From 藤井聡@京都大学大学院教授
驚くべきことに全くメディア上で報道されてはいませんが、10%消費増税による悪影響が様々な政府統計により示されてきています。そしてこの度、昨年の10月~12月の消費税直後の第四四半期について公表された経済産業省の商業動態調査から、そのダメージが決定的に深刻なものであることが明らかとなりました。
こちらのグラフは、消費増税によってどれだけ激しく「小売り販売総額」が下落したかを示しています。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2282947038472893&set=a.236228089811475&type=3&theater
ご覧の様に、小売総額は、消費増税直後の四半期に、実に前年から3・8%も下落していたのです。
この下落率は、(このグラフにも参考に示してある)14年増税の時よりも、さらには日本をデフレ不況に叩き落した97年増税の時よりも、さらに大きな下落率です。
また、このグラフをよく見ると、今回の10%消費増税が、最悪の状況下で行われてしまったことが分かります。
まず、97年増税、14年増税のいずれも、増税直前に、小売りが徐々に増えていき、直前四半期でおおよそ6%程度増加していました。これは、消費増税めがけて、人々が「駆け込み」で消費を行ったことを意味しています。
一方で、今回の19年増税の時も、直前四半期にこうした「駆け込み需要」が存在するのですが、その大きさは97年・14年の時のおおよそ半分の約3%程度しかなかったのです。
これはつまり、消費増税時点における各家計の購買力は、十分に「駆け込む」ことができない程に弱体化していたことを意味しています。
購買力がそれ程に弱体化していた状況下で消費増税が強行されたが故に、過去の増税時よりもさらに激しく小売りが冷え込んだわけです。
もうこれだけで、今回の消費増税が最悪の被害を日本経済に及ぼした様が見て取れますが、こちらの「卸売り」総額のグラフを見ると、その被害はさらにさらに深刻なものであることが見て取れます。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2284937631607167&set=a.236228089811475&type=3&theater
このグラフより、昨年の10%増税直後に、「卸売り」が実に8%も(!)下落していることが見て取れます。
この下落率は、過去二回の増税時よりも遥かに大きなものです。過去二回はいずれも2%程度の下落でしたから、今回の増税によって、卸売りは過去二回に比べて実に「4倍」もの凄まじい勢いで下落したわけです。
こうなった理由は、昨年2019年は、増税する前から既に卸売りが前年比「マイナス」で推移していたことが原因です。ご覧の様に昨年は第一四半期から第三四半期にかけて、おおよそ2%ずつ昨年よりも下落している状況にあったのです。
もちろん、消費税直前の四半期には、若干の「駆け込み需要」のおかげで下落率が幾分「回復」したのですが、その駆け込み需要も(小売り統計と同様)、極めて弱弱しいものでしたので、「プラス」に転ずることはありませんでした。つまり、消費増税直前には、駆け込み需要が幾分あったにも関わらず、もともと卸売りが下落しつつあった上に、その駆け込みの勢いも弱弱しかったため、驚くべきことに前年比で「マイナス」になってしまっていたのでした。
そして、そんな最悪の状況下で増税が強行されたため、8%も下落するという、未曽有の大被害が卸売業界を襲ったのです。
ではなぜ、19年の増税時点で、卸売りが「マイナス」で推移していたのかというと・・・外需=輸出が下落している状況下であったためです。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2285026411598289&set=a.236228089811475&type=3&theater
(このグラフに示した様に、18年は輸出が拡大していたのですが、19年は輸出が縮小していく状況下にあったのです!)
「卸売り業者」さん達は、「国内向け」には「小売り」業者に物品を卸しますが、「海外向け」の輸出業者にも物品を卸しているのです。したがって、卸売り業者さん達は、19年の下半期は消費増税のせいで、海外輸出品のみならず、国内向けの小売り品も売れなくなってしまったのです!
