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2021年1月28日

【藤井聡】西浦氏の論文が示すデータは「GoToトラベルで感染拡大」を示す根拠では全くない。

From 藤井聡@京都大学大学院教授

この度、こういう報道が新聞紙上、ネット上を賑わせました。

GoToトラベルで旅行関連の感染者増加か。西浦教授ら京大グループが発表
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b83d2318f30f4e93dc7bca4c5481e79d6f04d69

「GoToトラベル」感染者拡大に影響か 京大の西浦教授らが分析
https://www.tokyo-np.co.jp/article/81968

「GoToトラベル」開始後に旅行関連の感染者増加 京大・西浦教授分析
https://mainichi.jp/articles/20210125/k00/00m/040/176000c

こういう「見出し」を見ると、

「GoToトラベルのせいで感染拡大したんじゃ無いの!?」

という「予断」を持っていた人は、ほとんどが、

「やっぱ、GoToトラベルのせいで感染拡大したんだ」

と思うことは間違い有りません(社会心理学ではこういう心理は「確証バイアス」と呼ばれる、極めて一般的な心理現象であることが知られています)。

そういう予断を持っていない人でも、その多くが、

「え?やっぱりGoToトラベルって、感染を拡大させたんかなぁ?」

という印象を持つでしょう。

かく言う当方も、さすがにその見出しを見た時、そういう印象を持ちました。かつて、

『「GoToトラベルが原因でコロナリスクが2倍!だから、感染抑止のためにGoToトラベル減らすべしということが明らかになった!」というデマ』
https://38news.jp/media/17194

という記事をネット上に公表し、「(とある報道を見て)GoToのせいで感染が拡大したって話を科学的に証明されたと思う人がいるようだが、そんなのデマだから、欺されちゃダメですよ」という事を公言していたにも関わらず、です。

しかしだからこそ当方は、この記事を目にしてからスグに原著の英語論文を確認し、本当にGoToで感染が拡大したってことが、科学的に明らかにされたんだろうか……という事を確認致しました。
https://www.mdpi.com/2077-0383/10/3/398/pdf

で、確認したところ…

この西浦論文は、「GoToによって感染が拡大した」ということを「証明」する論文では全く無いどころか、その「可能性を示唆」するものですら無い、ということが明らかでした(むしろその逆の可能性、つまり、感染拡大に全く寄与していない可能性を示唆するものでもありました)。

なぜそう確信したのか…というのを、以下に簡潔に解説したいと思います。

まず、この西浦論文は英語ですので、一般の方には読みづらいと思いますので、そのデータを簡潔に紹介した、この飯田泰之さんのコチラのブログに基づいて解説したいと思います。

https://note.com/iida_yasuyuki/n/nb2ad657d55e4

このブログには、西浦論文にどういうデータが載っているのかを、分かり易く紹介しておられます(図表については、西浦論文との乖離は無いと、当方も確認しています)。

このデータを見ると、西浦論文の「アブストラクト」(その論文の概要をまとめた短い文章)が、極めて不誠実なものであることが分かります。

西浦氏は彼の論文の中で、次の様に明記しているのです。

「GoToキャンペーン中の旅行関連COVID-19症例の発生率は、2020年6月22日から7月21日までの管理期間の約3倍、7月15日から19日までの管理期間の約1.5倍でした」(The incidence of travel-associated COVID-19 cases during the tourism campaign was approximately three times greater than the control period 22 June to 21 July 2020 and approximately 1.5 times greater than the control period of 15 to 19 July.)

この文章を分かり易く言い直すと、以下の様なものです。

「GoToキャンペーンの開始直後の5日間に、旅行していた人の感染者数が、(GoToキャンペーンが始まる前の)約1.5~3倍に増えた」

この部分だけを見ると、確かに、GoToの「せい」で感染する人が1.5~3倍に増えたんだなぁ、という印象を持ちます。

そして、この「印象」に基づいて各社は先のような見出しを付けて、どうやらGoToの「せい」で感染が増えた可能性を示す論文が公表されました、と報道したわけです。

つまり、メディア各社は、西浦氏の論文のアブストラクトの情報を、中身を読まずにそのまま「垂れ流す」形で報道したのです。

しかし、この5日間に「旅行していなかった人」の感染者数も「約1.4倍~3.7倍」に増えているのが実態なのです!(西浦論文の中の数字からそれが読み取れます)

