【上島嘉郎】戦後70年に考える大東亜戦争「失敗の本質」

From 上島嘉郎@ジャーナリスト(『正論』元編集長)

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三橋貴明が自らの目で確かめた中国”鬼城”の実態とは?
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TPP日本の植民地化を進めるのか・・・?
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いきなりPRで恐縮ですが、11月25日に日下公人先生との対談『優位戦思考に学ぶ―大東亜戦争「失敗の本質」』(PHP研究所)が発行の運びとなりました。編集者という“黒衣”ではなく、名前を出しての本格的な初仕事です。

大東亜戦争は日米の戦力差を無視した“無謀な戦争”だったというのが戦後の定説です。

しかし、山本五十六が「開戦から一年半は暴れて見せる」と語ったように、開戦時の太平洋における日米海軍の戦力は総合的に日本のほうが上でした。

国家総力戦の時代では、最終的に経済力、産業技術力等の問題に帰着するため、日本側の優位は時間的に限られたものだったとはいえ、敗北は必然とは言えません。

そもそも大東亜戦争は本当に日本国家として敗北したのか。戦争目的からすれば、「自存自衛」は戦争設計の不備と指導者の覚悟のなさ、責任感の薄さから、望むところが達せられたとは言えない。

しかし、310万の多くの庶民の敢闘を以て「人種差別の壁を打ち破る」ことには勝利した、と言えるのではないか。
実利では負けたが、大義では勝った。この大義における日本の勝利を認めたくない人々と、それに与するかたちで日本から援助・賠償という名の搾取をし続けたい人々が、戦後秩序の維持派(戦勝国側の現状肯定)ということになる。

日本の軍事的敗北は、戦争設計の無さと、軍略(軍)と政略(政府)の連携不備、実働主体たる陸海軍の協同体制の不備等々に原因を求めることが出来ますが、それでも「無謀な戦争」「愚かな戦争」という既成概念からは見えてこない、「優位戦思考」による戦局転回の機会がなかったわけではない。

戦争目的(自存自衛、東亜の白人列強からの解放)を達するために為すべきことは何だったか。
また出来得ることは何だったか。「優位戦思考」から分析すれば、日本には異なる選択肢、道筋があったのではないか。日本の意志を戦後の国際秩序にある程度反映させる「講和」は勝ち得たのではないか。
「優位」な状況を活かせなかったとすれば、私たちの弱点、短所は何か。

これらの問いかけ、反省こそが、未来の日本を切り拓く戦後の私たちに必要な教訓ではないのか。

こんな問題意識から日下先生に対談をお願いしました。
「優位戦思考」とは馴染みのない言葉だと思いますが、日下先生の言葉を借りれば以下のような視点です。

〈優位戦は、攻めることも守ることも自在、戦いのルールから、勝敗や和平の定義まで決められる立場から仕掛ける戦いで、劣位戦はそれらのイニシアティブがない立場からの戦いです。「日本は悪かった」「日本は間違っていた」というのは劣位戦思考から出てくる答えでしかなく、優位戦思考から歴史のイフを考えると別の答えが出てくる。そして、未来の日本に必要なのは、日本人の可能性を広げる別の答えなのです。〉

この優位戦思考から見ると、当時の日本には様々な選択肢がありました。「追い詰められて堪忍袋の緒を切った戦争」というのは、気分の問題になってきます。

この夏に出された戦後70年の安倍晋三首相の談話に対し、新聞各紙は産経をのぞいて一斉に批判を加えました。

朝日社説は「歴史総括として、極めて不十分な内容」で「日本が侵略し、植民地支配をしたという主語はぼかされ」、「多くの国民と国際社会が共有している当たり前の歴史認識を覆す無理が通るはずがない」と首相の“匍匐前進”を強く難じました。

毎日社説も朝日と同様、安倍談話は、国策の誤りや「植民地支配と侵略」を明記した戦後五十年の村山談話と対照的だとし、「すでに定着した歴史の解釈に異を唱え、ストーリーを組み替えようとする歴史修正主義からきっぱりと決別することだ」と断じました。

読売社説は、「戦後70年談話 歴史の教訓胸に未来を拓こう」と見出しこそ朝毎二紙と異なる口調でしたが、「『侵略』の客観的事実を認めることは、自虐史観ではないし、日本を貶めることにもならない。むしろ国際社会の信頼を高め、『歴史修正主義』といった一部の疑念を晴らすことにもなろう」と金太郎飴でした。

これらの社説に共通するのは、戦前日本の歩みと大東亜戦争の評価を「すでに定着した歴史の解釈」に委ね、それに従うことでしか日本は国際社会に生きられないという現状追認です。

「すでに定着した歴史の解釈」とは何か。
先に述べたように、勝者がその優位を維持するために構築した歴史の解釈で、彼らもその無理を承知していますから、折あるごとに敗者にその受忍を求める政治的作業を行うわけです。「歴史修正主義」というレッテル貼りがその一つです。

今を生きる私たちが、父祖が戦った大東亜戦争について自らの愚かさや無謀の証としか語れないとしたら、日本人はいつまで経っても勝者に隷従する「劣位戦思考」しか持ち得ないことになるでしょう。

劣位戦思考に対するのが「優位戦思考」です。視点と発想を変え、劣位戦思考ではなく「優位戦思考」から日本の戦争目的や戦争設計を考えてみると、一体どんな可能性が浮かび上がってくるか。

「すでに定着した歴史の解釈」以外は認められないという新聞各紙の主張は、大東亜戦争には、後生が誇りに思える大きな意味があったのではないかという歴史の「イフ」を自ら封じるものです。

