政治

2016年12月31日

【三橋貴明】民主主義とナショナリズム

From 三橋貴明@ブログ

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【ご挨拶】

2016年も、「新」経世済民新聞を
ご愛顧いただきありがとうございました。

2017年も引き続き、読者の皆様に
有益な情報をお伝えすることを約束します。

来年もどうぞよろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください。

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今年も三橋経済塾などで、「新」経世済民新聞の
執筆者の皆様(くどいですが、ボランティアで書いて
頂いております)の講演を拝聴し、勉強させて頂きました。

 中でも印象深かったのが、柴山桂太先生の、
「世界の歴史はイギリスから動く」
 であり、さらには施光恒先生の、
「自由、平等、民主主義、マイノリティの保護のためにはナショナリズムが必要」
 という、リベラル・ナショナリズム論でした。

『トランプ大統領就任式、数十万人規模のデモ計画 人権団体など
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H5E_X21C16A2000000/

 米首都ワシントンで来年1月20日に行われる
トランプ氏の大統領就任式に合わせ、人権団体などが
数十万人規模のデモを計画している。参加者は
計100万人に上るとの見方もあり、警備当局は
大統領就任への抗議活動では過去最大級になる
可能性があると警戒。トランプ氏支持団体も首都に
集まるとされ、反対派との衝突を懸念する声もある。

 米メディアは著名歌手のセリーヌ・ディオンさんや
エルトン・ジョンさんらが相次いで就任式への出演依頼を
断ったと報道。選挙中のトランプ氏の女性蔑視発言や
人種差別的な姿勢が影響したとみられる。就任式は
米社会の分断を浮き彫りにしそうだ。(後略)』

 トランプが大統領に就任し、政策的に何かをした、
という段階ならばともかく、就任前でこの状況です。

 トランプは嫌いだが、選挙であいつが勝ちやがったのだから、
まあ、仕方がないか。「同じ国民」である自分以外の
アメリカ国民が、あいつを選んだんだから。と、
ナショナリズムに基づく「諦観的な価値観」が、
現在のアメリカからは失われているように思えます。

 そもそも、C2ではないですが、グローバリズムは
人を孤独にしていきます。大雑把に表現すると、
人を共同体から切り離し、あるいは共同体を壊し、
経済合理性以外の価値観を持たない「経済人」に
近づけようとする動きが、グローバリズムなのです。

 もちろん、上記は「経済学的」な話であり、
現実にはグローバリズムの思想に基づき、
各国政府に規制を緩和させ、自分の利益を
最大化しようとする「誰か」がいるわけです。

 別に、陰謀論的な話をしたいわけではありません。
例えば、異様なスピードで審議が進み、可決された
統合型リゾート(IR)整備推進法案ですが、
2014年12月段階で、在日アメリカ商工会議所が、

●法案の早期成立
●シンガポールやマカオなどアジア各地のIR施設との
 競合を考え、より利便性の高い法規制の枠組み
●カジノの規模についての制約を法規制に盛り込まない
●カジノ総収入に対する税率は10%(消費税は課さない)
●入場料徴収に反対
●東京大阪圏など数カ所への設置認可を初期に出す
●年齢規制は20歳から
●カジノ内でのクレジットサービス

 といった「提言」をしているのです。
「東京大阪圏など数カ所への設置認可を初期に出す」だけでも、
狙われているのが「誰の所得なのか?」が理解できるはずです。

 普通の国では、カジノは「外国人観光客」の懐を狙い、開かれます。
ところが、我が国では「皆さんの財布の中身」なのでございます。

 農協改革についても、始まりはアメリカ商工会議所の
提言だったことは、繰り返し触れたとおりです。

 ちなみに、わたくしは別に「在日アメリカ商工会議所は
けしからん!」などと言いたいわけではありません。
アメリカ商工会議所が何を言ってきたとしても、
「うるせえ! 内政干渉止めろ!」
 と、政治家が突っぱねれば済む話なのです。

 ところが、我が国では外国の商工会議所(厳密には、
その向こう側にいる投資家や企業)の提言通りに政策が進み、
ナショナリズムや安全保障が破壊されていっています。

 しかも、デフレでございますので、相も変らぬ
ルサンチマン・プロパガンダが流行し、「同じ国民」
である誰かを敵に設定し、攻撃することで
支持率を上げる政治手法が続いています。