つまり、GoToキャンペーン前の感染者は、旅行した人もしていない人も「増えている」のです。したがって、この西浦が提示したデータは、「旅行した事が『原因』で感染者が増えた」ということの証拠には、一切なっていないのです。

というより、このデータはむしろ「GoToが感染拡大に寄与していない」ことを(統計的有意にと言うわけではありませんが)示唆するデータと、定性的に解釈することすらできそうに思われます(なぜなら、「旅行していない人の方が感染者数の増加率が高い」のですから)。

いずれにせよこの西浦氏のデータは、ただ単に「GoTo期間の前よりもGoToが始まった時の方が、旅行しているかどうかに関わらず、感染者が増えている」ということを意味しているに過ぎないのです(ちなみにそうなっているのは、その期間が第二波の拡大中の時期だったからと考えるのが普通でしょうね)。

にも関わらず、西浦氏は、論文のアブストラクトに、

「GoToキャンペーンの開始直後の5日間に、旅行していた人の感染者数が、(GoToキャンペーンが始まる前の)約1.5~3倍に増えた」

という「事実だけを」書いているのです。

繰り返しますが、これは「事実」ではあります。その意味で、西浦氏はハッキリとした「嘘」を書いているわけではありません。

しかし、この事実は、上記の理由にてGoToキャンペーンが「原因」で感染が増えたという「証拠」には一切なっていないのです(馬鹿でなければ全員がそれを理解できる話です)。

にも関わらず、上記事実「だけ」を書いて、旅行していない人の感染者数もそれと同等に増えたという事を書かなければ、そのアブストラクトを読んだ人の多くが、

「GoToキャンペーンが『原因』で感染が増えた」

「勘違い」することは火を見るよりも明らかです!

西浦氏はそれを分かって、そんなアブストラクトを書いたのでしょうか?そうだとしたら、この論文そのものが、定義上「詭弁」ということになるでしょう(万一、そういう事が分からずにそういうアブストラクトを書いたのだとすれば、相当な馬○ということになりますが…それはさすがにないのではないかと…想像します)。

(なお、それ以外にも、この論文に、GoTo開始後24日間でデータを見れば、旅行した人の感染者数は「減っている」という重要なデータを報告していない、という問題もあります。なぜ、それを報告しなかったのでしょうか…単に「GoToをけなしたい」という動機を持っていれば、そういう論文を書くでしょうが、それが原因かどうかは、当方には分かりかねます)

以上について、当方の勘違いがあれば是非、随時ご指摘いただければ幸いです。

ちなみに、論文そのものには、明らかな間違いは書かれていません。だから、その雑誌も掲載したのでしょう。しかし、普通に読めば誤解することが仕組まれているような記述がある、ということを以上に指摘した次第です。
(ただし,アブストラクトに書かれている「8倍」という数字は間違いであることが事後的に報告されているようです)

本件についてご関心の方は、本原稿を参照しつつ西浦論文を是非、じっくりとご覧になってみて下さい。

追伸:
『この度、田原総一郎氏と対談本を出すことになりました。田原氏の佇まいに西部先生の面影が垣間見え、感慨深い対談となりました』という記事を配信しました。ご関心の方は是非、下記ご覧下さい!
https://foomii.com/00178/2021012313465675724

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  1. たかゆき より

    風桶理論 

    風が吹けば 桶屋が儲かる

    って 理屈ですか、、、

    風が吹けば

    ウィルスが拡散されて

    感染者が増加する かも

    天候と感染者数の

    相関関係も考慮すべき項目 と

    浅学の小生は

    考える 次第なのだ ♪

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      1. 蛇足 より

        中堅中小企業の希望を実現するBlog
        より 引用

        「相関関係」と「因果関係」の違い
        相関関係とは、関連する2つの事柄のうち、一方が変化すれば、他方も変化するという関連性をいいます。数学の場合は、ひとつの変数が増えてもう一方の変数も増えたら「正の相関」、反対に2つの値が両方とも減少したら「負の相関」といいます。
        これに対して因果関係とは、一方の事柄が原因で他方が結果となる関係です。「AだからBとなる」といえる事象は因果関係になります。

        ことわざからみる具体的事例
        相関関係と因果関係についてよくみられる混同例としては、本当は「因果関係(原因と結果)」なのに「相関関係(常に関連する関係)」だと思い込んでしまう場合があります。たとえば、よく知られている日本のことわざで、「風が吹けば、桶屋が儲かる」があります。これは「因果関係」でしょうか?「相関関係」でしょうか?

