政治

2019年7月28日

【三橋貴明】ジョンソン新首相とバックストップ条項

From 三橋貴明

【近況】
イギリスでボリス・ジョンソン新首相が誕生しました。
ジョンソン新首相は7月27日の下院演説で、
ブレグジット協定に含まれるアイルランド国境をめぐる
バックストップ条項を「排除する」と語りました。

対する欧州委員会のバルニエ首席交渉官は、
ジョンソン首相のバックストップ条項排除について
「受け入れられない」と拒否。

バックストップ条項とは、イギリスがEUから離脱した際に、
北アイルランドを事実上、EU関税同盟に残し、
アイルランドとの国境検査等を実施しないというアイデアです。

その場合、「国境」が事実上、
グレートブリテン島とアイルランド島の間に移動し、
アイルランド海を渡る際に「国境検査」をすることになってしまいます。

となると、連合王国の一体感が失われ、
ナショナリズムの根幹が揺らぐことになります。

というわけで、ジョンソン首相はバックストップを
排除したブレグジットを推進しているわけですが、
EU側からすると「冗談ではない」という話になり、
このままでは10月末に「合意なき離脱」に至るでしょう。

ちなみに、三橋は11月にイギリスに視察に行きます。
今回はロンドン中心というわけではなく、
スコットランドのエジンバラから南下し、
鉄道でロンドンに至るコースですので、
これまでよりは「広く見る」ことになります。

事実上の「移民国家」と化したイギリスが、
果たして「国民国家」に戻れるのか。
実際に「この目」で見た上で、考察、報告したいと思います。

◆経世史論において、中野剛志氏との対談コンテンツ「歴史とナショナリズム」がご視聴可能です。是非、ご入会下さい。
(8月15日まで限定公開なので、間もなく終了となります)
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
【三橋貴明×中野剛志「歴史とナショナリズム」】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/2019/06/15/video/

◆経営科学出版「知識ゼロから分かるMMT入門」が刊行になりました。
https://38news.jp/38MMT/MT_TV/
ケルトン教授招聘プロジェクトにご寄付下さった方及び月刊三橋会員の皆様には、月末に特別価格でご案内が参ります。上記URLからのご購入はお控え下さい。

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https://amzn.to/2UEWkYK

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第330回 ステファニー・ケルトン教授来日
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol531 民間黒字と政府貨幣発行残高
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
「財政赤字」がなぜ「民間黒字」なのか、「国の借金(政府の負債)」がなぜ「政府貨幣発行残高」なのか。現実のデータに基づき解説しました。

◆メディア出演

三橋TV、続々リリースされています。

【三橋貴明×ステファニー・ケルトン】MMTポリティクス
https://youtu.be/6NeYsOQWLZk
<字幕版>概論、MMT(現代貨幣理論)+三橋・高家の感想戦
https://youtu.be/tdODDuBL1VY
三橋TV第115回【慟哭! 日本経済の悲鳴が聞こえる!】
https://youtu.be/hO0clr_5TwU
三橋TV第116回【資本主義は借金で成長するモデルなのだよ】
https://youtu.be/KI1fbMBJ1YA

8月2日(金) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

◆三橋経済塾

令和元年7月20日(土)三橋経済塾第八期 第七回対面講義を配信致しました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=630
ゲスト講師は 施 光恒先生(九州大学准教授)でした。インターネット受講の皆様、お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER
今週の更新はありません。

【今週のNewsピックアップ】
民間黒字と政府貨幣発行残高
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12497921717.html
資本主義は借金で成長するモデルなのだよ
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12498227043.html

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【三橋貴明】ジョンソン新首相とバックストップ条項への3件のコメント

  1. 大和魂 より

    新英国首相に選任された、ボリス・ジョンソンの家系もまた、チャーチルと同じく英国王室関連にあります。また前任者のテリーザ・メイとて金融からの出向者でありデービッド・キャメロン元首相と同じ構図。また同じく歴代の財務大臣と外務大臣もその都度どちらかと関連した人物が宛がわれる構造と、国際社会ではきちんと認知されています。ついでに、英国でのノーブレス、オブリージュしかり単なる建前でしかない代物。だから日本国民としても、華々しい産業革命の裏側を克明に認識されるべきにあります。それが建前と本音の関係であり、英国、以国、米国を中心とした国際政治の核となる処。これが大まかな経済と歴史の根幹になる訳です。

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  2. 斑存・フォード より

    >ジョンソン首相はバックストップを排除したブレグジットを推進

     ニュースで安倍首相はジョンソン首相と電話会談で「合意なき離脱は回避してほしい」と話したと報道されてました(私頭記憶)。

     英国内の日本企業のことを慮って仰っているのか(国内回帰ならそれでよろしい、とは国境に拘らない首相は言わないね。)、
    唯単にEU離脱しないでほしいのが本音のグローバリデオロギー(?新しい造語)・マンなのか、

    アホのワシには電話会談の目的がさっぱりわからなかったのでざんすっ!
    シェーーっ!
     失礼しました。

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  3. 佐野由美子 より

    肥沃な土地と、核あらば、白人の国は 望ち月の 欠けたることの 無しかーと、思っていた がー。

    神様は、いらっしゃったー。

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