【近況】
貨幣論の本質に迫っていくと
「語彙」の不足に困るようになります。
例えば、第一次補正予算で
決まった現金給付10万円。
あれは、一人当たりで考えると、
1.政府が国債を発行し、
市中銀行から日銀当座預金10万円を借りる
2.市中銀行が、我々の資産となる
銀行預金10万円を増やす(口座の残高を10万円増やす)
3.政府が借りた日銀当座預金10万円を、
日銀が2の市中銀行に移す
というプロセスになりますが、
2から3については、
「市中銀行が自らの負債となる
銀行預金10万円で、日銀当座預金10万円を買った」
と、表現することができます。
厳密には、市中銀行は、まずは自らの負債
&資産である銀行預金10万円を「無」から
生み出し、資産としての銀行預金で
政府の日銀当座預金を買ったわけです。
はい。何が何だか分からなくなったでしょ?
それで、いいのです。
何しろ、上記のような「貨幣」の本質を
表す言葉が、日本語にありません(英語等もない)。
人類は数千年間、「商品貨幣論」という
出鱈目な貨幣論を信じ続けてきました。
結果、「正しい貨幣」に関する語彙が
発展することが妨げられた、というのが、
三橋の現在の見解です。
政府が国債を発行する場合、
一時的に政府BSの借方、貸方に、
それぞれ「国債」「国債」が「無」から出現し、
その後、政府が資産の国債で
「日銀当座預金を買う」ことになります。
これを、いかなる言葉で
説明すればいいのか。
適切な語彙が見つかりません。
あるいは、貨幣を借りた結果、
「無」から貨幣が生まれることを「信用創造」と呼びます。
信用創造は、
「誰かが銀行から貨幣を借りると、
無から貨幣が生まれる」
ことなのですが、そこまで深く理解している人は、
日本国民の1%未満なのではないでしょうか。
語彙が足りない。
ちなみに、五百円玉などの「硬貨」は、
誰の債務でもないので、貨幣ではありません。
ところが、なぜか日本国の法律では、
「硬貨=貨幣」となってしまっています。
日本の法律で「貨幣」といえば「硬貨」なのです。
とはいえ、硬貨は誰の負債でもない。
つまりは、貨幣ではない。
根が深い問題でしょ?
結局のところ、貨幣観の間違いが
社会制度全体や経済政策を歪めまくってきた、
というのが、日本国や「人類」の歴史なのだと思います。
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政府は政府紙幣を発行することは確かに可能です。
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【三橋貴明】語彙が足りないへの2件のコメント
2020年8月16日 8:17 PM
聖書にも ありますね、、
カエサルのものは カエサルへ
と
イエスキリスト が 仰った とか。。
金属主義の根は深い
さすがの イエスキリストも
貨幣とは カエサザルもの
とは 思いつかなかった
ですから。。。
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2020年8月16日 10:33 PM
先進国の定義や条件は所によっていろいろあるそうですが、その中には人的資源指数という項目があって、この項目の中に成人の識字率が含まれているそうです。
途上国の中には自国言語で高度な教育が難しい所もあるそうで(自国言語の語彙が足りない)その場合は、外国語で書かれた教科書の助けが必要になるようです。
日本の場合、我々のご先祖様が三文小説から専門書まで幅広く学び、海外にあって日本に無い用語をせっせと日本語に翻訳してくれたおかげで、いまでも自国言語で高等教育ができているわけで、本当にこれはありがたいことなのだなあとあらためて思いました。
そして今、人類がいまだ発明していない「正しい貨幣」に関する語彙が生まれようとしている。これは結構すごいことなのではないのでしょうか。
私はいまだ学習段階で自分で考えられるほどの確たる知識は身に着けておりませんので何もできませんが、三橋さんをはじめ、藤井聡教授や中野剛志さんなど「日本経済学」の継承者たちを草葉の陰から応援してます。
チョコモナカジャンボ
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