        「風が吹けば、桶屋が儲かる」は下記の順序で話が展開していきます。
        突風で砂ぼこりが立つ
        砂ぼこりが目に入り、視力を失う人が増える
        三味線を買う人が増える(※江戸時代では、三味線弾きは視覚障がい者の代表的な職業でした)
        三味線の皮の材料として猫の皮が必要になり、猫が捕獲される
        猫が減るとねずみが増える
        ねずみが増えて、かじられる桶が増える
        桶の修繕や買い換え需要が増え、桶屋が儲かる
        この事象は「因果関係」といわれます。ただし、「視覚を失うほどの突風が吹いているのに、何の対策もせずに外を出歩く人はどれくらいいるのか」「視覚障がい者となった人の全員が三味線弾きを選ぶのか」とひとつひとつの事象について突きつめて考えていくと、1~7に至る実際の因果関係は限りなく低い可能性があります。

        そのため、最近ではこの有名なことわざも「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげたこじつけの理論」という指摘もあるようです。
        このほか、たとえば、「英語力が高い社員ほど、仕事の習熟度が高い」というデータがあったとします。この場合「仕事の習熟度が高いほど、英語力が高い」とはいい切れませんね。このように、因果関係の場合は必ずしも「AだからBとなる」事象に対して「BだからAとなる」といえないことがあるのです。

        バイアスをかけすぎると結果を見誤ることも
        強い相関関係があると、つい因果関係に結びつけたくなりますが、単なる偶然や疑似相関の場合もあります。 疑似相関とは、「因果関係のない2つの事象であるにもかかわらず、見えない要因が作用して因果関係があるかのように推測されてしまうこと」をいいます。たとえば、「購入者の○○%が満足しています!」という宣伝文句があったとします。満足度を示す数値の出典は、企業が独自に実施した過去の購入者へのアンケートです。こうしたアンケートは多くの場合、何回も購入しているリピーターを対象に実施されています。何回も購入しているということは、商品に満足している可能性が高く、データ上の満足度も高い数字が出るからです。つまり、製品を購入した人全体の○○%の人すべてが、必ずしも満足するとはいえません。「○○%」には、「購入回数」という別の因子も絡んでいるのです。

        偶然にすぎない事象に対し「こうであるに違いない」と先入観によるバイアスがかかりすぎると、結果を見誤ることもあるので注意が必要です。また、他者のデータを見るときも、上記の例のようにあらかじめ絞り込まれた母集団が調査対象になっている場合もあるので、注意しましょう。
        「原因」と「結果」だけを見てしまうと、あたかも強い関連性があると錯覚してしまうことがあります。さまざまな内外要因が複雑に絡み合う現代のビジネスにおいて、この判断を見誤るのは致命的です。しっかりと“事実”に基づいたデータを分析し、“真実”を見抜く習慣をつけましょう。

        以上 引用 おわり

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  2. 大和魂 より

    これが分科会の尾身氏と、単なる専門学者の西浦氏や岩田氏との歴然とした差なんです。

    つまり尾身氏は、昨年の五月の段階で新型コロナが変異してくることを予め予見したから、神のみぞ知る発言をしたり現状の状況によっての対応と方向性をデータの分析結果を踏まえて、適正な発表を行っているのです。

    さらにそれくらい常識ある学者ならば、数年前の理研の大問題やら安倍前政権下での行政の不祥事などによりメディアと行政がズブズブの関係やら、米国の不正にまみれた大統領選挙を受けて何かしらを感じ取り、それで公共に向き合う行動は必至ですね。

    しかも与野党の連中や行政やメディアなどの関係者が実質やっている事も、その実態は半グレや反社会勢力と同じくデマやら詐欺まがいの虎の威を借る狐状態だから、学者の需要を更に高めるべきなのです。

