アーカイブス

2013年4月27日

【後藤孝典】ふるさとづくり有識者会議

FROM 後藤孝典(弁護士)@虎ノ門国際法律事務所

————————————————————

●4月の新規会員を募集中。「月刊三橋」

http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php

※4月号のテーマは「TPP」。TPPは農業問題ではない。最大の問題点とは?

※4月号より、QAがスタートしました。当月コンテンツ配信時に質問を募集、
いただいた質問をピックアップし、
次の号の配信までに三橋貴明が答えていきます。

※今、申し込んだ方には、創刊号『アベノミクス』を無料プレゼント。

————————————————————

安倍総理主宰の「ふるさとづくり有識者会議」の委員を委嘱された。

私は、歩くことが好きで、「ふるさと」地帯をずいぶんと歩いてきた。歩道が整備されれば、歩く人はもっと増えるだろう。

江戸幕府の道中奉行が直轄していた旧日光街道(例弊使街道、壬生街道を含め)、旧甲州街道、旧東海道、旧中山道、旧奥州街道(白石追分まで)は、出発点の日本橋から三条大橋など終点まで、すべて歩いた。
現在も旧奥州街道(白石追分から北)を仙台に向かって歩いている。

旧街道は「ふるさと」そのものではないが、旧街道歩きは、なかば山歩きだから、「ふるさと」と呼ばれる山や川や野や里を旧街道沿いに歩いてきたといってもよいだろう。

古墳時代後期には奈良県「まき向遺跡」を中心に西国と東国を結ぶ街道がすでに存在していたとおもわれるが、薩摩街道の南端、鹿児島城から奥州街道の北端、青森県津軽半島の先端三厨まで、日本列島全域に街道が発達したのは、江戸時代における参勤交代によるものであった。

腰を下ろして休む場所としても使われた一里塚と、宿場、宿場に守られた街道を行き来したのは、大名や武士だけではない。町人や商人はもちろん、農耕繁忙期の合間合間をぬって庶民たちが伊勢神宮や善光寺への参詣と称して物見遊山や湯治に行き来し、馬子たちは馬の背に荷駄を積み、各地の特産品を運送した。

街道と宿場の発達は、ある土地の文化と産業を他地域に運び、それと交換的に、他地域の文化と産業を当該地域にもたらした。

実際に街道を歩いて見ると、明治以降の鉄道線路は旧街道に沿って作られており、昭和以降の自動車道路も平成の高速自動車道も旧街道沿いに建設されている。
それだけではなく、鉄道駅舎も、役場も、神社もお寺も、酒や味噌や醤油の醸造所も、近代的な工場も、小学校も中学校も旧街道沿いに作られている。

つまり村や町が美しい自然の中を縫って続く街道沿に作られていることが良くわかる。
旧街道沿いこそが日本人一人ひとりにとっての「ふるさと」なのだ。

天皇を戴くことが悠久の時間を越えて縦に日本の国柄を貫いたのに対し、旧街道は日本の骨格を横断的に形成したといえるのではないか。

このように日本を一つに結び付けた旧街道の存在は、「ふるさと再生」の鍵概念になるのではなかろうか。旧街道沿いの文化と産業を再生する方策は、おのずから「ふるさと再生」を実現する方策となるのではないだろうか。

「ふるさと開拓使」という特別職国家公務員を創設することを提案したい。

旧五街道のほか、羽州街道、北国街道、西国街道、山陰道、四国遍路道、日田往還などなど、全国で約60本ほどの主要な旧街道を国が指定し、旧街道ごとに、地元の文化と産業をよく知っている「ふるさと開拓使」を数人ずつ、全国で300名ほどを選び、国が認定する。
旧街道沿いの文化との産業を開発、再生することに貢献するさまざまな権限を与えるのだ。
「ふるさと開拓使」は、街道沿いに上がってくる提案や意見を直接政府に具申する。「ふるさと開拓使」は、特定の指定街道ごとに、何代も家業として承継されている地
方の産業や老舗や近傍の歴史を、地元の成人や学生、児童に対し、神社仏閣や地方大学、地方の放送の場をかりて解説する。
地元の文化と歴史を知ることは、地もとに誇りをとりもどすことだ。

アベノミクスの三本の矢をまねるわけではないが、「ふるさと開拓使創設」という人的柱を立て、
これを中心に、「街道歩け歩け運動、街道の整備・維持・管理」を物的側面から、「農耕・漁業への参加、ふるさと市場、祭りの再生・承継」を精神的文化的側面から、地域の独創的ものづくりを支援する「ふるさと開拓官民ファンド事業」創設という経済的側面からと、三者を立体的に構成することができれば、
江戸時代のように、美しい自然と神社仏閣と名所旧跡を維持しながら、人々の往来を盛んにし、地域に根ざした産業を興し、職をつくることができる、ふるさとを誇りある生活の場としてとりも出せる、と提案することを考えている。

以上

ふるさとづくり有識者会議の様子は、首相官邸のホームページよりご覧いただけます。http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201304/11hurusato.html

PS
なぜ、アベノミクスは世界史に大転換をもたらすか?
なぜ、アベノミクスが失敗すると、人類は危機に直面するのか?
もし、あなたがアベノミクスの本質を学びたいなら、、、
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php

PPS
ちなみに、4月号のテーマは「TPP」です。
今、お試し入会すれば、
「アベノミクス」「TPP」の2本の講義を聞けます。

PPPS
4月からはQ&Aが始まり、さらにパワーアップ。

関連記事

アーカイブス

【三橋貴明】グローバリゼーション

アーカイブス

【三橋貴明】単方向の思考が財政破綻論を支えている。

アーカイブス

【施 光恒】英語公用語化を進めるよりも…

アーカイブス

【三橋貴明】真の意味の「経済力」と企業の内部留保

アーカイブス

【東田剛】東京五輪を素直に喜べない理由

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】決して許してはならない凶行

  2. 日本経済

    【三橋貴明】聖徳太子の英雄物語

  3. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】成田悠輔氏の「老人集団自決論」が論外なのは、...

  4. 日本経済

    【室伏謙一】「金融緩和悪玉論」を信じると自分達の首を絞...

  5. 日本経済

    【三橋貴明】聖徳太子の英雄物語

  6. 日本経済

    【三橋貴明】政府債務対GDP比率と財政破綻は関係がない

  7. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】『2023年度 国土強靱化定量的脆弱性評価・...

  8. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【3月14日に土木学会で記者会見】首都直下地...

  9. 日本経済

    【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難い

  10. 日本経済

    【三橋貴明】PBと財政破綻は何の関係もない

MORE

タグクラウド