日本経済

2017年2月13日

【三橋貴明】最も罪深き世代

From 三橋貴明@ブログ

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 【今週のNewsピックアップ】
財政拡大は正当である
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12244784713.html
「国の借金プロパガンダ」を打破せよ!
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12246677030.html

日本政府の負債は100%日本円建てです。
政府は子会社の日銀に日本円を発行させ、
市中銀行などが持つ国債を買い取らせることで、
実質的に負債を消滅させることが可能な存在です。

より露骨に書くと、
「日本円を発行し、借金を返済する」
わけでございます。

日銀が保有する国債は、政府から見ると
「子会社に借金している」という話になり、
返済や利払いの必要がなくなります
(やっても別に構わないのですが)。

何しろ、親会社子会社間の金の貸し借りは、連結決算で相殺です。

日銀が保有する国債の償還時期がきたところで、
「借り換えしておけ」と言えば済む話です。
政府の子会社である日銀が、親会社の意向に反し、
「国債を金融市場で叩き売る!」などということは起きえません。

また、子会社の日本銀行が、表向きは利払い、
返済が必要な国債を持っていることが気に入らないならば、
政府は「無期限無利子国債」を発行し、交換してしまえばいいのです。

無期限無利子国債は、表向きも返済、利払いが不要です。
すなわち、現金紙幣と同じなのです。

日銀が保有する国債を、現金紙幣同様の無期限無利子国債と交換。
政府は戻ってきた国債を、バランスシートの貸方に負債計上されている
国債と相殺し、「ジュッ」と消してしまう。ただ、それだけの話です。

ただ、それだけの話である国債問題を、財務省やマスコミは、
「国の借金で破綻する!」
「借金を将来世代に残すのか!」
と、根底から間違ったレトリックを用い、
国民の恐怖を煽り、緊縮財政路線を邁進しています。
結果、我が国はデフレギャップが埋まらず、
いつまでたってもデフレから脱却できず、GDP成長率は低迷。

世界の多くの国々がGDPを拡大し、
豊かになっているにも関わらず、
日本は貧困化路線をひた走っています。

我々は、過去の日本国民の努力により、
現在、日本で快適に、豊かに暮らしています。
ところが、「国の借金」という嘘まみれのプロパガンダにより、
我々は将来世代に「貧困化した日本」「荒廃した日本」を残す可能性が濃厚なのです。

日本の二千年を超す歴史において、最も罪深き世代。それが、我々です。
経済成長とは、資産と負債が共に拡大していく現象です。
対外純資産を除き、日本国内で資産だけを増やすことも、負債だけを増やすこともできません。

それにも関わらず、
「政府の負債」をクローズアップする
財務省式プロパガンダが「社会通念」となり、
日本国を亡国に追いやろうとしています。

繰り返しますが、我々は日本の二千年を超す歴史において、最も罪深き世代なのです。

—発行者より—

【オススメ】

中国の人民元安に歯止めがかからない。

外貨準備取り崩しによって、
かろうじて暴落を防いでいる状態だ。

だが、その外貨準備が尽きたとき、
人民元暴落による通貨危機の可能性もある。

これから中国がどうなるのか、
注意深く観察する必要があるだろう。

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【三橋貴明】最も罪深き世代への5件のコメント

  1. ジャパニーズドラゴン より

    そういう見地は意味がない。単に公務員の特徴で組織的方針を誤った場合なかなか修正できない特徴が公務員組織にある。前任者又はOBの判断、成果を簡単に反故にできない慣習というものがある。これを解消できるのはトップだけだ。安倍総理ならそれができる。

