アジア

2018年4月10日

【三橋貴明】「文明の生態史観」の再評価を

From 三橋貴明@ブログ

ソーシャルレンディング最大手
maneoの瀧本憲治氏との
大人気コンテンツ
「文明の生態史観 」 が
リリースになりました.。
https://youtu.be/PO5fbtCQeaU

「文明の生態史観」とは、施光恒先生に
ご紹介頂いた、日本の生態学者、
民族学者、情報学者、未来学者である
梅棹忠夫(~2010年)の
「文明の見方」になります。

個人的には、梅棹の史観は
「地政学」であると考えています。

ユーラシアの文明を、
第一地域(日本、西欧)と第二地域
(中華帝国、インド帝国、
ロシア帝国、イスラム帝国)
に分ける。

第一地域の特徴は「封建制」を
経験していること。

第二地域の特徴は
「皇帝絶対主義」であること。

封建制とは、
「旧態依然とした古い体制」という
印象になってしまいますが、
実は議会制民主主義や資本主義の
「萌芽」なのです。

権力が分散し、君主から
「封じられた」諸侯は、自らの
地域を発展させるために努力し、
投資が蓄積される。

やがて、諸侯たちは君主(例:国王)に
反発するようになり、まずは諸侯が
議員となった「議会」が生まれ、
最後には「議会制民主主義」となる。

それに対し、皇帝絶対主義の
第二地域は、民族、言語、宗教が
多種多様で、皇帝の絶対権力を
もってしなければ、支配がままならない。

全ては皇帝に帰属し、皇帝の下で
官僚が権力をふるう。

法治主義ではなく、人治主義で、
皇帝とつながる「誰か」と
結びつく形の「政治」により、
一部の人々が巨万の富を得る。
(要するに、今の中国ですね)

最近でいえば、「終身国家主席」
すなわち皇帝を目指す「中華帝国」の
習近平。

西側メディアの「期待」を裏切り、
76%の得票率で圧勝した
「皇帝」プーチン。

さらには、大統領の権限を強化し、
事実上、エルドアン大統領の「独裁」を
実現する憲法改正について、
国民投票で賛成が上回った
トルコ(旧イスラム帝国)。

昨今の世界は、まさに梅棹忠夫の
「文明の生態史観」が描いた世界に
「先祖返り」しつつあるように思えます。

ところで、第二地域の「帝国」は、
人民と領土を求める拡張主義が
基本ですが、直接支配下に置けない
地域については「属国」「衛星国」
と化します。

属国や衛星国は、当然ながら
宗主国である帝国の影響を受け、
統治スタイルが似通ってきます。

よりシンプルに書くと、封建制度を
経験することはありません。

結果、属国や宗主国は、
第一地域ではなく、第二地域的な
権力構造あるいは権力闘争が続きます。

東アジアでいえば、
もちろん朝鮮半島です。

北朝鮮は、未だに李氏朝鮮ばりの
「金王朝」による支配が
続いていますが、韓国にしても
「歴史」の影響を大きく
受けているわけです。

『韓国前大統領、朴槿恵被告に
懲役24年判決 ソウル中央地裁
https://www.sankei.com/world/news/180406/wor1804060021-n1.html

友人の崔順実(チェ・スンシル)被告の
国政介入事件に絡み、巨額の賄賂を
受け取ったとする収賄罪などに
問われた韓国前大統領、
朴槿恵(パク・クネ)被告(66)に
ソウル中央地裁は6日、懲役24年、
罰金180億ウォン
(約18億円、求刑・懲役30年、
罰金1185億ウォン)
の判決を言い渡した。

朴被告は昨秋から出廷拒否を
続けており、6日も欠席した。

金世潤(キム・セユン)裁判長は、
大統領罷免の主因は
「責任を放棄した被告にある」と指摘。

「過ちを反省する姿勢を見せず、
崔被告らに責任を転嫁した」

とした上で

「権力を乱用し、国政を混乱に陥れる
不幸が繰り返されないよう、
厳重な責任を問わざるを得ない」

と述べた。(後略)』

『韓国検察
李明博元大統領を9日起訴
=収賄罪などで
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2018/04/08/0900000000AJP20180408000700882.HTML

韓国のソウル中央地検は、
約110億ウォン(約11億円)の
収賄容疑などで逮捕された
李明博(イ・ミョンバク)元大統領を
9日に起訴し、中間捜査結果を
発表する方針だ。

李氏の起訴状には収賄罪や横領罪、
職権乱用罪など約14件の起訴事実が
盛り込まれる見通しだ。

検察当局は李氏を
先月23日に逮捕。

3回にわたって検察官らを
拘置所に送り、取り調べを
行おうとしたが、李氏は
「公正な捜査を期待し難い」
との理由を挙げ、拒否した。(後略)』

朴槿恵前大統領に、収賄で
「懲役24年」という信じがたい
判決が下され、さらに
李明博元大統領も、収賄事件で起訴。

韓国の大統領選挙は、日本のように
「国民の代表として行政の責任者を決める」
のではなく、皇帝選挙なのです。

ひとたび絶対権力者たる皇帝とならば、
任期(五年間)中は絶対権力を握り、
家族や縁戚までもが栄華を楽しむ。

とはいえ、韓国大統領は
再任が禁じられています。

大統領の座を追われ、同じ党の候補が
次期大統領に就いた(李⇒朴のパターン)
ならばともかく、異なる党の大統領が
誕生すると、露骨に「報復」される。

韓国にとって、大統領選挙とは
「易姓革命」なのです。

第二地域の「中華帝国」において、
易姓革命で皇帝が交代すると、
前の王朝の関係者は元皇帝含めて
皆殺しにされます。

中華帝国の属国としての歴史が
長い韓国は、現代においても五年ごと
(あるいは十年ごと)に易姓革命の
真似事のような「粛清」を
繰り返しているわけです。

韓国に限らず、中国、ロシア、
「親日」であるトルコですら、
我が国とは違う。

善悪の問題ではなく、ただ違う。

この「歴史的な事実」の根底を
理解する上でも、現代の日本人に
とって梅棹の「文明の生態史観」の
再評価が必要だと思うのです。

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【三橋貴明】「文明の生態史観」の再評価をへの1件のコメント

  1. たかゆき より

    「文明の生態史観」

    読んだことが ございませんでしたので 調べてみましたら

    南北アメリカ大陸 アフリカ大陸には言及していないとか、、

    アメリカをスルーなさったのは 何故かしら?

    さらには 古代ローマ帝国 東西ローマ帝国の皇帝制度と 第一地域との関係についても
    考察なされていないようなのが、、、

    残念至極 

    返信

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