20241203094741132221
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