日本経済

2024年8月11日

【三橋貴明】右のレンズは貨幣、左のレンズは歴史

【近況】

最近、三橋は貨幣(経済)に加え、
歴史も知ることが
「世界をクリーンに見るメガネ」のために
必要だと考えるようになりました。

右のレンズは貨幣、
左のレンズは歴史、
ってところですかね。

貨幣に関する正しい知識を得れば、
現在の状況が綺麗に見えてくる。

そして、歴史を知ることで、
今の苦難は
「過去に人類が何度も苦しめられてきた苦難」
であることが分かります。

「国の借金で破綻する!」
「今の自分たちの苦しみは
過去に前例がない特別のものだ!」
と、思い込んでしまうと、
あまりの「暗闇」に思考が停止する。

実際には、
日本が財政破綻する可能性はゼロですし、
今「程度」の苦難など、
過去の人類は何度も経験している。

とりあえず、日本ほどではないですが、
長期間続き、ゆったりと衰退し、
第一次世界大戦
(そして第二次世界大戦)
の切っ掛けとなった「帝国」について
学ばれるのは如何でしょうか。

オスマン帝国です。

オスマン帝国は、
「トルコ人の帝国」「イスラム帝国」の印象が
強いです。
公用語は確かにトルコ語でした。

とはいえ、
実際には民族も言語もバラバラ。
イスラム法に基づき、
キリスト教徒やユダヤ教徒も
(税金を払えば)
普通に暮らすことができた。

当時のキリスト教世界では、
ユダヤ教徒やイスラム教徒は
「住むことができない」ケースが
多かったので、
「異教徒でも税金を支払えば、
住んで良いよ」
というイスラム法の支配は、
相対的に「寛容」だったのです。

オスマン帝国の行政を取り仕切った多くは、
バルカン半島出身の官僚たちでした。
オスマン帝国は
「小アジア(アナトリア)」で
建国されたのは確かですが、
当初はバルカン半島の国として
興隆していきました。

ちなみに、オスマン帝国のスルタンは
確かに男系ではトルコ系です。
とはいえ、
歴代スルタンの母親のほとんどが
「外国人」であるため、
トルコ人の血は凄まじく薄くなりました。

そもそも、当時のオスマン帝国では
ギリシャ人やウクライナ人など、
スルタンの子供を産んだ女性たちが
「外国人である」
という認識すらなかった。

領土としての最盛期、
オスマン帝国は
西は北アフリカ一帯、
南はアデン海、東はカスピ海、
北はドナウ川にまで広がっていました。
バルカン半島の国々は、
ハンガリーも、ルーマニアも、
セルビアも、
全てオスマン帝国の支配下。

ここまで広がると、
特定の民族主義
(あるいは宗教)
に基づく支配は不可能で、
必然的に「グローバルな帝国」
となったわけです。

また、オスマン帝国には
重商主義的な傾向が一切なく、
生産も交易も
「お好きにどうぞ」という
スタイルでした。

オスマン帝国と敵対した
ヴェネチア共和国も、
平時であれば普通に交易特権を認められた。

「宿敵ロシア」の出現以降、
オスマン帝国は長期間かけて
衰退、崩壊に向かうことになります。
各地の「民族」が独立を求め、
ギリシャの独立を皮切りに、
一気に分裂の方向に向かいました。

現代に繋がるグローバルな帝国、
オスマン帝国について詳しく知りたい方は、
是非とも経世史論にご入会下さい。
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現在、「至高の国家」「征服者たち」
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そもそも国債とは何なのか? 
中央銀行の始まり
(イングランド銀行設立)
の歴史を知れば、
国債が単なる「貨幣」であることが
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高まっているので
解説します。
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https://youtu.be/LFg-ySCw6IY

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
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7月20日(土)、
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https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2173
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◆チャンネルAJER 
「国債の二つの役割、
政府の貨幣発行と日銀の貨幣発行(前半)」
三橋貴明 AJER2024.7.30
https://youtu.be/tj7sdQixnSU

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