    そうすればそこでハッキリと偏向報道するメディアと日本維新の会こそが、日本社会での無駄だとの認識に辿り着きます。

    よって両者には存在にすら値しないから追放すべきなんですね。

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  3. 名目はどうでも良い バカ政府の無謀な振興策をフリーハンドと捉えた連中は多い筈 より

    宮古島の感染拡大は明らかに本土あるいは沖縄本島からもたらされたものでしょう、
    画一的 (アホアベの言う所のガイチ的) 倍数計算では無く
    特に局所精密観測追跡調査、
    離島等は自然発生等あり得無いのは明白。

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        1. オマエもアホアベ一味 統一教会だろ より

          ウリナン チョセン
          どうだ、オマエの母国語だろ 
          チョンガーーーーーーーーw

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          1. ↑↑  あ の あ はアホのあ より

            内容のない如何にも統一教会チョン信者
               ガタガタ抜かすな、
               落ち目の癖にwww

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        1. あーーーーーフォ より

          ウンコ食い野郎か田布施か?
          どのみちチョンだろ、キムチ野郎!
          あ、あほ、あへ、あなる、悪魔、悪人、
          何と言っても安倍 安倍 安倍 安倍
          シケイが妥当だろ、あーーーーーほ。

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  4. 麦粒 より

    単純化してみる。

    (1) 自粛継続者。
    (2) 自粛からのGoTo旅行者。
    (3) キャンペーンを合図にリスク活動を活発化した者。

    さて、どうでしょう。

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  5. 利根川 より

     新型コロナ感染症が流行り始めた当時、日本に比べアメリカの患者は激烈な症状を訴えるケースが多くみられた。
     アメリカは日本よりも早い段階で中国からの渡航を禁止していたが、それによって抗体依存性感染増強が生じ、かえってG型ウイルスを強化・増強して劇症化を起こしてしまったのではないかと言う論文がでている。
     一方で、(中国の情報なので信憑性がどの程度かは分からないが)厳しい自宅待機命令と政府による積極的な投資(集中治療)によって早期に正常化した国もある。
     新型コロナウイルスに関しては、いまも続々と新情報が発表されている。
     最近では、スペインの研究者がマウスを使った実験で、マウスの肺からウイルスが検出されなくなった後もマウスの脳内からは多量のウイルスが検出されたという発表があった。
     新型コロナウイルスは血液脳関門をスルーパスするのでしょうか。
     後遺症についても様々な報告がされている。
     嗅覚味覚障害については多く報告されているようだが、それ以外にも倦怠感や脱毛、皮膚の炎症など様々な症状が報告されている。
     ただ、これらがウイルスそのものによる影響なのか、ウイルス以外の社会的要因(ストレス)によるものなのかはっきりしたことはまだ分かっていない。
     治療についても、他の感染症や糖尿病を悪化させるため全ての人に適用できるわけではないが、ステロイド剤を投与することで一時的に持ち直すことがあるので、医療点数などをいじれば一般の診療所への協力も仰ぎやすくなるのではないかと言われている。
     パルスオキシメーターで、血中酸素飽和度が91を切っているのに息苦しさなどの自覚症状がなく、その後急激に症状が悪化して手遅れになるケースがある。このことからパルスオキシメーターを自宅療養者に持たせてみたが、使用法が分からないといった例があった。
     何が言いたいのかと言うと、新型コロナウイルスが流行り始めてから1年経っても新情報は続々と発表されているし、まだまだ分からないことだらけだと言うことです。確実なことはまだ何も言えない。
     第一波の際、このようなやり取りがあったのを覚えておられますでしょうか。

    国民「エビデンスに基づく対応をやってくれ」

    ips細胞の山中伸弥教授「新型コロナウイルスは未知のウイルスなので、エビデンスはこれからの研究で確立されていくものです。いまは、『有効だと思われること』をやるしかない」

    本日の西浦教授の論文でも

    西浦教授「Go to トラベルが始まる前と比較して始まった直後の7月下旬の”旅行者は”3倍の陽性者数となった」

    マスコミ「Go to トラベルのせいやないかい」

    西浦教授「旅行に”行かなかった人も”3倍陽性になってる」

    マスコミ「ほな、Go to のせいやないのか」

    西浦教授「本格的にGo to の利用者が激増した8月はGo to が始まる前よりも減ってる」

    マスコミ「ほな、Go to のせいやないのか」

    こんなやり取りがあったようですが、要するに何も分かっていないわけですよね。
     本当に確実なことが言えるようになるのは残念ながらもっと後のことになると思います。
     分からないことに対する対処の仕方など何が正解か分からないのだからケンカをするようなことではないと思うんですけどね。
     ただ、分からないからこそ恐怖が増すという部分もあると思います。
     平成30年厚生労働省による死因の統計をみると

