アメリカ

2018年8月22日

【藤井聡】「ポピュリズム肯定論」がデフレ脱却を導く ~『表現者クライテリオン』を是非ご一読下さい~

From 藤井聡@京都大学大学院教授

本年2月に創刊しました
危機と対峙する保守思想誌「表現者クライテリオン」の最新号
この度、発刊されました。

これまでは、まだ創刊直後ということもあり、
「保守」「ナショナリズム」とは一体何か、という、
少々「抽象的」な問題を論じて参りましたが、
今回は、より「具体的」なテーマとして、
  「ポピュリズム肯定論」
を徹底的に論ずる特集を企画しました。
https://the-criterion.jp/backnumber/80_201809/

ご関心の方は是非、是非、ご購読ください。
https://the-criterion.jp/subscription/

ついては本日は、
本誌の特集「ポピュリズム肯定論」について、
解説差し上げたいと思います。

そもそも「ポピュリズム」と言えば、日本では
「大衆迎合主義」などと呼ばれ、
何やら「悪しきもの」と見なされています。

ですが、そんな「ポピュリズムを否定する雰囲気」こそが、
今の日本を閉塞させている―――というのが、
本特集の基本認識です。

例えば、今、
我が国で何よりも大切な経済問題は「デフレ脱却」

「デフレ脱却」さえできれば、
国民の所得は上がり、格差は是正され、
国民の暮らしは「豊か」なものとなります。

しかし、「デフレ脱却」のために必要な
「大型財政政策」も
「過剰なグローバリズムの緩和」も、
双方共に全く出来ていないのが現状です。

それもこれも、
日本官僚や知識人、学者といったインテリ達が皆、
緊縮やグローバリズムを主張し続けているから、
に違いありません。

つまり今の日本は、
インテリ達が間違った政策を主張し、
その方向で政治が動き、
デフレがいつまでも続き、
庶民が苦しめられている―――
という構図にあるわけです。

ところが、今、
アメリカやイギリスでは、
もった異なる議論が展開されはじめています。

イギリスが「EU離脱」を決定し
アメリカが大統領選挙で「トランプ」を勝利させたのです。

EUもクリントンも、
旧来型のインテリ達が推し進めようとする
「グローバリズム」や「緊縮」の象徴だったのですが、
その流れに対して、「国民」が、
「NO」を突きつけたわけです。

これこそまさに「ポピュリズム」。

その結果、
アメリカでもイギリスでも、
庶民を苦しめ続けた政治が、
着実に変わり始めているのです。

ところが・・・

我が国日本では、
こうした英米のポピュリズムを批判する声が絶えません。

「EUから脱退するなんて、
イギリス人はなんて愚かなんだ」

「トランプを選ぶなんて、
アメリカ人はホントに非知性的で、不条理だ」

という意見が、日本においては支配的です。

しかし、そんな日本のインテリ達は、
完全に間違っています

なぜなら、
グローバリズムや緊縮財政等の
机上の空論を振り回すインテリ達よりも、
「庶民の不満」を代弁するトランプやEU離脱派の方が、
英米の国益にとってずっとずっと「マシ」だからです。

つまり、「インテリ達が間違っている場合」には、
インテリ「以外」の人々の意見を重視する
ポピュリズムこそが、
正しい政治を導くのです!

だからこそ、我が国においても、今、
敢えてポピュリズムを「肯定」する議論が、
強く求められている――という次第です。

「表現者クライテリオン」では
そんな基本的な認識に基づいて、
「財務省」をはじめとした高級官僚達や経済学者
メディア関係者一流財界人など、
日本国内でデカイ顔をして、
他者を小馬鹿にしながらエラソーに自説を開陳し続けている
いわゆる「インテリ」達が、如何に、
現実を無視した「間違った主張」を繰り返し続け、
日本を破滅に導き続けているのか―――
一方で、「庶民からの反逆」とも言いうるポピュリズムが、
如何に日本で求められているのか―――
といった論点を、様々な角度から論じました。

デフレから脱却できず、
疲弊し続ける我が国日本において、
こうした「ポピュリズム肯定論」は、
閉塞した現状を打開する、
効果的な「一撃」となるに違いありません。

デフレ脱却を実際に果たし得る、
具体的な「戦略」を考えるためにも、
表現者クライテリオンの最新刊、
「ポピュリズム肯定論」を是非、
ご一読頂きたいと思います。
https://the-criterion.jp/subscription/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07FVFQ7L2/

どうぞ、よろしくお願い致します。

追伸:
表現者クライテリオンにご関心の方は是非、下記オフィシャルホームページをご覧下さい。
https://the-criterion.jp/

また、定期購読は是非、こちらからお申し込みください。
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【藤井聡】「ポピュリズム肯定論」がデフレ脱却を導く ~『表現者クライテリオン』を是非ご一読下さい~への4件のコメント

  1. たかゆき より

    ポピュリズム最高
    いんてり  最低

    いんてり が 現状肯定なのは
    己の 財布が 重くなるため
    国家や国民が どうなろうと
    知ったこっちゃない。。
    いわゆる グローバリズム

    かくいう 小生 
    アホ政権 もとい アベ政権のお蔭で
    たっぷりと 恩恵を受けておりまする
    が、、、

    このままでは 元も子もなくなる
    という くらいの 痴性は ある。。。

    あとは野となれ山となれ などといった
    豪気は これっぽちも
    持ち合わせては おりません ♪

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  2. komiyet より

    クライテリオン7月号「ナショナリズムとは何か」

    買って読んでる途中ですが・・・

    全然ページが進まない。

    このコラムを読んで、その理由がぼんやり分かった。

    インテリの話は分かりにくい。

    読んでいる人間はインテリではない。

    貴方たちもインテリであることに気が付いてくれ。

    少しアルコールが入ったぐらいの討論にしてくれよ。

    正しいのもわかるし、内容も濃いので、買って損したとは思わないが・・・

    正しい話も、なんでそれが正しいのかを永遠に読んでいるとお腹いっぱいになって、ごちそうさま~ってなっちまう。

    俺程度の知的レベルでも楽しめる言論誌って作れないか(・・?

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  3. 赤城 より

    デフレ脱却が現象としての正しい目標なのでしょうが、
    現実的問題の本質は日本が極端な緊縮財政以外の政策を全く
    選択できなくなったことではないでしょうか。
    積極財政どころか普通の国家の普通の財政政策もとれなくなったということ。
    それはつまりは日本にあるはずの通貨発行権が使用不能に陥ったということであり、そのために経済は正常に回すことができず当然のように低成長と停滞という結果を意図しているわけです。
    主権の無い国は当然に経済主権も無いわけで、
    通貨発行権も自由に行使できなくなったという自明の末路です。

    普通の財政政策をとれなくなった97年以降、
    財政政策を本当に取り戻し毎年普通に投資できるようになれば
    奇跡でも起きたように容易に息を吹き返せるでしょうが、、
    普通の財政政策を取り続けるということ自体が現状では
    奇跡のように思わずにはいられない。

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  4. ぬこ より

    インテリが間違ってるんではなくて、
    センセお好きな英や、お嫌いな米のインテリが、
    日本のインテリを動かしてるんですよね(笑)

    裏はスイスイタリヤらしいですけどね

    イスラエル詣で上念や、郵政英米化極右の高橋みたいに解り易いのは別にして、
    手が込んでるわ~~

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