こうして、外需・内需の双方の冷え込みというダブルパンチを受けた卸売り業者さん達は、8%も前年から販売額が下落するという、最悪の状況に至ったのです。
・・・ちなみに言うまでもありませんが、卸売り業者に品物を卸しているのは、生産業者さん達です。
だからこれから生産業者は激しい業績悪化に見舞われることは火を見るよりも明らかなのです。
・・・こうして、10%消費税が、日本経済を破壊しつくしていくのです・・・。
そしてさらに最悪な事にこれから、コロナウィルス騒動で内需も外需も冷え込んでいくことは間違いありません。以上のデータは12月までのデータで、その頃にはコロナウィルス騒動は未だ起こっていなかったのです。
しかも、消費増税対策で導入されたポイント還元対策も五輪も終わる一方で、米中経済戦争は当面終わらず、日米FTAで対米輸出が縮小し、ブレグジットで円高になり、中東のイラン問題で石油価格が高騰するリスクもあります。さらには働き方改革の浸透で賃金も下落してくことが予期されます。
こう考えれば、令和2年の日本経済は、奈落の底に落ちていくことはほぼ間違いない状況にあるのです。
したがって、このままではほぼ間違いなく「令和恐慌」が日本を襲うことになるのです。
そうした最悪の悪夢を避けるためには、一人でも多くの日本国民に、データにはっきりと表れている日本経済の惨たらしい惨状をまずは、しっかりとご認識頂く他ないのです。
追伸1:
残念ながら、令和日本は今、確実に「破滅」に向かっています。この深淵には、日本人の精神性の劣悪化が潜んでいます・・・ご関心の方は是非、コチラをご一読ください。
信仰を失ったことで、破滅へと突き進む日本 ~熊野三山で考えた日本の行く末~
https://foomii.com/00178/2020013111000063212
【藤井聡】このままでは、日本経済は確実に「令和恐慌」に突入する。への6件のコメント
2020年2月5日 5:40 PM
失礼 以前から生意気意見を言っている者です。
日本人精神性の劣悪化 て意見初めて聞きましたよ。
以前は アへの邪魔をする3ツのナントカと言ってたでしょ、
片山嘘つきとの討論でも御教授の意見にイチイチ チャチャを入れる欧文社模試で常時一番だったと豪語してる東大卒財務官僚目泳ぎババアにひとっつも強硬に抗議しなかったですよね
てきな氏に色々言われてもしょうがないですよね。
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2020年2月5日 9:00 PM
消費税は 奢侈禁止の 手段
消費税を どんだけ上げても
庶民が 奢侈に 勤しむと
お上が お考えなら ほとんど
白痴
ちなみに 小生
白痴さまの アホな ご政道から
おこぼれを 頂戴している
恥知らずの 人非人で ございます。。。
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2020年2月9日 9:51 AM
年金暮らしの後期高齢者にとっては「節約志向」が身についてしまった。これまでECでほぃじょぃと買い物をしていたが今はほとんど無くなった。良いことかもsれない…
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2020年2月14日 4:16 AM
記事を読んで、この国の行く末を案じています。もはや私達、いち庶民がどう動こうと、その意思に反して物事は進んでいて、これはもはや民主主義じゃないのではないかと思ってしまいます。私の1票など、何の役に立ったためしがない。
この国は、滅ぶべくして滅ぶのかなと思ってしまいます。私達、庶民はもはやどうすることも出来ず、国民はこの状況でよく怒らないなと不思議に思います。私は怒りを感じます。いち庶民が一件苦情を言ったところで、何も変わりませんが。
愛する日本が没落していく様を、今はただ、見ていくしかないという悲しさ。祖国の繁栄のためになるなら、本当にどれだけだって頑張れるのに、何をやっているんでしょう。
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2020年2月17日 4:29 PM
[…] にかせんことには、いよいよ日本の没落は決定的となってしまいますね。少し前ですが、藤井聡さんも「このままでは、日本経済は確実に「令和恐慌」に突入する。」と書いてはります。 […]
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2020年3月22日 8:34 PM
日本は今コロナウイルス恐怖大恐慌等騒ぐが40年前から上の勝手気ままな体質おほっといた結果で10 20年前根本的な上体質お治さなかった日本人今騒いでも手遅れ今は大恐慌の状態からいかに回避するか議論した方がましなのです
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