    1位 癌     年間37万3547人
    2位 心疾患   年間20万8210人
    3位 老衰    年間10万9609人
    4位 脳血管疾患 年間10万8165人
    5位 肺炎    年間9万4654人

    となっていて、新型コロナ関連死よりも癌や血管障害の方がよほど死亡リスクが高いわけです。なのに、このコロナ禍が始まってから

    ”受診控えなどによって癌や喘息、高血圧などの疾患で悪化が診られたという報告が4割も増えている”

    とのことでね。
     去年の夏も猛暑でしたが、イケメン小泉環境相が「猛暑の中での外出の際は無理にマスクの着用はしなくても平気です。体調と相談して無理のない範囲で」と言っていたにもかかわらず、マスクをつけて出歩いて熱中症でぶっ倒れていた人も結構いたわけです。
     コロナで死ななければ他の病気で死んでもいい、これでは本末転倒と言うものでしょう。
     これはTVメディアが過剰にコロナの恐怖をあおったせいもあると思います。そもそも、

    何人検査して、内、何人にPCR陽性反応が出た

    こういうふうに言ってくれないと増えてるんだか減ってるんだかわからないでしょう。毎日毎日陽性者数だけ報告されても(困惑)
     で、現状、新型コロナウイルス感染症に脅威を感じている人は多いと思います。その状況で旅行を振興したりすれば

    現場ではケンカになっちゃうこともあったかもしれません(困るのはお店側)

    感染が増えるかどうかということではなく、トラブルは増えるんじゃないかとは思ってました。補償無き時短要請とかで心がささくれ立っているのもありますしね。

    飲食店「うちは昼だけの営業形態だから協力金すらでてないよ…ハハ」(出してるフリだけは上手だな)

    何が正解かわからないコロナ禍でも100%絶対にやらないといけないことはあって、それは

    安藤裕議員「100%粗利保障を急いで準備すべきです」←去年の3月にはこの提言を自民党本部に提出していた

    コレですよね。
     
    医師「電子データに過ぎないお金は幾らでも即座に増やせるのかもしれない。でも、金なんぞ貰ったって医療機器やスタッフといった現実のモノはすぐには増えません」

    そうおっしゃる方も居ますが、じゃあ、金すら出さずに何とかしろと言われてどうにかなるものなんでしょうか。
     分からないこともありますが「やらないといけない」と分かっていることもあるわけです。一番やらないといけないことをやらずに

    Go to とか協力金6万円

    で”やっているフリ”をしているのはズルいな~と思うわけですよ。官僚作文を読んで会食をしてるだけで莫大な報酬がもらえるなら私でもやれそうです。これは杉村 太蔵先生がやりたがるわけだ。
     昔、クライテリオンの記事で柴山桂太さんが、本当の政治判断というものには「正解がない」といった旨の話をされているのを見ました。
     まだまだ未知の部分が多い新型コロナウイルス。このコロナウイルスについての対応も「正解がない」部分はあるのかもしれません。
     ただ、わたしが読んできた記事の著者は、どの方も少しでも死者を少なくすることを目標として情報をあげていたようにおもいます。
     どちらが悪ということではないと思うので、情報の共有が妨げられることが無いよう願います。いつも貴重な情報と記事をありがとうございます。

