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2015年1月3日

【三橋貴明】経済時事

From 三橋貴明@ブログ

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●月刊三橋最新号のテーマは「2015年の世界と日本」。

アベノミクスは失敗し、日本は再デフレ化確定。
ユーロはボロボロ。そして、中国が、、、、

今年、あなたが時代を読み間違えたくないなら、このページが参考になるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=eQUSqYvie2s

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お待たせいたしました!

http://www.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

三橋経済塾第四期「経済時事」が開講です。

※三橋経済塾は、経世論研究所が提供するサービスです。
※ですが、↑月刊三橋会員の方は、会員限定の特別割引が適用されます。

三期は主に「経済学」に焦点を当てた講義でしたが、今回は「時事問題」です。文字通り、現実に起きている経済現象に焦点を当て、統計、経済理論から読み解いていく講義になります。

例えば、
「ECBがマイナス金利を導入した」
と聞いたとき、普通の人は、
「ユーロ圏の銀行などがECBの当座預金にお金を預けたとき、銀行側がECBに金利を払うことになる。ECB当座預金をマイナス金利とすることで、ユーロ圏の銀行に『民間への貸出』を増やさせることが狙い」
などと、すらすら出てきませんし、結果的に何が起きるかについては、なかなか予想がつかないと思います。

ちなみに、わたくしはある政治家さんの講演で、ECBのマイナス金利について問われた際に、
「ECBがマイナス金利を導入しても、民間への貸出は増えない。むしろ、これまで以上にユーロ加盟国の国債が買われる事態になり、特にドイツ国債は長期金利で間もなく1%を切ると思います」
と、お答えしたわけですが、一か月後に現実のものとなりました。なぜ、わたくしが上記の回答をできたかといえば、現在のユーロ圏の問題が「デフレーション」であると理解しているため、日本の例を参考にすれば、
「デフレの国の中央銀行がマイナス金利を導入すると、何が起きるか」
と、ユーロ圏の銀行や民間企業の行動の予測がつくためです。

上記の類の「現象と背景と将来」について、日本に限らず世界各地について取り上げていくのが第四期「経済時事」 になります。皆様、是非、ご入塾下さいませ。
※年始のため、IDとパスワードの送付が1月5日以降になります。ご了承下さいませ。

さて、改めまして、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
年始恒例の「人口減で、日本終わりだ〜」系のニュースが流れていますが、実はわたくしは「将来の日本」についてはあまり心配していません。

『人口自然減最大の26万人、出生数4年連続最少 14年
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81505410R31C14A2CR8000/

2014年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは前年より2万9千人少ない100万1千人で、統計の残る1899年以降最少を更新したことが31日、厚生労働省の人口動態統計の年間推計で分かった。死亡数も戦後最多の126万9千人。出生数が死亡数を下回る「自然減」は26万8千人で過去最大となった。(後略)』

上記の記事は、日本の「総人口」の減少について取り上げたものです。とはいえ、26万人の人口減少など、日本全体から見れば0.22%程度に過ぎません。正直、放っておいて構わないレベルの人口減少です。

我が国の人口問題は「総人口」ではなく、少子高齢化を主因とする「生産年齢人口」の減少なのです。厳密には、
「総人口に対し、生産年齢人口の割合が下がっていく」
すなわち、生産年齢対総人口比率の低下なのです。

【日本の総人口(左軸、千人)と生産年齢人口対総人口比率(右軸)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#Jinko

日本の人口が減り始めたのは2005年ですが、生産年齢人口比率の方は、バブル崩壊直後に早くも減少を始めています。総人口という「総需要」に対し、生産年齢人口という「供給能力」の割合が下がっているわけでございます。

すなわち、今後の日本は実質賃金引上げのために必要な「人手不足」が、深刻化することはあっても、改善することは(しばらくは)ないのです。このまま生産年齢人口比率が低下し、人手不足が顕著になっていけば、やがては国民の実質賃金は上昇に転じることになります。人手不足でインフレギャップ状態になった産業は、市場の力により、必然的にサービス費や賃金水準は上昇していかざるを得ません。