 このまま我が国でグローバリズム、構造改革が進むと、
国民一人一人が孤独化し、互いに敵視し、攻撃しあう
国に落ちぶれていくのではないかと懸念しています。
すなわち、ナショナリズムの喪失です。

 世界屈指の自然災害大国である我が国において、
ナショナリズムが失われたとき、果たして我々はどうなるのか。

子供でも想像がつくと思うのですが、いかがでしょうか。 

—発行者より—

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【三橋貴明】民主主義とナショナリズムへの6件のコメント

  1. 遠藤 より

    この手の気違いは最終行だけ読んで放置するのが吉(サポーターでコメ欄潰しの一環と思われ)2016年は記念碑作りでとんでもないことになりましたが、2017年は当の走狗が「わくわくするぞ」とやる気満々で、内政干渉撥ねのけるどころかお墨付き与えてしまう方ですからお先真っ暗ですな。

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  2. 學天則 より

    解る人向けw彼らの多数派の目的は神に愛され才能に恵まれ何かに一心不乱に取り組むことのできる真面目な少数派の諸君ら賢人賢者へ、その敬虔な祈りが出来ない嫉妬から快楽で嫌がらせをして嫉妬する事です。目的は邪魔する事なんですよ。上の例がそうでしょうw何ら建設的な事を言っている訳ではないw只感情的に嫌がらせの邪魔wこういう多数の連中を同じ人間だとするから統治が上手くいかないのです。まあ、この辺はっきりと正義と真理を希求するのが人間と教育基本法に人間とそうでない物がはっきり書いて分けてあるわけですがね。

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  3. 學天則 より

    内容ではなく、別の所にケチをつける明らかに目的がケチをつける事である嘘つきの文章wもう見あきましたね。このわかりやすい建前でごちゃごちゃいって嫉妬でケチをつける嘘つきのパターンw相手との落としどころである正義を考えてない快楽による言論封殺ですな。これだから常識の無いお猿さんは、なんらかの檻で縛らんとね。

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  4. 學天則 より

    いい例が出ましたねwこの様に快楽愚者は一心不乱で純粋な物に嫉妬するしかできない。純粋な物を見るとそれだけ打ち込むことを可能にする才能を与えられた事に神の差別を知って嫉妬して、憎悪して、そうやって感情的な快楽をぶつけて嫌がらせをする。これは世界で多くの人類が合意している聖書やコーランから読み取れる人類的一般論だな。必死に読んで来るくせに文句を言う明らかな嫉妬をする、お前の様になwいっとくがお前の程度の快楽にそうやって簡単に支配される愚者の為には一切書いていない、自意識過剰さん。もともとお前には無理な賢者向けの文章だ。人間が作った常識たる一般論の檻に快楽の感情で噛みつくお猿さんにはね。

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  5. ぬこ より

    米国の対日要求に関して、陰謀論者と言われない為にも、事実に基づいて欧米企業や株主と欧米財閥の関係について書籍にして頂けると有難いです。欧米財閥に関しては米国の左翼が色々と情報を発信してますよね。それにしても、上の人、もうちょい要点をまとめて欲しいわな(笑)。

