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2015年7月5日

【三橋貴明】昔からの財産

From 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

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●●月刊三橋の次号(7/11配信)のテーマは、「歴史認識問題」です。
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_CN_mag_3m.php?ts=hp

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最近、出雲、奈良と、日本の古代と関係が深い地域で講演をさせて頂いたのですが、講演後の懇親会で皆様とお話しさせて頂き、この両地域は「大地震が少ないい」ということを知りました。

特に、出雲は鳥取や島根県西部で地震があった際も、ほとんど揺れなかったそうです。また、奈良の場合、企業誘致の「売り」として、大規模自然災害がほとんどない事実を挙げているそうでございます

出雲にせよ、奈良にせよ、太古の昔から大規模自然災害に悩まされていた日本人が、世代を超えた経験と蓄積により「国家の中心地」として選ばれたのだと思います。我が国の神話の時代において、大規模自然災害からの立ち直りは、現代以上に苦難の道だったでしょう。何しろ、「経済力」が違います。

改めて考えてみると、なぜ出雲や奈良に古い木造建築物が多く残っているのかといえば、木造建築の技術が優れていたことに加え、そもそも地震が少ないこともあったのではないかと思います。

話は変わりますが、出雲大社や奈良の仏教遺跡、それに伊勢神宮のような歴史的な財産を築くには、社会に「所得的な余裕」がなければなりません。何しろ、大社にせよ神宮にせよ、寺院にせよ、別に「生存」のために必要不可欠というわけではないのです。

無論、政治権力の強さとも関連しますが、国民の多くが「生存」に苦しむような国では、さすがに歴史的建造物を多数、築くことは不可能でしょう。あるいは、内乱や戦争に明け暮れてばかりいる国でも同じです。

講演のお仕事で全国を回っていると、日本には本当に「昔からの財産」が数多く残されていることが分かります。世界の他の国々と比較すると、我が国が相対的に豊かで平和で、恵まれていた国であったことは間違いないと思います。

この「昔からの財産」を、将来世代に残さなければなりません。そのためには、国民に「所得的な余裕」が必要です。というわけで、予想はしていたでしょうが、本日の結論もいつもと同じで、「早急のデフレ脱却を」になります。

◆徳間書店から「超・技術革命で世界最強となる日本」が刊行になりました!
http://www.amazon.co.jp/dp/4198639442/
またまた増刷になりました。これで第三刷です。ありがとうございます!

◆「月刊WiLL (ウィル) 2015年 08月号 」に連載「反撃の経済学 デフレ脱却は果たせない」が掲載されました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00XVHTP8C/

◆週刊アサヒ芸能 連載「三橋貴明の列島丸わかり報告書」 第26回「新自由主義的「改革」で地方は創生されず「空洞化」へ向かう」
http://www.asagei.com/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第132回「亡国の財政政策」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆Klug連載 三橋貴明の「経済ニュースにはもうだまされない」 第312回 技術と需要
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2015/06/30/024053.php

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 〜新世紀のビッグブラザーへ〜 週刊三橋貴明 Vol319 現代の帝国主義
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
今回は現在に蔓延る「国際協定」による帝国主義のお話です。国際協定による帝国主義の元祖はドイツではなく・・・。

◆メディア出演

7月6日(月) 7時 TOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/

7月8日(水) 6時 文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

7月10日(金) チャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1521

7月3日(金) チャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演しました。
【ギリシャ危機】7月5日国民投票、長期デフレかユーロ離脱か?[桜H27/7/3]https://youtu.be/fsrlehvbywo
【明るい経済教室】緊縮財政のための、財政破綻論と構造改革の物語[桜H27/7/3]https://youtu.be/hKintSP0JTo
【報道しない自由】亡国の農協改革、危機に晒される全農と食料安保[桜H27/7/3]https://youtu.be/OAEr945LXHo

◆三橋経済塾

三橋経済塾第四期 第六回対面講義がアップされました。
第六回のゲスト講師は、室谷克実先生でした。
http://members4.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1091

第七回対面講義は7月19日(日)、ゲスト講師は岩本沙弓先生です。
http://members4.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1084
今回は日曜日(土曜日ではない)のでご注意ください。

◆チャンネルAJER 今週の更新はありません。

PS
月刊三橋の次号(7/11配信)のテーマは、「歴史認識問題」です。
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_CN_mag_3m.php?ts=hp

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【三橋貴明】昔からの財産への1件のコメント

  1. ろんどなー より

    神社と自然災害については、他にも興味深い事例があります。多数の神社仏閣が被害に遭った東日本大震災の後、東北地方の神社を調査された桑子敏雄・東工業大大学院教授によると、スサノオを祭った神社はどこも津波の被害を受けなかった、と。スサノオはヤマタノオロチ伝説で有名ですが、これは「斐伊川の治水の象徴」だそうです。つまり水害から人々を守る神、オロチから救ったクシナダヒメと結婚する国づくりの神、人びとを災害や病気から守る「無病息災」の神様でもある、とのことです。こういう日本独自の「昔からの財産」を慈しみ、もっと学校教育にも取り入れて欲しい、と切に願います。

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