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      1. 利根川 より

         感染症対策のイロハは、水際対策。早期発見早期隔離とのことで、ダイアモンドプリンセス号の話題でもちきりの頃は、私もとにかく接触を少しでも減らして感染拡大を抑えるべきだと書きました。まあ、私の浅知恵に対し、たいへんなお叱りが殺到することになりましたが…
         第一波の際(緊急事態宣言が全国に出された後)は、人口が集中している東京ですら通勤電車にまったく人が乗っていない状況もみられるほど人出が減りました。
         神戸大学の研究者が数理モデルを使って計算した結果、この期間の接触は86%減少していたとする論文も発表されています。
         我々はナマモノなので、どうしても食料調達には行かねばならないし、インフラに携わる仕事の方は緊急事態下でも休むことはできなかったとは思いますが、独裁国家ではない日本としては限界まで自粛していたのではないのでしょうか。
         その成果もあって、発表されているPCR陽性者数は減っていった(東京都発症日別陽性者数推移参照)のですが、緊急事態宣言がまだ解除されていない5月25日以前の段階ですでに増加の兆候はあったようにみえます。
         あれだけ激しく自粛が行われたのに一桁台まではいくものの、0にはできませんでした。あのままどれだけ続ければ0にできるのか、あれからさらに長期間続けたとして”検査から漏れている人も含めて”本当に0にまで持っていけるのか分からなくなりました。

        中国「うちは0にできた」←信憑性

         そうこうしているうちに、受診控えや身体機能の低下などから「コロナ以外の病気」の病状が悪化していくケースも報告されるようになってきました。
         本当に0にまで持っていけるのなら「他の病気での死亡」というリスク、そして社会活動の停止というリスクを負ってでもやる価値はあると思いますが、一ケタ台までは下がるものの、それ以上は減らない、それどころか緊急事態宣言解除前なのに二ケタ台まで戻ることすらあったということでは…
         ウイルスのスパイク部分は変異するが、0に出来ない以上いずれはまた増加していくことになる。
         実際、

        「秋以降、まだI型やH形といった変異種が流行るだろう」

        と言われていましたが、その言葉通り第二波、第三波がやってきたわけです。
         当たり前ですが、死人だって出ているわけで、やるのなら効果のあることをやるべきです。
         
        神戸大学「緊急事態宣言下では接触は86%減少していた」

        それほど減らしても0にできず、第二波第三波に続いてしまった。
         工夫をすればまだまだ人出は減らせるという方もいるかもしれませんが、食料の確保やインフラの維持など、どうしても仕事を休めない方も居るので、あれ以上減らせるとは思えませんし、あそこまでやっても完全終息までもっていけないというのでは効果的と言えるのか判断に悩みます。
         おそらく、中国モデルをめざして強烈な外出禁止で終息させるべきという意見の方が多いのだとは思いますが、前述のとおり一度爆発的に広がってしまったものを本当に0にできるのか不明であるし、0にもっていくまでどれだけ時間かかるのか分からない以上、中途半端だとは思いますが

        「100%粗利保障で”休める人”には休んでもらい、なおかつ、コロナ以外の患者が受診控えなどしなくて済むよう無暗に危険性を煽るのをやめる、コロナ以外の患者の受け入れ態勢”も”構築する」

        こうやって付き合っていくしかないように思います。
         コロナとそれ以外、どちらもフォローしていく医療体制としては松本モデルが一つの例として参考になるのではないでしょうか。
         松本市の方ではダイヤモンドプリンセスの頃から

        「あれで終わり」

        と思わずに対策が話し合われていて、市が音頭を取って新型コロナ患者を優先的に受け入れる病院、あえてコロナ患者を受け入れないでそれ以外の患者を診る病院、と病院間で連携を取って(民間病院も含めて)回しているそうです。
         
        「新型コロナ患者もそれ以外の患者も、どちらも助けなくてはいけない所が辛い所だ」

         松本モデルは、どちらも助けるために市が音頭を取って横の連携が実現できたケースだと聞きましたが、詳しくお話を聞くと、こういったことは市なり国なりが音頭をとらないと難しいのだそうです。

        三橋貴明「専門家集団が縦割りなのは当たり前。横の連携をとるのは政治家の仕事」

         東京の場合は、松本市よりもはるかに人口の密集度が高いので簡単ではないと思いますが、この1年、政府は松本市のように何らかのアプローチをしたのでしょうか。
         成功例として中国と言う国があるので、あのモデルを目指すというのも一つの正解だと思うのですが、第一波の時の緊急事態宣言以上の強度、それ以上の期間やった場合、コロナ以外での死亡リスクがどうなるのか分からないし、それで本当に0にまで持っていけるのかも(第一波の時のように一桁止まりでまた増加して行ってしまう可能性)もあるので、現在の私は”今後のためにも”それ以外の方法(100%粗利保障と病院の受け入れ態勢の整備増強)を支持しています。
         これが政治家であるなら政策一つで死人が出るのだから掴み合いの喧嘩をしてでも何か一つの政策を選ばなくてはならないわけですが、政治家以外の国民が喧嘩をしていてもなにもいいことはないので、こういう時くらい喧嘩はよしてもらいたい。

