欧州

2018年3月7日

【三橋貴明】イタリア総選挙と日本の「いわゆる国の借金」(後編)

From 三橋貴明@ブログ

ソーシャルレンディング最大手maneoの
瀧本憲治氏との大人気コンテンツ
「第2次グローバリズムで失ったもの
~1億円も損しています!私たち。」
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https://youtu.be/ir-0UIR30HI

時局2018年3月号に連載
「三橋貴明の経世論 第12回 産業革命と資本主義」
が掲載されました。
http://amzn.to/2oHZaep

イタリア総選挙は、党としての第一党が
「五つ星運動」、勢力としては中道右派連合が
トップになり、与党(中道左派連合)が
惨敗するという結果になりました。

相変わらず、日本のマスコミは
五つ星運動を「ポピュリズム」と
ネガティブな呼び方をしています。

本来であれば、「極右」と
呼びたいところなのでしょうが、
そうすると中道右派連合の同盟
(旧:北部同盟)はどうなるんだ、
という話になってしまうため、
ポピュリズムと妙な呼称を
つけたのではないかと推測します。

『イタリア総選挙、過半数の陣営なし ポピュリズム躍進
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27709450V00C18A3FF1000/

4日投開票されたイタリア総選挙は
5日も開票が進み、どの陣営も過半数を
取れなかったもようだ。

中道右派連合が上下院ともに
4割程度の議席を取って第1勢力となり、
今後の連立交渉の軸になる見通しだ。

同連合の一角で欧州連合(EU)懐疑派
である極右「同盟」と、
ポピュリズム(大衆迎合主義)政党
「五つ星運動」が議席を大きく伸ばし、
新政権の枠組みを巡って発言力を
増す可能性がある。

内務省のサイトによると、
5日午前11時(日本時間5日午後7時)時点で、
下院は中道右派連合が約37%、
五つ星運動が約32%、
中道左派連合が約23%の
得票を獲得した。(後略)』

イタリアのレンツィ前首相は、
総選挙惨敗の責任を取り、
中道左派の民主党(PD)党首を辞任しました。

過半数を取った勢力がないため、
今後は中道右派連合と五つ星運動
による連立交渉が行われることになると思います。

特に、中道右派連合において、
ベルルスコーニ元首相が率いる
フォルツァ・イタリアが、同盟の
得票数を下まわることになった
のは重要です。

フォルツァが同盟を上回った場合、
中道右派連合と中道左派連合の
連立政権という路線がありえたのですが、
現実には潰えました。

同盟は反EU、反移民であり、
正直、他国から見ると、

「五つ星運動とどこが違うの?」

と、思ってしまうほど反グローバリズム色が
強い政党です。

元々は「北部同盟」の名が示す通り、
イタリア北部で強い政党だったのですが、
今回は全国的に支持を広げました。

中道右派連合において
「同盟」が躍進した以上、
イタリアにおいても「反EU」の
政権が誕生する可能性が濃厚なのです。

もっとも、五つ星運動と
中道右派連合の連立政権が
誕生したとして、いきなり
「EU離脱の国民投票」といった話には
ならないと思います。

五つ星運動も、これまで掲げていた
ユーロ離脱を問う国民投票の
実施については取り下げています。

とはいえ、さすがに「移民問題」については、
反EU色、厳密には「反ドイツ色」が
濃くなっていくでしょう。

特に、現在のイタリアに入っている
移民派シリア・イラクの「難民」ではなく、
サハラ以南の「アフリカ人」である
という点が重要です。

難民ではなく、経済移民が
中心になっているのです。

元々のイタリア人には馴染みがない、
マグレブ(地中海の民)ではなく
ブラック・アフリカーナが激増しているのが、
現在のイタリアなのです。

新たに誕生するイタリアの政権には、
是非とも「移民制限」を提唱する
オーストリア、ポーランド、ハンガリーの
陣営に加わって欲しいと思います。

同時に、二桁で推移する失業率、
40%近い若年層失業率を解決するため、
EUのルール(財政赤字対GDP比3%未満)を
踏みにじり、財政拡大に転じて欲しい。

一昨日から、

「イタリアが財政破綻したとしても、
日本とは違う。

自国通貨建て国債を発行している
日本の財政破綻はあり得ない」

と、繰り返してきましたが、
別にイタリアに財政破綻して
欲しいわけではありません。

と言いますか、高失業率(11%)、
低インフレ率(1.4%)、
低金利(十年物国債2%)のイタリアが、
財政拡大で雇用創出、需要創出を
図るのは、むしろ当然です。

当然のことを、当然に実施する。

この手の国が増えてくることで、
日本の財政破綻主義者たちは
次第に追い詰められていくことになります。

無論、彼らが意見を変えることは
あり得ないのですが、

「何て、バカな連中だ(笑)」

と、様々な事例をベースに嘲笑する
国民が増えていくこともまた、
財政に関する正しい知識を
広める一つの道だと思うのです。

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