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  6. 學天則 より

    おっしゃる事はわかりますが、そもそも私は学校出るまでに人間と言う物がほとほと嫌になった口なので、職業の選択は坊さんとか、黙々と仕事できる専門職とかどちらかを選び、まず後者にした訳であります。世には子供の頃からワンコとニャンコ以外とは理解しあえない醜い人間の三千世界に10代で愛想が尽き果てて孤独を好むものもいるのです。私は幼い頃から自然と人が集まる様な腕力タイプのガキ大将ではない理屈っぽい変わったリーダータイプで喧嘩の強い奴、頭が回る奴、心の優しい奴とか多様な人を纏めその総合力で主体的にというか私は特に上から拘束はしないが自治的な秩序を作って子供時代を生き延びてきましたけど、自分に賛同していくれる人は少数精鋭で自分の手の及ばない快楽の極論に走る範囲の人間の多さと醜さにとことん嫌気がさした訳であります。その辺、ある種の侍みたいな覚悟があるワンコとニャンコの方がまだ常識があるなと思うのです。無論、そんなだからワンコとニャンコを可愛がる子供達には幼い頃の自分を投影してしまうのも無理はないなとは思いますがね(笑)何を言いたいかと言うと孤独はからなずしも人を経済人にしないと言う事なんですね。これは水島社長も言われているように特攻隊の心境がそうかもしれませんが、そこに自分が真っ白になり全てを懸けれる戦場があれば結構その辺どうでもよくなってきて、そういうので俺の戦争の邪魔をするなみたいな、低賃金なのに傭兵家業とかやって中東とか言ってる人も、そのちょっとあれな口なのかなとw皆さんの世代で解りやすく言えば真っ白に燃え尽きたジョーですね。巨人の星とか、侍ジャイアンツとかあののりでしょうか?よくわかりませんが?違うかなwでも梶原一騎さん好きですねwだから、そういう小市民な経済人となる輩を極めて不快でうっとおしく感じますね。というか連中は群れていてもそうじゃないですか?そういう和する正義ではなく、争いを招くだけの快楽基準で他者を裁きたがる。キリストや釈迦やモハメッドもこういう快楽主体の悪魔の基準による物質たる偶像崇拝の裁きを乗り越えて、正義の基準で他者と和しようとする聖人に至ったのやもしれませんなwでも連中はなぜかそういう人間をほっておいてくれない、やたら干渉してきたり、快楽基準を押し付けて支配したりしようとする、はっきり言ってどうでもいいし、うっとおしいんですよ!社会に出た頃も、今だってそうだ。好きにやればいいだろう?そして快楽の果てに自滅して自分で責任とれよと。こちらにいちいち、事ある毎にそのツケをおしつけんなよ左右の凡庸な多数派と、邪魔なんですよw孤独で人が経済人になるのはお金で孤独を解決したいからという虚しい悪魔の快楽の幻想に取りつかれているだけですよ。冷静に思考すればわかるでしょう。快楽に取りつかれた人は思考できにくいでしょうw快楽脳なんだからwだから私は都構想の住民投票の時もですが人を対立させ感情的にさせるのは問題から目を背けさせる巧妙な手段だと申し上げております。ともかく孤独に耐えるにはある種の才能を有してないと無理と言う事かもしれません。でも、お金で孤独の解決はできませんよ、それは幻想だwお金で頬を叩く人を貴方は真に友人だと思いますか?金の切れ目が縁の切れ目でしょうw人は死ぬまで孤独でしょうからね、私なんか子供の頃から家族から屁理いいと言われ人格を否定され続けてきましたから、でも救いはあったんです、神がワンコを与えて下さったのですwだから神がおられになる、そう常に感謝の気持ちを感じる事が出来る、その結果が自分が醜いと言う三千世界でおめおめと生き延びている原因なのかなとw。まあ、なんらかの才能とかの恵みを意識出来ない、神がいない人は神すらいない地獄の最下層の凍える様なコキュートスの孤独でダンテじゃありませんが快楽のサタンというか経済人に走りたがるのやもしれません。人は同じ宗教で崇拝する神すらも異なり、それで争うのですからね。もともと理解など幻想にすぎない、だから正義でお互い我慢して和するしかないのでしょう、婚姻した夫婦でさえもルールが大事だ、だから憲法が有る。わかりあえるなら争う事もないから法も秩序も不要でしょうwこの辺、どこかわかりあっているワンコやニャンコを見ていると彼らの方が優れている部分があると思わざるを得ないです。孤独に耐えられない神のいない人が経済人に走るのです。別に群れていても快楽基準で醜い争いをしてるのだから変わらんでしょう。もう社会にでてから、数十年間、今はさらにお盆も正月もない私めでありますが、まあ、クリエイター家業なんて、一瞬の閃きが大事でだらだらやってても仕方がない分そういう事なんですがね。だから正月という感覚は無いかなあ。快楽に基づく享楽にふけりたければどうぞご勝手にwだが神はその様な自らを供物とする祈りを怠る者を決してお許しにはならないでしょう。人を食い物にして要領よくやっているつもりでも人の浅知恵など大宇宙の厳しい現実の前には通用する物ではない。自由浮遊惑星が漂い、1光年程のニアミスでオールトの雲をケチらし赤色矮星が通過していくようなのがこの宇宙の現実なのだからね、その様な連中が支配するなら人類は先がないのは明白だwではw

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