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  6. ホワホ より

    データを拷問すればどんな証拠でも出ます
    無い事の証拠を出す事すら簡単でしょう

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  7. 直美 より

    飯田先生のブログを紹介してくれるんやったら、西浦先生が同趣旨で全編日本語で書いてはるもんのタイトルだけも紹介してくれたらよかったのに。しかも西浦論文そのものからでなく飯田ブログに基づいて解説って。何なんそのほのぼのとした泰之愛は。何か昼間っから見せつけられてるような気するわ。ってわたしの考え過ぎか。コロナ禍で腐って来たんやろか。

    「GoToトラベル」と感染拡大の因果関係について考える
    「無防備」なヒトの移動で感染拡大は自明
    2020年11月22日 西浦博(京都大学大学院教授)
    m3.com

    エントリーから離れますけど、解明途上とわかっていながら目に見える条件すら無視し、単純に数字を比較しただけで新型コロナの軽重までをも捉えようとする占い師みたいなふるまいって、わたしあんまり真似せん方がええように思う。ほんでもトランプのおっさんの時はその単純比較でコロナ対策やっとったらしいな。

    Assessment of Deaths From COVID-19 and From Seasonal Influenza
    JAMA Intern Med. Published online May 14, 2020.

    「新型コロナを単なる『季節性インフル』のように解釈する向きがあるかもわからないが、それは真実ではない」「単純比較ではなく、条件を揃えた上での比較が必要である」「政府の役人や一般の人が、これら単純比較による誤りを繰り返すと、公衆衛生の脅威となる」

    インフルで亡くなられる方ってCRSとかは少のうてたいてい細菌感染やいうし、そもそもワクチンも抗ウイルス薬も揃うてない新型感染症とまあまあ揃うてる既存感染症とを比べること自体どだい無理やて、年を跨いでもまだわからへんのかなあ。無理を通せば道理が引っ込む言いますやろ。道理を引っ込めるような無理をわたしらまで真似したらあかんわ。

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  9. 麦粒 より

    今、飯田さんの記事を見てきました。いい記事でしたよ。藤井さんの記事は酷いけど(笑)。

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      1. 麦粒 より

        Our descriptive analysis was too simplified to be able to conclusively determine acausal relationship between the tourism campaign and COVID-19 incidence in Japan. Inparticular, it must be acknowledged that the Go To Travel campaign started during a 4-dayholiday period. Thus, the enhanced number of tourists traveling throughout the country cannot be attributed solely to the campaign.

        西浦さんも、このように書かれているので、少なくとも方向性としては、飯田さんと対立していないのではないでしょうか。西浦さんがキャンペーン初期に着目したのは、キャンペーンが感染拡大を加速させる原因になったのではないか、ということじゃないですかね。

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  10. 追記 より

    飯田先生と中田大悟先生に対するお返事、西浦先生がm3.comで書いてはりますね。西浦さんに筆をとらせた飯田さん中田さんはなかなかやなあ。

    「Go To トラベル研究」に対するコメントへの公開返答書簡
    研究発表の経緯と2つの論点に対する見解
    2021年1月28日 西浦博(京都大学大学院教授)
    m3.com

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  11. 麦粒 より

    GoTo系、工夫して上手くやれば、減らす方向にも使えるかもしれないなぁ。増やすことにしか興味がない人ばかりだと、虚しいだけだけど(笑)。

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  12. 麦粒 より

    GoToの影響、沖縄とかだと解析しやすそうだけど、全国的には変化率がまちまちで、全体の影響を最初期だけで判定するのは、確かに難しそうだなぁ。しかし、そういうのを専門に追跡してきた人たちが出来るというのなら、出来るのかもしれない、とも思う。いずれにせよ、どちらが正しかったとしても、そうでなかった方を責めないでほしいな。当事者同士はよく心得ているだろうけど、他の人が。

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