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  2. robin より

    国の借金という嘘は日本が世界が格差社会化する中でそれを根本的な解決は図らずに、出来るだけ先延ばしする目的で使われるキャッシュディスペンサーとして機能してもらうための嘘なのかしら、敗戦のショックもあるし世界(自称)から叩かれれば進んで言うことを聞いてくれるだろう、罪の意識、という便利な輸入品もあるし。世界金融秩序(自称)を維持するのに一役買っているのだろう、積極的に従属する中でその積極性だけが評価されるのだろう。想像だが。あらゆるモノに値札を付ける習慣とか思考様式が一般的になると数値化出来ないものはない、経済学も社会学から出世して自然科学へ、数値化や論理化の過程でそぎ落とした要素には見向きもしない、神気取りだろうか、少なくとも猿を相手にするなら神の如く振る舞うことくらいは可能だろう。これだけ記号化した世の中だと一般人は抽象から無限に抽象を生むのに慣れて具体との往復、ということを忘れる、具体的問題は抽象化されて提示されるし、問題解決の手段も抽象的なものしか提示しない、災害はボランティアで解決する、自衛隊という暴力、具体的力は危険で原始的だから忌避する、みたいな。自国の文化を守らない、誇りの無い国は亡びる、かもしれない、敗戦後に下手に経済成長してしまったツケを今払っているのでは、負けた事実を受け止めずに勝者に阿るストックホルム症候群に、GHQによる日本壊国政策、世界標準に追いつこうとして経済合理性の論理を至上に掲げる、結果皇室すら財政均衡の論理に組み込まれて事業仕訳の対象になるのでは、皇室も国の借金や財政均衡という世界標準の前には間違いなく論理的に不要のものだし、日本の国土は急峻で洪水豪雪台風地震のオンパレード、特殊な国という前提条件すら受け止められず、最終的には経済合理的に不合理な日本国土は捨ててしまおう、と結論しても非常に合理的である、世界標準と同じ仕事をしてもコストが余計にかかる、つまり日本人と制度は世界から遅れているのだ。特殊な国だという事実、他国のように殺し合わずに災害の「お蔭」で互いに助け合う他なかった、むしろ災害と共存するために他国より「コスト」がかかる国である、他国の制度をそのまま輸入しても日本に馴染むよう改良する必要がある、奪い合いの果ての民主主義制度だが、そのまま導入しても齟齬をきたすのは当然では。前提の条件は国毎に違うのだ、「数学の法則は現実に適用する限り、それは確実ではない。それが確実である限り、それは現実に適用しない。」のだろう。

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  3. 拓三 より

    財務省の仕事ってナニ?財務省が国債否定したら仕事放棄ちゃうの?日本において国債比率が高いのは民族性であります。その民族性を決めるのは過去において様々な経緯を伴った歴史から来る遺産であります。まずこれを否定する事は日本を否定する事であり、これを無視した経済学は学問ではなく、何か意図的かつ傲慢な誘導に過ぎません。私が今思う事は、財務省をはじめ各官僚の皆様! 『自信を持て!そして職務に真剣に取り組め!』であります。*ちなみに私は公務員とは一切関係なく、どちらかと言えば真逆のお仕事?であります。

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  4. たかゆき より

    なぜ で せう ??知識はあるが 知性に欠ける(失礼)かたがたが 中央官庁 特に 財務省に集中しているのは だうして だ。。。文化人類学的見地から彼等の存在は とても興味深い研究対象だと 思っているのだ ♪

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  5. 學天則 より

    >「日本円を発行し、借金を返済する」不換紙幣たる通貨の担保は生産性なのだから生産性が伸びて、インフレが酷くならんかぎり紙幣なんていくらでもすればいい、景気が過熱してインフレになりすぎれば増税して回収すればいい。消費税はそう言う意味であからさまなインフレ税でしょうwメカニズムではなくオペレーションの話でビデオデッキの中身などどうでもよくても子供でも操作できますね。それだけでんがなw経済学者って明らかに阿保の集団ですねw>日本の二千年を超す歴史において、最も罪深き世代。それが、我々です。私と子供とワンコとニャンコは除外して下さいなwまず私は知っていたし、ずっと言っていた平成バブル崩壊で家族もろとも痛い目に合ったので猛勉強しましたからね、但し歴史から経済とお金をですけどw経済学等やりませんよ。不信感満載ですからwあと子供や飼われているワンコやニャンコは別でしょう。民主制のシステムはこの辺、責任の無い超少数派にまで連帯責任負わせるのは明らかな欠点ですよねえw

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