すでに、人手不足は土木・建設分野のみならず、運送、IT開発、介護サービス、医療サービス、外食産業など、様々な分野に波及していっています。現場で汗を流し、労働を提供する国民にとっては、まことにありがたい環境が誕生しつつあるわけです。

特に、「若い世代」の労働が、今後は貴重になっていくわけで、デフレから脱却しさえすれば、自然に若年層の雇用は安定化し、賃金も上昇局面に入るでしょう。「外国移民」などという、全てをぶち壊す解決策に頼らない限り。

というわけで、我が国にとって必要な政策は、三つ。
「外国移民受入や労働規制緩和に代表される、賃金切り下げ政策は実施しない」
「デフレから速やかに脱却する」
「人手不足に端を発するインフレギャップを、日本国民の【生産性向上】によって埋める」
これだけなのです。特に、若い世代の雇用環境が安定し、実質賃金が継続的に上昇する局面に入れば、婚姻が増え、少子化も解消に向かいます。

上記三つから、現在の日本政府が採るべき政策、
「不要な労働規制の緩和は実施せず、将来の生産性向上のために民間や政府が投資を拡大し、現在のデフレギャップを埋める」
が導き出されるわけです。

日本の場合、現在の経済問題や少子化問題、人口問題(そもそも「問題」ではないのですが)等を解決するための政策は、あまりにも明らかなのです。

それにしても、国内のマスコミ報道だけに触れていると、「人口が減少している」「生産年齢人口が大幅に減少した」といったニュースを聞き、絶望的な気分になりませんか。実際は、そんなことはないわけでですが(むしろ、生産年齢人口比率の低下が、現在の日本の実質賃金低下問題を解決する)、誰も正しい情報を発信しようとしません。

というわけで、わたくしは今後もテレビ等の仕事も断らず、様々なメディアで「正しい情報」を発信するとともに、「三橋経済塾第四期」のテーマを「経済時事 」と名付け、現在、発生している様々な現象について正確な理解をして頂くべく、今年も頑張りたいと思っているわけでございます。

PS
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【三橋貴明】経済時事への1件のコメント

  1. アンジェラマオ より

    三橋さんどうも、ところで三橋さん以前講演かなにかで本宮ひろし作の「国が燃える」の中で、ありもしない南京大虐殺をあった事として描いて大騒ぎになった事について、「保守の人々は歴史にかんする誤りには大きく反応するが、経済的な誤りにはあんまり反応しない」というような事を言われてたと思うんだけど。その言葉を裏付ける事例がありますよ。おなじく本宮ひろし作の「男樹」シリーズの京太郎編、京一編という作品なんですが、こういう話です。日本のヤクザ全体を統括してる大親分がいる。こいつが新自由主義の経済学者と組んでヤクザの暴力を使って日本経済に新自由主義的改革をやっていくが、その中でヤクザ組織の内紛が起こり殺されて終わり。これが京太郎編。その息子の京一編というのが政治に関わり緊縮財政の究極みたいな政党を作り「国の借金がー」といいながら選挙をやる。年金も出さず健康保険もなくすといった事を言いながら勝利する。当然町に浮浪者が溢れる様な状況になり、それをアメリカ大統領が「皆が貧しくなるような選択をあえて行った日本は民主主義の最高の到達点に達した」と賛美されメデタシ、メデタシ。という悪夢にも程がある内容なんですね。これをおそらく本宮ひろし本人はこれを悪意でなく善意で描いている。多分本人は正しい行為を描いてると思ってる。私も昔は「アクメツ」なんかを正義の話だと思っていたので偉そうな事はいえないけど、財政均衡主義とか「国の借金がー」ていう考えを支持する人々の心象を見事に描いてると思いますわ。というか本宮本人がそういう人なのか、そういう人がブレーンにいるかいずれかでしょう。でね、三橋さんは今の政策を続ける限り経済が悪化しそれ原因で支持率が下がり、安倍政権の終焉という事を予想されてますが、こういう心象に基づいて経済と社会がグチャグチャになっても国民が耐えてしまい、どうにか政権が続いてしまうという悪夢を私は懸念しています。ちょうど戦後日本が自らの不利益や滅亡に繋がりかねない憲法をどうにか保ってきた事にも重なるのじゃないかと少し思うのですが。まあ杞憂に終わって欲しいもんです。

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