From 佐藤健志
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「日韓通貨スワップの再開」
「韓国国会議員らの竹島上陸」
「オーストラリアでの慰安婦像設置」
自国の利益のためにすり寄りながらも、
執拗に嫌がらせを続けてくる韓国。
私たちはこのような隣国とどのように付き合っていけばいいのだろうか?
三橋貴明が、韓国という国の正体、さらには日本がなすべきことなどについて解説する。
月刊三橋最新号
「韓国の研究〜なぜ、日本は翻弄され続けるのか?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
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ネットに面白い記事が出ていました。
いわく。
金正恩氏が激怒した北朝鮮庶民のジョークとは?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kohyoungki/20160904-00061821/
同国では目下、国家安全保衛部(要するに秘密警察)が国民にたいして
「内部の不純分子の敵対行為に警戒心を高めなければならない」
と説き、思想統制を強めているのだそうです。
ナイブのフジュンブンシのテキタイコウイなどというと、なんとも物々しい響きがありますが・・・
さて、お立ち会い。
この「ナイブのフジュンブンシのテキタイコウイ」なるものは、具体的に何を指しているのか?
記事によると以下の通り。
その思想統制の中身とは最高尊厳を揶揄することは許さない、すなわち「金正恩氏をジョークのネタにするな!」というものだった。
ご存じのとおり、北朝鮮において言論の自由は極端に制限されています。
とはいえ不平や不満がたまってくれば、何か言わずにいられなくなるのが人間の本質。
そこで同国では、庶民から党の高級幹部にいたるまで、かりに言質を取られたところで処罰されないようなジョークを口にするのが、ストレス発散の手段となっているらしいのです。
社会主義(ソ連)時代のロシアでも、同じ現象が見られましたから、世の中は変わらないものですね。
で。
最近、国家安全保衛部が問題にしているジョークのひとつがこちら。
これは全てアメリカのせいだ!
記事から解説を抜粋しましょう。
このジョークは、10年以上前から使われてきた。金日成時代から、北朝鮮当局は国際的に複雑な問題が起きる度に、無条件に「アメリカのせいで起こった事態」と主張してきた。
こうしたことから、何か問題が起きた時、誰もがわかる原因に対して、とんでもない理屈をこじつけて強弁を張る中央の姿勢を「これは全てアメリカのせいだ」と揶揄する。
(段落分けを変更)
なるほど、なるほど。
けれどもこの話、どこかで聞いたおぼえがないでしょうか?
そうです。
わが国の保守派と呼ばれる人々(少なくともその一部)にも、自分たちにとって都合の悪い出来事が起きるたび
「これは全てアメリカのせいだ!」
と、真剣に主張する傾向が見られるのです。
バリエーションはいろいろありますよ。
「これは全てアメリカが陰で圧力をかけているせいだ!」
とか、
「これは全てアメリカが日本を従属支配してきたせいだ!」
とか、
「これは全てアメリカの占領政策のせいだ!」
とか、
「これは全てアメリカが敗戦直後に行った、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)のせいだ!」
とか。
だとしても、何もかもアメリカが悪いという結論にたどりつく点は同じ。
しかしですな。
この発想、かなり情けないものがある。
日本人の主体性をめぐる問題が、みごとに棚上げされているからです。
アメリカの圧力や従属支配に抵抗できない、日本(人)のふがいなさは見過ごしてよいのか?
七年たらず(1945年9月〜1952年4月)で終わった占領の影響から、60年以上たっても自由になれない腑抜けぶりは何なのか?
それともアメリカは、わずか七年たらずの占領で、一国の国民を未来永劫、腑抜けにしてしまえるほどスゴい国なのか?
もしそうなら、どのみちアメリカに勝てるはずがないから、あきらめて服従する以外にないのではないか?
ちょっと考えただけで、これくらいの疑問はすぐに湧いてくるでしょう。
しかるに、「これは全てアメリカのせいだ!」と力説したがる人々に、上記の疑問をぶつけたらどうなるか?
お分かりですね。
キレます。
「そんなことを言うのは、お前がWGIPに洗脳されている証拠だ! つまりお前は敗戦利得者で、潜在的な反日勢力だ!!」
などと叫び出すに決まっている。
WGIPに洗脳された人間が、「WGIPの洗脳から自由になれない主体性のなさ」を問題にするだけの主体性を持っているというのは、論理的にツジツマが合っていませんが、それは脇に置きます。
痛いところを突かれて、なお論理的に整合性のある返答ができるぐらいだったら、最初からキレたりしませんよ。
真の問題は、くだんの反応が
「内部の不純分子の敵対行為に警戒心を高めなければならない」
という北朝鮮国家安全保衛部の主張と、まったく同じであること。
だって、そうじゃないですか。
「何もかもアメリカが悪い」という発想を、大真面目に信じようとしない者は、同国に洗脳された潜在的反日勢力だと来るんですよ。
つまり「(日本、ないし保守派)内部の不純分子」ということでしょうに。
北朝鮮を敵視しているはずの保守派の中に、ほかならぬ北朝鮮国家安全保衛部と、まったく同じ趣旨の主張を展開する人々が見られる。
じつに興味深い話ではありませんか。
もっとも、このような態度は保守派の専売特許ではありません。
左翼・リベラルと呼ばれる人々にも、自分たちにとって都合の悪い出来事が起きるたびに
「これは全て自民党政治のせいだ!」
とか、
「これは全て安倍総理のせいだ!」
などと、
やはり真剣に主張する傾向が見られる。
例によって、自分たちの主体性をめぐる問題が、みごとに棚上げされているのです。
自民党なり安倍総理なりが、そこまでの悪政をやらかしているのなら、国民はとっくにイヤになっているはず。
にもかかわらず、選挙で野党が連戦連敗してしまうのは、一体どういうことなのか?
こんな疑問をぶつけたら大変でしょうねえ。
現に民進党界隈では、「内部の不純分子の敵対行為に警戒心を高めなければならない」状況がモロに顕在化しています。
新たに党の代表となった蓮舫が、よりによって野田佳彦前総理(=2012年、民主党政権を崩壊へと導いた責任者)を幹事長に起用したこともあって、
自民党に対抗するどころか、党消滅にいたる内ゲバが始まるのでは?!
と評されているのです。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190136/1
はたしてこれは、わが国の政治や言論の状況について、何を暗示しているのでしょう?
あるいは、これも全てアメリカのせいなのかな?
きっとそうだ。
それ以外に考えられない。
みなさん、ご一緒にどうぞ!
これは全てアメリカのせいだ(笑)!!
ではでは♪
<佐藤健志からのお知らせ>
1)「これは全てアメリカのせいだ!」などという主体性のない発想で戦後脱却を試みると、いかなる結末が待っているかはこちらを。
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2)いわゆる保守派のあり方に見られる主体性の不足について、もっと詳しく知りたい方はこちらを。
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3)敗戦から70年あまり、主体性を欠いたままやってきた戦後日本の実情についてはこちらを。
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4)北朝鮮の指導者は「最高尊厳」と呼ばれているようですが、フランス革命の際には「神」が「最高存在」と言い替えられました。教会、ないし宗教を否定する風潮に合わせたものですが、この類似は何を意味するのでしょう?
『新訳 フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』(PHP研究所)
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5)「時々刻々、われわれは見聞を広め、知識を深めている。根性はアメリカ魂の本質だし、臆病風に吹かれたことも一度としてない」(190ページ)
裏を返せば、腑抜けに独立達成は無理ということですね。
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6)そして、ブログとツイッターはこちらをどうぞ。
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ーーー発行者よりーーー
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