しかし、歴史について「イフを許さない」というのでは、歴史から教訓を導き出すことがあってはならないと言っているのと同じです。

大東亜戦争とその時代を省みる時、これまでその視点のほとんどが「劣位戦思考」でした。つまり、実力不相応な戦争を仕掛けた日本は負けるべくして負けた。したがってあの戦争は「アホな戦争だった」「自爆戦争だった」と。

日下先生との対談は、大東亜戦争の正当性を証すことを目的とはしていません。個人であれ国家(組織)であれ、ある目的に向かって努力する発想、アイデア、視点の独創的な提示で、日本人の可能性を広げる別の答えを探したものです。
書店での立ち読みでも結構です、一度お手にとっていただければ幸いです。

〈上島嘉郎からのお知らせ〉
『優位戦思考に学ぶ―大東亜戦争「失敗の本質」』(PHP研究所)
http://www.amazon.co.jp/dp/4569827268

↓↓発行者より↓↓

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三橋貴明が自らの目で確かめた中国”鬼城”の実態とは?
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TPP日本の植民地化を進めるのか・・・?
その答えはこちら
https://youtu.be/ntQpHSDoyjY

10 thoughts on “【上島嘉郎】戦後70年に考える大東亜戦争「失敗の本質」

  1. イエス キリスト曰く♪

    汝等のうち既往歴なき者のみ
    石もて 日本を打て

    当時は帝国主義という疫病が
    世界中を覆い尽くし 疫病から
    逃れられた国は存在しなかったはず。。。

    そして現在、、
    まさに バイオハザード
    経済学という 試験官の中でのみ
    研究すべき 「グローバリズム」という
    細菌を世界中に播き散らし
    政治家も官僚も御用学者も御用商人も
    そしてマスコミも(順不同)
    精神に異常を来している 始末
    しかも 病識 なし。。。 

    病態は先の大戦当時と 瓜二つでせう

    もしも 彼等が狂ってないのなら、、、
    狂っているのは 僕の方 なのだ♪

  2. 真珠湾より先にスターリンを潰していたら?
    ヒトラーと日本陸軍に挟まれて100%、日本が勝てた。 手柄は日本陸軍の物。 それを嫌った日本海軍が真珠湾に爆弾だけ落として引き上げてきた。
    米空母は全部、無傷。省庁の手柄の取り合いで350万人が死にました。

     天皇族の整理、階級(王族?、貴族、伯爵、男爵など)、財閥、地主の撤廃などが敗戦後の経済再生の支柱。
     現在の役所の中に貴族や伯爵関係者がうろうろしていたら気持ち悪いね。

     女性の参政権も60数年前に出来たばかりです。

  3. 前略 こんにちは。
    「日本の軍事的敗北は、戦争設計の無さと、軍略(軍)と政略(政府)の連携不備、実働主体たる陸海軍の協同体制の不備等々に原因を求めることが出来ますが、」とお書きになっています◆私は、もう一つ決定的な要因があると考えています。それは「1940年三国同盟から日本の暗号が米国につつぬけだった」という事です◆参考『暗号に敗れた日本』PHP刊 原勝洋・北村新三著 草々2675.11.20

  4. 私的に戦後70周年に考えるのは原爆投下の一軒である。
    そもそも、日本が負けたのはソ連に負けたのであって米豚(アメリカ)に負けていなかった。
    ロシアのメディアがこう伝えており、更に原爆投下はアメリカの戦争犯罪だと報じてくれました。
    イランとロシアは日本にとっては最重要相手国であり、神奈川県民なら相模原駅北口の米軍基地はロシアやイランに関連する建物にしたいと思います。
    なので、今度の相模原市と横須賀市、座間市、大和市の市長選、神奈川県知事選があったら沖縄県知事選と同じく翁長知事みたいな人を当選させた方が良いです。
    《米軍基地が街の発展を阻害することは事実だから。》
    神奈川県は東京人や埼玉人が嫌いだし、米軍が嫌いだから米軍がなければ神奈川県は東京や埼玉を超える。
    なので今度の神奈川県の自治体選挙は米軍基地が争点になるだろう。

  5. >今を生きる私たちが、父祖が戦った大東亜戦争について自らの愚かさや無謀の証としか語れないとしたら、日本人はいつまで経っても勝者に隷従する「劣位戦思考」しか持ち得ないことになるでしょう。

    全く同感です。戦前の日本は悪かったでは日本人の独創性やアイデンティティまで失う事になります。その考えしかないんだぞという
    連合国側だけの考えだけのレールしか思考できなくなってしまいます。

  6. おめでとうございます。
    しかも、発行がPHPさんからというのがいいですね。
    古巣からデビューする人間くらい見ていて厭らしいものは
    ない。宮脇俊三はそれがわかっていたから中公でなく河出
    から新人になった。なかなか出来ないことだそうですが。

    編集後記でも手を抜かず、螺鈿のような一文を彫り込んで
    来たのが上島編集長。

    明治以降の西欧近代化は、「独立」をまっとうするために
    必要でしたが、同時に日本人らしさを自ら削り取ることで
    もあった。開国期の明治人が直面した苦悩に、平成の我々
    も直面している。(『別冊正論』平成19年7月号)

    山本夏彦さんは『本を読むということは死んだ人と話をす
    ることである」と書いたが、今の日本で死者の声を聴きた
    い、遠くの声を探したいと願う人がどれほどいるか。今の
    日本は生きている者の天下である。(『正論』平成22年
    11月号・上島編集長最後の発行号)

    教養、感性、ことばを誇る書き手は五万といても、再読に
    耐え得る人はわずかです。その中で上島さんは特別貴重な
    お一人だと思っています。

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